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2022年12月9日発売

故郷を忘れた日本人へ――なぜ私たちは「不安」で「生きにくい」のか

  • 仁平千香子 著

著者紹介

山口大学国際総合科学部講師
『表現者クライテリオン』表現者賞・奨励賞受賞
連載「移動の文学」(全10回)

内容紹介

『表現者クライテリオン』で連載していた「移動の文学」が単行本化
※本書は2020年から2022年にかけて連載されていた記事を加筆修正、新たに書き下ろし部分を追加しまとめたものです。

 

芥川龍之介と現代若者の共通点
それは日本という故郷への不安と
地に根を張れないもどかしさにある。

言論誌『表現者クライテリオン』表現者・奨励者受賞者による
「不安」の中で生きる日本人への指針
13の文学作品から現代人が忘れてしまった「故郷=日本」の愛し方の痕跡を辿り、
現代人が感じる「居心地の悪さ」や「生きにくさ」の原因を探り出す。

 

目次

1 計算尺(クライテリオン)を探して
─ジョン・オカダ『ノーノー・ボーイ』を読む

2 記憶なき場所に故郷を探す
─小林勝の「フォード・一九二七年」を読む

3 帰らなかった日本人妻たち
─上坂冬子の『慶州ナザレ園─忘れられた日本人妻たち』を読む

4 伝統の価値
─石村博子の『たった独りの引き揚げ隊』を読む

5 辿りつけない故郷と日本への憎悪
─引揚げ者たちの語りを読む

6 待つことが目的と化した人生の行方
─サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』を読む

7 生命の誕生という「保証のない旅」
─金原ひとみの『マザーズ』を読む

8 不安という原動力
─フランツ・カフカの「巣穴」を読む

9 愛という不都合な荷物
─ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』を読む

10 光と闇の二元論を超えて
─村上春樹の『アンダーグラウンド』を読む

11 自由は孤独であるという幻想
─ミヒャエル・エンデの「自由の牢獄」を読む

12 支配は胃袋から始まった
─岡本かの子の「鮨」と野坂昭如の「アメリカひじき」を読む

13 本当の「つよさ」は幸福感から来る
─デビッド・マッキーの『せかいでいちばんつよい国』を読む

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