日本の自主独立に向けてやるべき事

宮田宗知(37歳、会社員、京都府)

 

 私が思うに、日本は戦後75年アメリカの植民地であり続けていると思う。何故なら、自国の防衛政策はアメリカの「核の傘」を背景とした米軍に依存している。さらに自衛隊が使用するF35戦闘機やミサイル防衛システムなどといった主力武器はアメリカから購入している。つまりアメリカが守ってくれないと、日本は国民の生命と財産を自力で守れない丸腰になるという極めて異常な国家である。
 そして、このような軍事依存システムを利用してアメリカは日本の外交政策や経済政策をアメリカの都合のいいように変えているのではないであろうか。1990年代辺りに日本に突きつけていた年次改革要望書等がそれに当たると思う。以上の事と、中国の尖閣諸島問題を含めた脅威も深刻になっている中で私は、日本がとるべき道は自主核防衛による自主独立しかないと思う。その理由を挙げていきたい。
 1つ目は核兵器の特徴である。核は1発で何十万、何百万の人々を殺害し、1つの都市を壊滅させる破壊力を持っている。このような特徴から、核武装国がひとたび核戦争を始めると、お互いに国家が滅亡してしまう恐れがある。従って核武装国同士では小規模な戦闘は行われても、本格的な戦争や軍事侵攻等は行わずに、ある一定の所で折り合いをつける。このような核の抑止力効果がある。
 2つ目はアメリカ経済の衰退である。アメリカは慢性的に財政赤字を抱えており、また2016年以降からベビーブーム世代の米国民(約7800万人)の引退により、財政は益々悪化していく。そして第2次世界大戦直後にはアメリカのGDPは世界シェアの5割近くを占めていたのが年々減少し、2020年代後半にはアメリカのGDPにおける世界シェアは15%以下になるであろうと予測されている。
 一方の中国は、購買力平価で換算したGDPにおいて2014年の段階でアメリカを抜いて世界1位となっており、2030年にはアメリカの2倍の経済力になっていると予測されている。
 このような状況下になれば核武装国同士の米中は折り合いを付けて、結果アメリカは日米同盟をあっさり破棄して米軍撤退をする可能性が非常に高い。そして残された日本は、中国の支配下に組み込まれるであろう。
 3つ目は国際社会は弱肉強食の原理で動く不条理なものであるということである。国際社会には過去に一度も世界警察や世界裁判所のような期間が存在していない。確かに、国連や国際裁判所はあるが、機能はしていない。アメリカの国連決議を無視したイラク侵略戦争、中国のウイグルやチベットの併合、ロシアのチェチェン弾圧、イスラエルのパレスチナ軍事侵攻等は明らかに国際法違反の犯罪行為であるが、国際裁判所でこれらの国々が裁かれたり処罰を受けたという事実はない。つまり、核武装国はその気になれば国際法や国際条約を無視しようとすればいつでも出来るのである。国際社会はこのような構造的欠陥を抱えているのが現実なのである。
 以上の事から、日本は核武装による自主独立しか道はないという結論になる。それと同時に、日本の核武装を妨害しているのはアメリカであるという結論も導き出される。
 本来なら政治家や官僚がアメリカと対峙して核武装の交渉をすべきだが、彼らはアメリカが恐くてそれが出来ないのである。かといって彼らが動き出さないと日本が核武装出来ない。だとすれば、まず言論人の方々が率先して核武装の議論を始めて、政治家や官僚達が核武装の交渉をしやすいように支えるべきである。そして、そのような勇敢な言論人の方々を我々一般人がその勇気を称え、応援し、言論人の方々を諸々の圧力から守るべきなのだ。このような一連の仕組みでしか日本を救う道はない。私は個人的に言論人の方々が核武装の議論を始めてやすいように、一般人としてやれることを現在行っている。願わくば、言論人の方々に核武装の議論を集中的に行っていただきたい。私だけではなくきっと多くの人々が議論する勇敢な姿に尊敬し支えていこうと動き出すはずである。