思想・言論誌表現者クライテリオン

西部邁氏が創刊した『発言者』『表現者』の後継誌として、藤井聡・柴山桂太・浜崎洋介・川端祐一郎の編集体制で2018年2月より隔月刊で発行。
右翼とも反左翼とも異なる「真正保守」の立場で、人間と社会に関わるあらゆる問題を論じます。

2023年5月号(通巻108号) 2023年4月15日発売

特集

「岸田文雄」はニッポンジンの象徴である

"依存症"のなれの果て

座談会

岸田文雄とは何者か?

  • 亀井静香元建設相
  • 藤井聡京都大学教授
  • 浜崎洋介文芸評論家
目次

【特集】「岸田文雄」はニッポンジンの象徴である “依存症”のなれの果て

[特集座談会]
・岸田文雄とは何者か?/亀井静香×藤井 聡×浜崎洋介

[特集対談]
・佐高信が語る、岸田政権の腐敗と病理/佐高 信×藤井 聡

[特集論考]
・「日本の歴史」に聞く耳持たぬ岸田首相――その言葉は宏池会、財務省の鋳造品/上島嘉郎
・私たちの「からっぽ」を乗り越えるために――戦後日本人試論/浜崎洋介
・緊縮財政こそ財政破綻への道ではないか/森永康平
・人として持つべき「死生観」を失った感染対策の愚/甲野善紀
・「猿蟹合戦」から考える依存症者によって作られる社会の末路/仁平千香子
・表現の自由とは何か/呉 智英

[特別寄稿]
・SDGs批判序説/長谷川三千子

[新連載]
・経世済民 虫の目・鳥の目(第1回 紙幣から見えるもの)/田内 学
・塾生のページ

[連載]
・「危機感のない日本」の危機 天皇意識の喪失と日本の消滅/大石久和
・「農」を語る 第1回 人と自然を取り持つ「農」/中貝宗治×藤井 聡
・欧米保守思想に関するエッセイ 第11回 トクヴィルの民主主義批判 Part①/伊藤 貫
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第2回 「官高政低」がもたらす財政民主主義の否定/室伏謙一
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第二十六回 大江健三郎の文学と戦後民主主義/富岡幸一郎
・逆張りのメディア論30 AIは新聞を殺すのか/松林 薫
・ナショナリズム再考 第21回 リベラリズムは世代間正義を論じることができるか(三)愛着と忠誠の政治哲学序説㊉/白川俊介
・戦争を知らないオトナたち 第四回 凍てつく日の丸――落日の大地シベリアに生きる②/小幡 敏
・映画で語る保守思想 第4回 『仁義なき戦い』に見る、「父」を失った日本人(前編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
・葬られた国民作家 獅子文六(最終回)ユーモア小説の系譜――戦後派的デカダンスの時代に/平坂純一
・東京ブレンバスター⑤ 柔術と英国フェミニズム/但馬オサム
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第3回 The Shaggs / Philosophy of the World/篠崎奏平
・編集長クライテリア日記 令和五年二月~三月/藤井 聡

〔巻末オピニオン〕
・安倍「器」論・再考――『安倍晋三 回顧録』を読んで/浜崎洋介

[書評]
・『異常の構造』木村 敏 著/前田龍之祐
・『中村菊男 政治の非合理性に挑んだ改革者』清滝仁志 著/田中孝太郎
・『新しい階級闘争 大都市エリートから民主主義を守る』マイケル・リンド 著/橋本 悠

[その他]
・多様性に関する多様な考察/髙江啓祐(寄稿)
・岸田総理のウクライナ電撃訪問をただ賞賛する愚(鳥兜)
・リモート国会は代議制の否定(鳥兜)
・「推奨」してもらいたい日本人――他者依存の成れの果て(保守放談)
・アメリカが「普通の国」になる日(保守放談)
・「コオロギ食」騒ぎと「新しい生活様式」(保守放談)
・読者からの手紙(投稿)

日本は今、四半世紀に及ぶデフレ不況の継続の中、海外要因による物価高にも見舞われ経済疲弊は加速している。
そして、米中露の覇権戦争の激化の煽りを受けて安全保障上の危機もまた急速に拡大している。しかし岸田総理は、
それらに対する抜本的対策を全てお座なりにしながら“人気取り”のための皮相的政策に終始しているやに見える。
ところがそうした態度に対する世論からの総理批判は拡大せず、支持が不支持を上回り始めた。つまり、国民は自ら
が政権を監視し批判する重大な責務を負っている事実を忘れ、日本の政治を「他者」としての政府に「任せきり」に
しているのである。だとするなら、そのリーダーたる岸田文雄氏は、そんな「依存症」とも言いうる現代の日本人、
すなわち『ニッポンジン』の象徴的存在であるとの実態が浮かび上がる。本特集はこうした認識の下、岸田総理の
政治を包括的に批評・批判することを通して現代日本人の本質をえぐり出し、現下の危機を乗り越える現実的方途を
探らんとするものである。
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

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