知って下さい、プライマリーバランス亡国論

今週の一曲
Highway to Hell by AC/DC

AC/DCの1979年の同名アルバムに収められたシングルカット曲。初代ボーカリスト、ボン・スコットが不慮の死を遂げる直前にリリースされた彼の遺作。「気楽に生き自由を愛する・・・おれは地獄へのハイウェイをぶっとばしている 止まれの標識も制限速度もない 誰もおれを止められない 誰にもジャマはさせないさ」。一旦乗ったらもうどこにもいけない、地獄に向かって一直線にぶっ飛ばしていく―――この破滅的な彼らと、行く先には地獄しかない「緊縮路線」をひた走るエリート達と一体何が違うというのか?どちらも行き着く先は「地獄」しかないじゃないか。彼らの間に違いがあるとすれば、エリート達は、本物の享楽的な刹那を一度たりとも体感したことがない、と言う点なのだろう。それが故にエリート達は、その精神の奥底に本物の「地獄へのハイウェイ」を突き進む様な享楽的に生きる奴らに対するルサンチマンを常に隠し持ち続けているのだ。そんな、蛆虫どもの道連れになるなんて、まっぴらゴメンだ、だったら俺たちは地獄に向かって楽しんで生きていくさ――この曲の直後に、まさにクルマの中で不慮の死を遂げたボンスコットの叫びの根底には、そんなポジティブなニヒリズムがあるのかも知れない。

今週のテーマは「知って下さい、プライマリーバランス亡国論」。政府の財政収支だけを考えていたら、国民は豊かにならず、ひいては政府の財政もより悪化する——そのメカニズムを説明します。

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