「拝啓表現者クライテリオン様」

岩崎新太郎(25歳・会社員・埼玉県)

 

拝啓

 

 三寒四温の候、毎号隅々まで楽しく拝読いたしております。

 また、こちらの投書欄にようやく寄せられることを我ながら嬉しく思います。

 

 さて、ここからは僕の個人的な話となりますがお付き合いください。

 僕と『表現者クライテリオン』との出会いは、学生時代にお世話になりました、編集委員でもある浜崎洋介先生との出会いからです。

 先生と出会ってから早6年程経ちますが、かつての僕は、所謂俗に言う「ネトウヨ」でありました。

 学生時代に僕は、漠然とした不安からの衝動故か、大学構内に於いて、意味も無く日章旗を振り、ラジカセで軍歌を流し歌いながら練り歩く……

 などという愚行をしでかしておりました。

 碌に深く考えもせず、あえて自分の中での「ニッポン」に仮託し、大好きな軍歌を歌いながら、己に酔いしれておりました。

 

 当時齢十九にして、時の安倍政権を支持し、巷に跋扈する「ホシュ言論」を盲信していた愚か者でありました。

 とはいえ、そのころから親米保守への違和感、新自由主義への違和感などは感じてはいたものの、とりあえず「ホシュ」ってかっこいいというような、浅ましい幻想を抱き、安倍晋三万歳! 靖国神社参拝! ……に象徴される、「ポーズだけホシュ」をして、己を慰めておりました。

 

 そのような中で、浜崎先生と出会い、人間としての当たり前の作法を学び、怒られ、もっと先生から学びたいとの思いから先生のご著書をはじめ、様々な日本近代文学、小林秀雄、福田恆存らの批評文等を読み、反省してまいりました。ただ僕自身、けっして頭は良くはないタチですので、読んだものの実際に活かせているかは甚だ懐疑的な部分ではありますが……

 もちろんその流れにおいて、『表現者クライテリオン』とも出会いました。実際に購読するようになったのは、先生と出会いしばらくした後、「特集 安倍晋三 この空虚な器」からです。以降、地元の書店にて取り置きし、毎号隅々まで楽しく読んでおります。

『表現者クライテリオン』の言論に実際に触れてみて、日本のあらゆる問題を考えさせられました。

 言論誌のなかでも、最も正鵠を射る真っ当なオピニオン誌であり、毎号勉強しております。

 編集長藤井聡先生のご著書を読み、ラジオ等も聴き、日本のあらゆる問題に絶望はしてはいるものの、しかしながら、日本再生を信じて、毎回楽しく勉強しております!

 

 またシンポジウム等も、社会人になってからは何度か参加し、今年度は表現者塾にも入塾しました。

 実際に先生方のお話を聞き学び、その後の懇親会では、先生をはじめ、同じ思いを共有している同志らと酌み交わすことによって「幸福感」を得られる素晴らしい「場」であります。

 

 また『表現者クライテリオン』の言論の良さは、「イデオロギー」なり「立場」に囚われず、様々な先生方の考えを展開されているので、とても勉強になります。

 ほかの「ホシュ言論誌」とは一線を画しており、これからも真っ当な言論誌として頑張ってほしいと切に願います!

 

 長々と個人的な感想となってしまい恐縮です。

 とはいえ日本、本当に色々な問題が山積しております。が僕自身、この日本という地で生まれ落ちた「宿命」を素直に受け容れ、郷土を愛し、元気に真面目に、お天道様に恥じぬよう生活しております。 

 これからも己自身の「クライテリオン=基準」も保ちつつ、何事にも感謝して明るく元気に頑張ってまいります!

 

 末筆ながら、執筆されている先生方をはじめ、出版に携われておられるみなさまにおかれましては、これからも益々の『表現者クライテリオン』の発展をお祈り申し上げます。

 

                    敬具

 令和六年二月二十一日

               岩崎 新太郎 拝

表現者クライテリオン様