信州でLRTの有効性について考え、地方から声を上げる

前田一樹(信州支部、39歳、公務員)

 

 『クライテリオン』三月号の特集は「日本を救うインフラ論――今、真に必要な思想」であり、インフラの重要性について取り上げられています。その号の「座談会①」の中で、元参議院議員の脇雅史氏の言っていた一言に触発されるところがありました。

 脇氏は緊縮財政によってインフラ投資が進まないまま来ている現状の打開策について聞かれ、

 「この国を良くしようと思う気持ちは皆持っているはずなので、とにかく声を上げて、強い意見としてまとめていくことが大事ですが、他力本願ではなくそれぞれができることをやらないといけません。どこかでうまくいった事例を他の地域も真似するような状況になるのが一番です。今生きているそれぞれの人たちが、『俺のところはこうしたい』という発想を大事にするところから始めるしか道はないな、というのが最近の思いですね。」(『クライテリオン』三月号、三〇頁)

と発言されていました。

 財務省が強いてきた緊縮財政は日本に「失われた三十年」という、巨大な害悪をもたらしていますが、それを批判するのと並行して、各地域において自分達が住む地域をどうしたいのか住民が議論し、アイディアを出していくことが必要です。

 予算が付いただけでは、それを有効に活用する方法が明確になりませんし、地域について自ら考える「地域住民の公共心」がインフラ整備において欠かせないという点からもそう言えます。

 つまり、《トップダウン=財務省批判》と《ボトムアップ=地域づくり論》の両方が求められるのではないか、ということです。

 また、「どこかでうまくいった事例」という点で思い出されたのは、最新号の別の箇所でも取り上げられています、昨年、宇都宮に開業した「LRT(ライト・レール・トランジット)」です。バスと違い渋滞に左右されることなく定時に運行し、乗降もスムーズで、車に依存せずに買い物や飲食ができるという、実現すれば地域の人々の暮らしに新しい足を提供する、今後期待の持てる公共交通機関です。

 実際、反対運動などもあり二十年ほど設置までに時間がかかったとのことですが、利用者は多くおり、「開業から一六五日目で累計利用者二〇〇万人」を達成し、平日は、「一万二〇〇〇人。休日は九〇〇〇人」が利用しているようです。

 上記の二点について思いを巡らせたことで、クライテリオンの議論をベースに長野県という地域で活動する「信州支部」にできることとして、長野県にもLRTを導入してはどうかという趣旨で、「LRTの有効性をアピールするシンポジウム」を開催することを考えました。

 まだ構想段階ですが、信州支部に参加しているメンバーとも相談しつつこれから企画を練っていきます。詳細が決まり次第お伝えしていきますので、実現した際は是非足をお運びいただければ幸いです。