西部邁氏が創刊した『発言者』『表現者』の後継誌として、藤井聡・柴山桂太・浜崎洋介・川端祐一郎の編集体制で2018年2月より隔月刊で発行。
右翼とも反左翼とも異なる「真正保守」の立場で、人間と社会に関わるあらゆる問題を論じます。
・ディープステートは全く「ディープ」ではないーグローバリストたちの浅はかな選民思想/ジェイソン・モーガン 聞き手 川端祐一郎
・トランプ勝利は予言されていたー「闇の政府」を生んだ温床は何か/会田弘継
・シンガポール日ロ首脳会談の舞台裏ー「日本版ディープステイト」の考現学/佐藤 優
・資本主義リアリズムの時代における陰謀論の必然/白井 聡
・アメリカ民主主義の危機とは何かーディープ・ステイト解体」に突き進む第二期トランプ政権/井上弘貴
・財務省は「日本版DS」なのかー財政民主主義を脅かす存在の正体/須田慎一郎
・農業・農協を破壊する「権力」の仕掛け/久保田治己
・連載 徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第12回 誰が政策過程に影響を与えているのか?/室伏謙一
・文学座談会 神なきあとの「不条理」を生きる―フランツ・カフカ『城』を読む(後編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第3回 医療の限界/森田洋之
・アジアの新世紀 不可視のイスラーム帝国 ユーラシアを再編する学僧たち 第3回 京都にタリバンがやってきた/山本直輝
・「危機感のない日本」の危機―移民国家へと進む知能喪失の国/大石久和
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十五回 マルクスの亡霊たちー 日本人の「一神教」理解の問題点⑦/富岡幸一郎
・「農」を語る 第2回 対米自立の気概こそ「農を語る」根幹/内田 樹×藤井 聡
・連続対談 在野の「知」を歩く 第5回 「議論しないフェミニズム」はどこへ向かうのか?(前編)/與那覇潤(ゲスト 柴田英里)
・日本のアンチモダン 第2回 反革命1 明治維新のアンチモダニズム/平坂純一
・風土と共同体 第四回 コミュニティ政策の射程/山口敬太
・東京ブレンバスター⑮ LGBTとフェミニズムとGAY/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第13回 Rob Zombie / Hellbilly Deluxe/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和六年十月~十一月/藤井 聡
・日本はトランプ政権誕生を機に「独立」の道を歩むべし/藤井 聡
・『農協が日本人の“食と命”を守り続ける!』久保田治己 著/小野耕資
・『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ vol.1~4』魚 豊 著/粕谷文昭
・『師弟のまじわり』ジョージ・スタイナー 著/前田龍之祐
・『日本人が学ぶべき西洋哲学入門 なぜ、彼らはそう考えるのか?』ジェイソン・モーガン=茂木 誠 著/髙橋直也
・斎藤元彦知事問題の本質、見誤るべからず(鳥兜)
・からっぽの国のうつろな宰相(鳥兜)
・中国の「独立自尊」を見習え(保守放談)
・教派神道と三島由紀夫――日本人の宗教について(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)
政府という「権力」は国民によって制御されるべしというのが国民国家の大前提だ。しかし日本の政治は財務省や米国や中国共産党、さらには国内外の資本家達等に大きな影響を受けているし、米国においてもCIA、FBIや金融や軍事等を含めた産業界の上層部もまた米国民の意志とは独立に米政府に巨大な影響を及ぼしている。トランプ次期米大統領は政府の影に潜むそうした諸勢力を「ディープステート」(闇の政府:DS)と呼称し、その解体を最重要公約の一つとして掲げ、大統領選に勝利した。
しかし、このDS論に対しては「無根拠な陰謀論だ」と否定する論者は多い。デイープ「ステート」と呼ばれるような「しっかりとした一個の組織・機構」などあるわけないというのがその趣旨だ。まさにその通りだ。しかしそれでもなお、政府という「権力」を動かす別の「権力」が存在することは動かしがたい事実だ。ついては本誌では、DS説に代表される素朴な「陰謀論」とは一線を画しつつ、国内外政府内外の各種の「権力」がどのような構図の下、政府という「表の権力」に影響を及ぼしているのかを考える特集をここに企画した。
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡