8月7日発売

敗戦とトラウマ 次こそ「正しく」戦えるか

  • 浜崎洋介 編著
    藤井聡、柴山桂太、川端祐一郎、施光恒、小幡敏 著

    解説:富岡幸一郎 著

著者紹介

浜崎洋介  はまさき・ようすけ

1978年生まれ。日本大学芸術学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了、博士(学術)。文芸批評家、京都大学大学院特定准教授。著書に『福田恆存 思想の〈かたち〉 イロニー・演戯・言葉』『小林秀雄の「人生」論』『日本人の「作法」 その高貴さと卑小さについて』など多数。「表現者クライテリオン」編集委員。

 

藤井 聡 ふじい・さとし

1968年奈良県生まれ。京都大学卒業。同大学助教授、東京工業大学教授などを経て、京都大学大学院教授。2012年から2018年までの安倍内閣・内閣官房参与を務める。専門は公共政策論。著書に『大衆社会の処方箋』『強靭化の思想』など多数。「表現者塾」出身。「表現者クライテリオン」編集長。

 

柴山桂太 しばやま・けいた

1974年東京都生まれ。京都大学経済学部卒業。同大大学院人間・環境学研究科博士後期課程退学。滋賀大学経済学部准教授を経て、現在、京都大学准教授。専門はイギリスを中心とした政治経済思想。著書に『静かなる大恐慌』。「表現者クライテリオン」編集委員。

 

川端祐一郎  かわばた・ゆういちろう

1981年香川県生まれ。筑波大学第一学群社会学類、京都大学大学院工学研究科博士後期課程修了。日本郵政公社、郵便事業株式会社、日本郵便株式会社を経て現在、京都大学大学院工学研究科准教授。共著に『流行語で学ぶ日本語』など。「表現者クライテリオン」編集委員。

 

小幡敏  おばた・はや

1991年福岡県生まれ。麻布高校、東京大学文学部思想文化学科倫理学専修過程卒業。元陸上自衛官。令和元年度表現者賞、令和四年度日本再興大賞を受賞。著書に『「愛国」としての「半日」 奇形の軍民関係を正す』『忘れられた戦争の記憶 日本人と“大東亜戦争”』。第二章にコーディネーターとして参加。

 

施光恒  せ・てるひさ

1971年福岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。同大学院法学科研究科博士課程修了。現在、九州大学大学院教授。政治哲学・政治理論専攻。著書に『リベラリズムの再生』『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』『本当に日本人は流されやすいのか』。第四章に参加。

わたしたちはなぜ「あの戦争」を上手く語れないのか?

三島由紀夫、吉田満、城山三郎、丸山豊・・・・・・凄惨な戦場と様々な不条理、えも言われぬ充実感、耐え難い罪悪感、敗北の屈辱と湧き上がる安堵。あの時、確かに日本人の中にあった感情とそれを失ってしまった喪失感が、戦争文学には刻まれている。

文芸批評家、工学者、経済学者、政治学者など様々な分野の知識人が集う『表現者クライテリオン』で開かれた、戦後空間で蓋をして見ないことにしてきた感情に文学を通して向き合う画期的「戦争文学座談会」

戦争が刻んだ日本人の精神的断絶の深層を覗き込み、痛みをもう一度自分たちのものとして受け止めなければ、日本人はまた同じ「失敗」を繰り返す。
もし次の戦争があったら、その時こそ「正しく」戦うための必読の書!

 

目次

まえがき──危機の今、「戦争」を振り返ることの意味を考える     浜崎洋介

第一章 【断絶編】孤児になった感情  城山三郎『大義の末』/三島由紀夫『英霊の聲』

第二章 【激戦編】語りえぬ戦いの記憶  櫻井忠温『肉弾 旅順実践記』/丸山豊『月白の道』

第三章 【沖縄編】「宿命」の島で考える文学  大城立裕『カクテル・パーティー』/目取真俊『平和通りと名付けられた街を歩いて』

第四章 【特攻編】「特攻文学」をめぐって  吉田満『戦艦大和ノ最期』/島尾敏雄『出発は遂に訪れず』

解説──断絶としての「戦争」     富岡幸一郎

 

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