2018.03.20ON AIR
大ヒットアニメ、『新劇の巨人』の主題歌。この一曲だけで、そのアニメの世界観が明確に歌い上げられている。戦いを辞め、奴隷としての繁栄を嬉々として喜ぶ現代の日本人達に対するアンチテーゼを強烈に提示する一曲。今の我々の豊かな暮らしは、「家畜の安寧」や「虚偽の繁栄」に過ぎない。「祈ったところで何も変わらない」のだから、この隷属を強いる者どもと「戦う覚悟」を持たざるして、何が変わるというのか。家畜として生きて行くくらいなら「死せる餓狼の自由」をこそ求めねばならぬのではないか、否、そう生きていきたい――今の日本で何よりも失われてしまった「独立のために戦う勇気」を、驚くべきストレートさで歌い上げ、そのストレートさが多くの若者達の精神を捕らえ、大ヒットした一曲。
2018.03.13ON AIR
今の日本のおぞましき腐臭漂う醜悪な部分を怒りを込めて歌い上げるブルーハーツの一曲。「イメージ イメージ イメージが大切だ 中身が無くてもイメージがあればいいよ」そんなTVや新聞、そして、クラスや職場のうす甘い空気に対して、暴力的な怒りをぶつける。「金属バットが 真夜中にうなりを上げる」、挙げ句に「クダらねえインチキばかりあふれてやがる ボタンを押してやるから吹っ飛んじまえ」――へらへら笑いながら「中身が無くてもイメージがあればいいよ」と嘯く輩に、金属バットはダメなのか、ボタンを押しちゃダメなのか!?――そんな、今の普通の若者達がうす甘い大人達に対して抱く激烈なる潜在意識を赤裸々に歌い上げた一曲。
2018.03.06ON AIR
ノーベル文学賞受賞者でもあるボブディランの名曲を、ジミヘンがカバー。聖書に書かれた「バビロニア帝国崩壊」の物語をモチーフとしたもの。大衆社会が深刻化する中で、大衆に語りかけんとする「道化師」が、大衆には何一つ伝わらないことの悲哀を歌う一方、自身が住まう「帝国」それ自身が今まさに亡びようとしていく様子を暗示する―――これは、大英帝国の終焉や、アメリカ帝国の終焉を暗示する歌とも言いうるが、もちろん、我が国に引きつけて考えることもできる。大衆社会が深刻化する一方、為政者達は危機に対して無為無策のまま傍観する、我が国日本の今日の姿――その哀しくも滑稽な姿をあざ笑うかのように、ジミヘンのギターが終盤に向けてますますクレイジーになっていく――。