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改題第10号(通巻第88号) 読者からの手紙

左派政党の再興を期待する

 日本の政治にはかつてあった日本社会党のような大きな左派政党が必要だと思うようになった。日本には今は、日本共産党あるいは社民党そして最近のれいわなど左派と思われる政策を掲げる政党は存在するがいかんせん力が弱い。共産党はともかく社民党は国政選挙のたびにその消滅が心配されている。れいわも今は勢いがあるがいつまで続くのか疑問だ。野党第一党である立憲民主党は本来は支持団体が「連合」だからどちらかと言えば左派政党であるべきだが、党首が「私こそ保守」と言ってしまっているから話にならない。そういえば日本共産党も少し前に保守の一部から「共産党こそ保守本流」とか言われて喜んでいた。「保守」であることがそんなに嬉しいのかとも思った。

 私が望むかつての日本社会党のような左派政党というのは、自ら政権に就くことを望まず、ただひたすら自民党政権に反対し抵抗しそして最後は妥協して主張を取り入れさせるしたたかさを持つ政党だ。その主張は極端に左派的でいい。法人税を倍増しろとか、金持ちからもっと税金を取れとか、消費税を廃止しろとか、防衛費を半減しろ、日米安保破棄などとか、今の安倍政権の政策をすべて頭から否定する政策でいい。今の野党の主張は共産党も含めて自民党に寄り過ぎている。それは政権交代を望んでいるからだろう。しかし政権交代を望んで自民党と喧嘩をしても有権者から見れば何の魅力もない。関心すらない。有権者が求めているのは政権交代実現可能な自民党と少しだけ違う政党ではなく、何でも反対のいかにも野党らしい野党の存在だ。

 民主党政権の失敗があったとすれば、当初は左派的なイメージが強く有権者に大きく変わるという期待を強く持たせて、政権与党ではあるが姿勢はあくまでも「野党」であったのにいつの間にか自民党と大して変わらない政策や政治姿勢になりならば別に自民党でもいいという失望感を有権者に抱かせたことだ。その失望感は今も続いている。政権が代わっても政治は変わらいと。

 55年体制はそういう意味では日本の政治にとっては理想的な政治体制ではなかったかと思う。イデオロギー的な対決もあった。あまりにも非現実的な政策を掲げていたので現実的には政権交代はないがそれでもいつかは政権交代があって政権交代が実現すれば世の中は大きく変わるという期待感があった。今はその期待感が全くない。ひとつの理由として極端な政策を安倍政権が次々と打ち出して成し遂げているということもあるだろう。安倍政権の政策に比べたら確かに野党の主張は陳腐で「保守的」だ。革新という呼称を安倍政権に奪われた感もある。

 EU加盟国で言えばイギリスにもフランスにもドイツにもそれぞれかつてほどではないが強い左派政党がある。政権交代もたびたびある。一方で極端な左派的な主張をする政党も存在して一定の支持を得ている。アメリカも民主党内の左派はかなりの極論を主張して人気を得ている。右派のナショナリズムが世界の政治を跋扈していると言われているが、私には左派的なポピュリズムが世界の潮流ではないかと思う。日本もれいわが「左派ポピュリズム」として揶揄されたが、もしこの左派ポピュリズムが日本で大きな力を持った時、日本の政治は大きく変わるのではないかと思う。あるいはそこにしか日本の政治が変わるきっかけはないのかもしれない。まず野党であることそして極端な左派的な主張を打ち立てる大きな塊ができることを期待したい、そうすれば今の自民党は「保守」として自覚を持つのではないかとも思う。

投稿者 : 

  • 二宮力(会社員、愛知県、58歳)

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