西部邁氏が創刊した『発言者』『表現者』の後継誌として、藤井聡・柴山桂太・浜崎洋介・川端祐一郎の編集体制で2018年2月より隔月刊で発行。
右翼とも反左翼とも異なる「真正保守」の立場で、人間と社会に関わるあらゆる問題を論じます。
特集:「財務省」は敵か味方か?
【特集インタビュー】
財務省批判を超えて――真の敵はどこにいるのか/藤井 聡 [聞き手]柴山 桂太
【特集対談】
①財務省はかく改革すべし――緊縮主義の呪縛を解くために/玉木雄一郎 × 藤井 聡
②政治は財務省と闘えるか――日本経済再生をめぐる攻防/髙橋 洋一 × 藤井 聡
【特集論考】
財政抑制国家からの脱却――新たな国づくりのための財務省の役割/柴山 桂太
トランプ高関税が促す「ザイム原理主義」の廃棄/田村 秀男
自民党はなぜ「消費税減税」を公約しなかったのか――党税調の舞台裏/須田 慎一郎
財務省の実態、財務省の虚構――脱藩官僚から見た今の財務省/室伏 謙一
財務省の世論工作と忖度するメディア/田中 皓介
「財政均衡主義」の論理と心理――「無責任の体系」、再び/浜崎 洋介
【新連載】
満洲こぼれ話 第1回 〝異国日本〟の日本人/小幡 敏
【特別対談】
阪神タイガース元監督・矢野燿大氏に聞く(後編)「グーグルに勝つ」メンタルの育て方/聞き手:柴山 桂太
【特別鼎談】
アジアの新世紀 彷徨うアジアの知と帝国再編(中編)/内田 樹 × 中田 考 × 山本 直輝
【生誕100年特別連載】
三島由紀夫とは誰だったのか 第4回 三島が遺した「神話」と「革命」(中編)/執行 草舟 × 富岡 幸一郎
【連載】
巻頭連載 「危機感のない日本」の危機 デタラメだらけの消費税論議(+日曜の投票日)/大石久和
虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十九回 マルクスの亡霊たち―日本人の「一神教」理解の問題点10/富岡 幸一郎
虚像の果ての中国 第2回:イノベーションを生み出す“アジア”的ネットワークと日本の「断絶」/高口 康太
連続対談:在野の「知」を歩く 第7回 転んで進む学問のすすめ(前編)/與那覇潤 ゲスト:荒木 優太
「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第7回 日本の医療の構造的な闇――求められる医療の本質/森田 洋之
日本のアンチモダン 第6回 崇高1 特攻隊――崇高と美の観念の起原/平坂 純一
風土と共同体 第六回 郷土教育運動の展開/山口 敬太
「農」を語る 第3回 財政破綻論が日本の農業を滅ぼす/三橋 貴明 × 藤井 聡
リレー連載 映画とわたし 第3回 ラストエンペラー――映画の「客観性」について/浜崎 洋介
東京ブレンバスター19 日本人とガイジンの間に――ロイ・ジェームスを想う/但馬 オサム
【レポート】
「表現者クライテリオン」沖縄シンポジウムを振り返る――沖縄から考える対米独立への道/藤原 昌樹
【書評】
『「あの戦争」は何だったのか』/辻田 真佐憲 著(評:粕谷 文昭)
『戦前日本の「聖地」ツーリズム――キリスト・日蓮・皇室』/平山 昇 著(評:小野 耕資)
『『純粋理性批判』を立て直す――カントの誤診1』/永井 均 著(評:山田 陣之祐)
『幸福論』アラン 著(評:髙橋 直也)
【巻末オピニオン】
二〇二五年参議院選挙総括――「政治もどき」の終焉を求め始めた日本国民/藤井 聡
【その他】
塾生のページ
投稿:読者からの手紙
「カネ出せ、儲けよこせ、でも口出すな」という恐るべき不平等条約(鳥兜)
小選挙区制の導入は間違いだった(鳥兜)
石破茂はもはや子供の目に触れさせてはならない(保守放談)
天才科学者の不気味なビジョン(保守放談)
今、消費税増税や予算カットを繰り返す所謂「緊縮財政」に対する国民の不満が拡大し、それを主導するとされる「財務省」を批判するデモが全国に広がった。そして今般の参議院選挙でも、緊縮財政を主導する諸政党は大敗を喫し、積極財政を主導する諸政党が大躍進した。
そんな財務省批判の文脈でしばしば持ち出されるキーワードは「財務省解体」だ。これは明確に、財務省を「敵視する」言葉だ。しかし文字通り財務省を解体してしまっては政府活動そのものが混乱することは必至だ。したがって仮に現下の財務省が国民の「敵」のように振る舞っているのだとしても、日本の経済や永続的繁栄のためには、刻早く財務省が国民国家の「味方」となる組織の実現が求められることとなる。
本特集ではこうした認識の下、財務省とは一体如何なる意味で日本国民の「敵」あるいは「味方」なのか、仮に国民の「敵」だと見なさざるを得ぬとしても如何にすれば国民の「味方」への転換を果たし得るのかを多面的に議論する。
表現者クライテリオン編集長 藤井聡