西部邁氏が創刊した『発言者』『表現者』の後継誌として、藤井聡・柴山桂太・浜崎洋介・川端祐一郎の編集体制で2018年2月より隔月刊で発行。
右翼とも反左翼とも異なる「真正保守」の立場で、人間と社会に関わるあらゆる問題を論じます。
2025年7月号(通巻121号) 2025年7月16日発売
【特集座談会】
・核の議論を今すぐ始めよ/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎×小幡 敏
【特集インタビュー】
・①核抑止議論から逃げる日本は滅びる/伊藤 貫 聞き手 小幡 敏
・②核武装は日本の国際社会への責任である/ロバート・D・エルドリッヂ 聞き手 小幡 敏
【特集論考】
・「核武装論」の手前でー戦後日本人の「神経症」をめぐって/浜崎洋介
・欧州の核抑止と日本核武装論/小泉 悠
・トランプ政権の安全保障政策と低下する核の傘の信頼性―高まる日本の自立防衛と核保有の必要性/矢野義昭
・「新しい戦前」だからこそ“核を考える国”でなければならない/辻田真佐憲
・フランスの核戦略とそのジレンマ/吉田 徹
・ドイツにおける核武装論―どの国の「核の傘」を選ぶのか/ライスフェルド真実
・韓国の核武装論はどこまで来ているかー問われる日本の対応/李 相哲
・徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評 第15回(最終回) 安全保障観なき霞が関に核武装論は語れない/室伏謙一
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー 第三十八回 思想としての核/富岡幸一郎
【特別対談】
・阪神タイガース元監督・矢野燿大氏に聞く(前編) チームを活かすもの、それは「共感」を生む言葉の力/聞き手 柴山桂太
【特別鼎談】
・アジアの新世紀 彷徨うアジアの知と帝国再編(前編)/内田 樹×中田 考×山本直輝
【生誕100年特別連載 三島由紀夫とは誰だったのか】
・第3回 三島が遺した「神話」と「革命」(前編)/執行草舟×富岡幸一郎
【連載】
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち 第6回 国際比較で見える日本の医療の構造的な闇/森田洋之
・アジアの新世紀 虚像の果ての中国 第1回 なぜ中国のAIはシンギュラリティを目指さないのか?/高口康太
・「危機感のない日本」の危機―没落の根は深い――オールドメディアの終焉・続論/大石久和
・「農」を語る 第1回 第2回 食料安全保障は経済政策である/三橋貴明×藤井 聡
・日本のアンチモダン第5回 反革命② 九州のアンチモダン、西郷隆盛/平坂純一
・風土と共同体 第五回 郷土の思想と運動/山口敬太
・リレー連載 映画とわたし 第2回 フィールド・オブ・ドリームス「それを作れば彼はやってくる」/柴山桂太
・東京ブレンバスター⑱ 選択的夫婦別姓と創氏改名/但馬オサム
【巻末オピニオン】
・野生のデーター文理が接近する時代/川端祐一郎
【寄稿】
・ブータンから見た中国の領土戦略 /酒井 肇
【書評】
・『江藤淳と加藤典洋 戦後史を歩きなおす』與那覇 潤 著/粕谷文昭
・『日本型コミューン主義の擁護と顕彰 権藤成卿の人と思想』内田 樹 著/小野耕資
・『福田恆存の手紙』福田 逸 編著/山田陣之祐
・『新編 人と人との間 精神病理学的日本論』木村 敏 著/髙橋直也
【その他】
・ロシア・ウクライナ戦争に見る「親米保守」の終わり(鳥兜)
・観光ビジネスを規制せよ(鳥兜)
・「ディール上手」なのはどちらなのか―トランプvsプーチン(保守放談)
・愚かな政策への遅すぎる反省(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)
巻頭言
「唯一の被爆国」日本では核武装論が延々とタブー視されてきた。しかし日本の安全保障の根幹をアメリカの「核の傘」が担ってきたのは周知の事実だ。ところがトランプ大統領は今、同盟各国への核の傘の提供取りやめを暗示し始めている。この米国の変化に対し、欧州では即座にフランスの核を基軸とした安保体制の再構築議論が始められ、韓国においても核装備論が喧しく論じられ始めた。しかし日本ではそうした兆しは一向に見られない。このままではある日突然日本はアメリカが提供する核の傘を失い、中国、ロシア、北朝鮮という核を保有する「仮想敵国」に囲まれる状況に「丸裸」で放り出されかねない。そうなれば我が国は外交力をさらに失いあらゆる外交交渉で苦汁を飲まされる事になるのは必至だ。この状況下で我が国日本は一体如何なる選択をなすべきなのか一本誌ではこの問いに答えるべく、このトランプ時代において日本がなすべき核を巡る「選択」を徹底的かつ冷静に考えんとする特集を企画した。
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡