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思想・言論誌表現者クライテリオン

西部邁氏が創刊した『発言者』『表現者』の後継誌として、藤井聡・柴山桂太・浜崎洋介・川端祐一郎の編集体制で2018年2月より隔月刊で発行。
右翼とも反左翼とも異なる「真正保守」の立場で、人間と社会に関わるあらゆる問題を論じます。

2024年1月号(通巻112号) 12月15日発売

特集

「政治と宗教」を問う

神道・仏教からザイム真理教まで

座談会

日本人よ、自らの“宗教性”を自覚せよ

  • 島薗 進東京大学名誉教授
  • 施 光恒九州大学教授
  • 藤井 聡京都大学教授
  • 柴山桂太京都大学准教授
目次

【特集インタビュー】

・ザイム真理教という「カルト」による国家破壊/森永卓郎(聞き手 藤井 聡)
・イスラーム法学者に聞く、「文明」の生命力と「一神教」の理念/中田 考(聞き手 川端祐一郎)
 
 

【特集論考】

・大衆的な、あまりに大衆的な――「信仰」なき現代を問う/浜崎洋介
・どうして「宗教」に接するのを恐れるのか/仲正昌樹
・福音派はなぜ政治を動かせるのか――アメリカの「政教分離」が意味するもの/会田弘継
・人は宗教を欠いて戦争を扱い得るか/小幡 敏
・仏国土思想から見た日本の国体――その成立と展開/金子宗德
・神道指令による「日本人」の解体/富岡幸一郎
 
 

【特別座談会】

・アカデミズムとジャーナリズムの連携を探る――学術誌『実践政策学』がめざすもの(前編)/石田東生×桑子敏雄×森栗茂一×藤井 聡
・ウィトゲンシュタインと「言葉の魂」をめぐって(後編)/古田徹也×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
 
 

【アジアの新世紀】

・中国化の先に来た「リストカット化する日本」(前編)/與那覇 潤(聞き手 浜崎洋介)
・危機と好機 安岡正篤の場合(第二回)権藤成卿と安岡正篤/大場一央

【連載】

・「危機感のない日本」の危機 安全保障と日本人/大石久和
・「農」を語る(第2回)有機農業をめぐる、外圧・グローバル企業とのせめぎ合い/松原隆一郎×藤井 聡
・経世済民 虫の目・鳥の目(第5回)今さら聞けない金利と通貨の話/田内 学
・映画で語る保守思想(第8回)戦争が呼び覚ます「運命」の感覚――『ひまわり』を題材に(中編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評(第6回)国家の役割を取り戻せ!(前編)国家機能の溶解を防ぐことはできるか?/室伏謙一
・逆張りのメディア論33 「次のジャニーズ事件」防止に必要なもの/松林 薫
・欲望の戦後音楽ディスクガイド(第7回)The Rolling Stones / Hackney Diamonds/篠崎奏平
・東京ブレンバスター⑨ 風に吹かれて――戦争の本質/但馬オサム
・編集長クライテリア日記 令和五年十月~十一月/藤井 聡
 
 

【巻末オピニオン】

・近代日本人の「信仰」を問う 大岡昇平の「襲撃」をめぐって 浜崎洋介
 
 

【書評】

・『謝罪論 謝るとは何をすることなのか』古田徹也 著/粕谷文昭
・『隣国の発見 日韓併合期に日本人は何を見たか』鄭 大均 著/小野耕資
・『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』伊藤亜紗 著/前田龍之祐
・『ユダヤ人の自己憎悪』テオドール・レッシング 著/橋場麻由
・『歴史から学ぶ比較政治制度論 日英米仏豪』小堀眞裕 著/早瀬善彦
 
 

【その他】

・無形の霊性――横山大観の絵を見て/首藤小町(寄稿)
・アメリカありきの経済安保(鳥兜)
・二〇二四年問題という“馬鹿ばなし”(鳥兜)
・新興宗教との関わり方も「国民の伝統」に基づくべし(保守放談) 
・なぜグローバリストは未熟に見えるのか?(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)

[巻頭言]

 今の日本の政治の腐敗は著しい。一旦政治権力を掌握すると司法を平然と歪めて“しら”を切り通す程に、我が国中枢は腐敗してしまった。
 こうなった背景にあるのが日本における「宗教性の喪失」だ。
 戦後日本では公の場で宗教を語ることそれ自体がタブーとなり、政治においては「政教分離」の趣旨がはき違えられ、政治の現場から宗教性が蒸発し続けた。結果、あらゆる公正・正義が蔑ろにされるに至っている。
 その結果、逆説的にも生み出されたのが統一教会問題であり、虚偽の言説を脅迫に基づいて信者に強要し続けるカルトの様な緊縮財政派の権力中枢における横暴問題、いわゆる「ザイム真理教」問題だ。
 こうした悲劇的状況から我が国を救い出すには、諸外国と同様に、そしてかつての日本の様に、適切なかたちで適切な宗教“性”の復活を試みる他ないのではないか――それが本特集「『政治と宗教』を問う」の趣旨である。本特集が我が国における適切な宗教性の復活に僅かなりとも貢献せんことを、祈念したい。

表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

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