2025.10.01
こんにちは。
表現者クライテリオン編集長、京都大学の藤井聡です。
総裁選もいよいよ佳境です。
この選挙は、ご案内の通り「党員票」と「議員票」がありますが、昨年は、この党員票で高市早苗氏がトップを取っていたにも関わらず、二次投票では岸田氏の、何の義も無い「高市以外にいれろ」という党利党略的「号令」によって、議員票で全く人気の無かった石破茂に大量の議員票が集まり、総裁となりました。
多くの自民党員はもちろんのこと、全国国民もまた、この石破総裁誕生を促した岸田氏を中心とした「党利党略・私利私欲」丸出しの自民国会議員団の振る舞いを民意に対する「裏切り」と捉えました。結果、岸田内閣下で、それまで40%前後を推移していた自民党の支持率が、30%を割り込むまでに下落しました。
つまりこの「裏切り」後に、自民党は、3~4割もの支持を失ったのです(この数字は、筆者の世論調査とピタリと符合します:https://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/member/fujii/journal)。
実際、当方の調査では、過去6年の内一度でも自民に投票したことのある方々の内、先の参院選挙で国民民主/参政党/日本保守党といった「保守野党」に投票した人々…つまり、「もともと自民支持者だったけど今は保守野党を支持している人々」の内、実に16%もの人々が自民支持を辞めた理由として「高市氏が総裁選で敗れた事」をあげたのです。
(https://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/member/fujii/journal の「分析5」参照)
彼らは、「わたし達は高市を選んだのに、国会議員達にそんな私達の気持ちを踏みにじられた」と感じたわけであり、岸田・森山・木原といった自民党幹部に「裏切られた」とばかりに自民支持を辞めてしまったのです。
そうである以上、未だに自民支持を続けている人でも、もう一度同じ事が繰り返されれば、
「自民党の議員達め…一度ならず、二度までも、私達の思いを踏みにじりやがって…」
と、その怒りはさらに燃え上がることは必至です。
私達は一般に、同じ人間に一度ならず二度までも「裏切られた」場合、完全に愛想が尽きて「三行半」を突きつけるものです。一度だけなら過ちかもしれない、しかし二度あるということは「コイツは完璧な裏切り者だ」ということになるからです。
だから、今度、国会議員連中がまた同じ事を繰り返せば、つまり、高市氏が党員票トップとなったにも関わらず、「議員票の数合わせ」で再び高市氏が総裁になれなかったとすれば、党員・国民の怒りは半端ない水準に達することは確実なのです。
そうなると、3割にまで落ち込んだ自民党支持率は今度は2割を割り込むほどまでに落ち込むでしょう。
折りしも、筆者の行った全国世論調査では、進次郎氏や林氏が推進すること必至の「増税・媚中・国民軽視」路線が続けば、自民党の支持は一気に下落していくことは間違い無い一方、高市氏であれば党勢回復は確実である、ということが厳密な統計学的分析を通して「実証的」に示されているのです。
https://gendai.media/articles/-/158402
いわば今、自民党を離れている旧支持者の方々は、前回の「党員票一位」の高市氏の敗北で『堪忍袋の緒が切れた』方々。一方で、今残っている人達は『堪忍袋の緒』が未だ切れてはいない方々。しかし、昨年同様の「裏切り」が今年も繰り返され、多くの国民が忌み嫌っている「石破路線」が小泉・林総裁の下で継続されれば、彼らの『堪忍袋の緒』もまた確実にぶち切れる事になるのです。その結果、自民党からますます多くの支持者達が去って行くこと必至です。
例えば、筆者等のデータに基づいて、衆議院の議員数がどれくらい減るかを、筆者の世論調査結果に基づいてシミュレートしてみたところ、次のようになりました。
まず、現在、支持率はおおよそ40%⇒30%へと減っているということを踏まえると、支持率低迷前の昨年の衆議院選挙直前の議席247議席がその割合で減り、185議席と推計されます(247×30/40=185)。これは現有の191議席よりもさらに低い水準となります。
一方で、高市総裁の場合、小泉(林)総裁の場合のそれぞれの議席数を、全国世論調査結果に基づいて推計すると、以下の様になりました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
自民・衆議院獲得予想数 公明24現有議席を足した自公議席数
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
現在 196議席 220議席(<過半数233)
高市総裁の場合 226議席 250議席(>過半数233)過半数越え
小泉・林総裁の場合 164議席 188議席(<過半数233)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
高市総裁と小泉・林総裁の差 -62議席
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これをどの様に推計したのかを簡潔に述べると次のようになります。
まず、筆者の調査では高市氏ならば、「離れた支持者の3分の2が戻ってくる」という事が推計されています。ついては、現在自民支持率の40%⇒30%への10%の下落分の3分の2が高市総裁なら回復する…と想定すると、推計議席数は226議席となります(247×36.66666/40=226)。
一方、当方の調査では「政策別の投票率」も推計されているのですが、それに基づいて、高市総裁が採用する政策の場合、進次郎・林総裁が採用する政策場合のそれぞれで投票率を推計すると、おおよそ「10:7」となりました。つまり、林・小泉氏の、緊縮財政・保守回避路線では、高市氏が言う積極財政・保守路線のおおよそ「7割」の得票率しか得られないと推計されるのです(厳密には72.3%)。
この割合を226議席にかけると164議席という数字が得られる事になります(高市得票議席226×0.72=164)。
このことは、自民党が進次郎氏を総裁に選べば、次の衆議院で議席を実に(高市総裁に比べて)62議席も失う事になると推計されるのです!(226議席―164議席=62議席)
すなわち、自民党の衆議院議員に取ってみれば、進次郎氏(あるいは林氏)を総裁に選んでしまうことは、日本の国益や自民党の党勢回復以前に、自分自身の議席が危うくなるのです!
さらに言うと、現有の公明党の24議席を足すと、高市総裁の場合の自公議席数は250となり、過半数233議席を超え「多数与党」となりますが、小泉(林)総裁の場合は188議席にしかならず、やはり少数与党のままという事になります。
つまり、高市政権なら「多数与党・復活」が予期される一方、小泉(林)政権なら「少数与党」が継続され、かつ、現在の与党議席数はさらに32議席(=現有自民196議席-予想小泉(林)自民164議席)も減ると予期されるのです(なお、実際には高市政権下では公明議席数がさらに増えると予期されますので、実際には自公議席はさらに上振れる可能性が高いと考えられます)。
もちろん、以上は今回得られたデータに基づく一定の仮定に基づく推計値ですが、真実は多少の誤差はあっても、おおよそこのようなものとなる蓋然性は極めて高いと考えます(というより、国会議員達の「二回目の裏切り」に対しては相当程度の「国民的怒り」があるであろうことを勘案すると、小泉・林総裁の場合には、もっともっと大きく議席を減らす可能性も十分考えられます)。
無論、国会議員先生には、ご自身の議席云々よりも、誰が日本のために必要なのかに基づいてご判断頂きたいわけですが、今回の場合は、日本のための総裁を選ぶことが国民支持を促し、ご自身の議席の獲得可能性を引き上げるという効果があるのです。
これぞ民主主義。
民の求める政治をすれば、自ずと支持され、議席も安泰となる、という次第です。ついては本総裁選に際して国会議員の先生方には是非、民主主義の「王道」に基づくご判断を下して頂きたいと思います。
何卒よろしくお願い致します。
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コメント
今回の自民党 神奈川県連の大不祥事は、小泉氏とその界隈の象徴のような出来事である。
氏が首相になれば、日本政府が実質、自民党 神奈川県連になる。