西部邁氏が創刊した『発言者』『表現者』の後継誌として、藤井聡・柴山桂太・浜崎洋介・川端祐一郎の編集体制で2018年2月より隔月刊で発行。
右翼とも反左翼とも異なる「真正保守」の立場で、人間と社会に関わるあらゆる問題を論じます。
特集論考
森本あんり/三浦小太郎/中田考/白川俊介/佐藤慶治/川端祐一郎
小特集:「皇室典範改正」論議の空虚
インタビュー① 片山杜秀
インタビュー② 新田均
特別座談会:追悼 桶谷秀昭 孤高の思想家は何を遺したか
新保祐司×富岡幸一郎×山本直人×小野耕資
新連載
柴山桂太/伊藤貫/小幡敏/大場一央/浜崎洋介/川端祐一郎
流行思想解剖
第1回 國分功一郎の確かな「敗北」について──『天皇への敗北』を読む
「多様性」や「寛容」という言葉がドグマとして蔓延した現在の言論空間において、移民増加等に向けられる生活実感に根ざした感情は「排外主義」というレッテルによって抑圧されている。
しかし、人類は具体的な共同体の中で生きることが運命づけられており、その共同体によって育まれた価値体系の中で世界を見、ものを考え、幸福を感じ、善悪を判断する。ゆえに、その価値体系を根本的に突き崩そうとするものが現れた時、それに抵抗しようとするのは人間の自然なる防衛本能である。
もちろん、既存の価値体系は完全に閉じられたものではない。新奇なもの、異質なものとの出会いを、ただ恐れるだけでなく喜んで迎え入れ、自らを変容させていくこともまた自然の心性である。だからこそ、私たちは何を迎え入れ、何を拒むべきか、いま厳しく問われているのはその境界のクライテリオン(=規準)である。
どこまでも曖昧に移民を受け入れ、境界を溶解させていく政府の態度は、自己の輪郭を失い、自他の区別を截然とできなくなった日本人の精神の反映に他ならない。本誌はこの困難な時代にあらためて「寛容」や「排外主義」といった言葉の再定義を試みる。そして、人々の声なき不安を生活者の権利としてすくい上げ、「健全な自文化中心主義」をどの文化も当然に持つべき態度として提示する議論を展開することとした。
表現者クライテリオン編集部