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思想・言論誌表現者クライテリオン

西部邁氏が創刊した『発言者』『表現者』の後継誌として、藤井聡・柴山桂太・浜崎洋介・川端祐一郎の編集体制で2018年2月より隔月刊で発行。
右翼とも反左翼とも異なる「真正保守」の立場で、人間と社会に関わるあらゆる問題を論じます。

2021年11月号(通巻99号) 2021年10月15日発売

特集

日本の「強さ」とは何か

亡国を救う「道」の思想

座談会

日本復活を導く「道の思想」

  • 施光恒九州大学大学院教授
  • 藤井聡京都大学大学院教授、クライテリオン編集長
  • 柴山桂太京都大学准教授
  • 浜崎洋介文芸評論家
  • 川端祐一郎京都大学大学院工学研究科助教
目次

【特集】日本の「強さ」とは何か―亡国を救う「道」の思想

 

[座談会]
日本復活を導く「道の思想」/施 光恒×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

[対談]
「道」を極めることは「良く生きること」――東京五輪、女子柔道大復活の秘密/中井祐樹×松原隆一郎
日本再生の鍵は職人の伝統にあり――“棟梁”小川三夫氏に聞く/小川三夫(聞き手 柴山桂太)

・「道」は日本人の故郷である/菅野覚明
・稽古の智慧――世阿弥に学ぶ/西平 直
・継承という事――「梅路見鸞」という存在/甲野善紀
・本来的な日本の強みとしての「任俠」を考える/宮崎 学

 

 

【特別レポート】

[対論]
「空気」に屈しない!「歯科」的抵抗運動/松崎友祐×七里正昭

 

 

【新連載】

[特別対談]
プライマリーバランス規律を撤廃せよ! 第1回 安倍内閣はなぜ消費増税したのか?(田原総一朗×藤井 聡)

・「自己喪失」の近代史 第一回 「明治の精神」は、どう終わっていったのか/浜崎洋介

 

 

【連載】

・「危機感のない日本」の危機――日本国崩壊の真因・小選挙区制の導入/大石久和
・欧米保守思想に関するエッセイ 第5回 孤高の哲人、アーヴィング・バビット Part② バビットの教育政策論争/伊藤貫
・マルクスの亡霊たち――マルクス主義とキリスト教②/富岡幸一郎(虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー)
・地形と気象が生んだ中部モノづくり――情報と閉じこもり/竹村公太郎(地形がつくる日本の歴史)
・ポストモダン紋切型辞典/平坂純一(保守のためのポストモダン講座)
・「社交の世紀」の光と影/川端祐一郎(思想と科学の間で)
・ワクチン報道への疑問/松林 薫(逆張りのメディア論)
・「政治」と「感情」マーサ・ヌスバウムのコスモポリタニズムからの「後退」をめぐって――愛着と忠誠の政治哲学序説/白川俊介(ナショナリズム再考)
・向田邦子と日本の「甘え」――言葉から考える⑩/施光恒(やわらか日本文化論)
・待つことが目的と化した人生の行方――『ゴドーを待ちながら』を読む/仁平千香子(移動の文学)
・編集長クライテリア日記/藤井聡
・メディア出演瓦版/平坂純一

 

 

【書評】

『西部邁が支持したアメリカ映画論』寺脇 研 著/田中孝太郎
『歴史なき時代に 私たちが失ったもの 取り戻すもの』與那覇 潤 著/前田龍之祐
『日本的思考の原型 民俗学の視角』高取正男 著/篠崎奏平

 

 

【その他】

・読者からの手紙
・〈いのち〉を失くした「大学」に送る/タリバンの原理主義と欧米の独善(鳥兜)
・自民は古い緊縮改革路線からの転換は果たせるのか/「官邸主導」という名の独善政治(保守放談)

 


 

 

日本は今、あらゆる側面において衰弱し続けており、国家として没落の一途を辿っている。
その背後には政界は言うに及ばず、官界、学界、マスメディア、教育界、財界、そして、
言論界における激しい腐敗がある。
 しかし、世間を見回せば、市井にはまだまだ「立派」に生きる「庶民」があらゆる分野、
階級に息づいている。
 絶望的なこの日本にあって、これは一縷の希望である。
 おそらくは日本人は「適切な文脈」にさえ置かれればその優秀さを存分に発揮し、驚くべき
能力を見せる力を未だに携えているのではないか。そしてよくよく考えてみれば、日本文化に
おける重要な位置づけを担う茶道、華道、武士道における「道」という概念は、かつての日本人
がその「適切な文脈」として用意したものだったのではないか。
 本特集では、ほぼ絶望しか見出し得ない現代日本においてあえて絶望から脱却し得る未来を
構想することを企図し、「道」や「研鑽」の概念を手掛かりとしながら、日本人の「強み」とは
何かを深く考える。

                          表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

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