【藤原昌樹】「疑惑のデパート」と化した「ワシントン駐在」 -機能不全に陥ってしまった沖縄県庁-

藤原昌樹

藤原昌樹

 現在、沖縄県が米国に設置した「沖縄県ワシントン事務所(Okinawa Prefectural Government Washington D.C. Office)」(正式な事業名称は「ワシントン駐在」)を巡って数々の疑惑が浮上しており、その先行きに暗雲が垂れ込め始めています(注1)。

 今回発覚した「ワシントン駐在」を巡る諸問題や前回の記事(注2)で取り上げた「沖縄本島北部豪雨」における沖縄県の稚拙でお粗末な災害対応は、沖縄県庁が深刻な機能不全に陥ってしまっている証左であり、沖縄県庁が県民のための行政組織としての機能を十全に回復するためには、現在懸案となっている「ワシントン駐在」を巡る諸問題の全容解明を避けて通ることはできません。そのためにマスメディアによる権力監視が重要な役割を果たすことが期待されるのですが、『琉球新報』や『沖縄タイムス』をはじめとする沖縄のマスメディアが「報道しない自由」を行使しているのではないかとの疑念が生じてしまっています。

 現時点では「ワシントン駐在」に関する「疑惑」の解明は端緒についたばかりで未だ不明な点が多く、全容解明にはほど遠いと言わざるを得ないのですが、「ワシントン駐在」を巡る諸問題について概観しておきたいと思います。

 

そもそも「ワシントン駐在」とは

 

 「ワシントン駐在」は、翁長雄志知事時代の2015年4月に「米軍普天間飛行場の移設問題」を米国側に直接訴えることを目的に開設されました。要するに沖縄県の対米ロビー活動の拠点となる組織です。現在、2人の県職員が駐在しており、沖縄県は、毎年度の予算に事務所家賃や弁護士・会計士費用なども含むコンサルティング業者への委託料として約7,000万円を計上し、駐在職員の給与など人件費の約3,000万円と合わせて、年間経費は約1億円に上っています。

 沖縄県のHPでは、「ワシントン駐在」の役割として「知事訪米の対応」「基地問題に関する情報収集」「沖縄の状況などの情報発信」「沖縄に関する情報の充実化及び研究環境の整備」を掲げて、その実績について「知事訪米において、国務省、国防総省、連邦議会議員、シンクタンク、市民団体など面談先との調整、シンポジウム、交流レセプション及びナショナルプレスクラブにおける県議を含む同行されたメンバーとの合同記者会見の設定などを担ってきた」として、令和6年3月末までに「(米国政府や連邦議会の関係者など)延べ5,778名の方々と面会するなどして、(辺野古新基地に反対する県民世論及びそれを踏まえた建設阻止に向けた)知事の考えと沖縄の正確な状況を説明し、理解と協力を求めているほか、基地問題以外の交流・広報活動にも幅を広げている」と記しています(注3)。

 この「ワシントン駐在」は設立当初から「政治色が強い組織」であると言われており、県議会野党会派である「沖縄自民党・無所属の会」などが「(歴代知事が)20回以上も訪米してきたが、その成果は見えない。現実問題として辺野古の工事は進んでいる」「行政は費用対効果が常に求められる」などと指摘し、毎年の予算審議において「ワシントン駐在」の経費廃止を訴えていました。その一方で、玉城デニー知事は、今年(2024年)9月に訪米した際にも同行する記者団に対して「ワシントン駐在が確実にネットワークを広げている」「(ワシントン駐在の)必要性、重要性を丁寧に説明し、理解を得ていく」と語っていたように、機会ある毎に「ワシントン駐在」の意義を強調し、増強したいとの意欲を示しています(注4)。

 

「オール沖縄」の大敗で明らかになった実態

 

 先般、沖縄県が「ワシントン駐在」を運営するために営業実態のない株式会社を設立して事業者登録を行ない、駐在職員の就労ビザ(査証)を取得するために事実と異なる書類を米政府に提出していたこと(虚偽)や、地方自治法に反して県議会への報告を怠り、公文書への記載など適正な管理が為されていなかったこと(瑕疵)などが次々と明らかとなり、日本復帰後初めて県議会で決算が不認定となるなど大きな波紋が広がっています(注5)。

 これまでにも県議会で「ワシントン駐在」の費用対効果や駐在職員のビザ等について疑問が呈されてきたのですが、玉城知事を支持する「オール沖縄」勢力が過半数を占める県議会においては、県当局が「問題ない」と答弁することに対して野党会派がそれ以上厳しく追及することができず、その実態が明らかにされることはありませんでした。
 今年6月の県議選で「オール沖縄」勢力が大敗し、「沖縄自民党・無所属の会」を中心とする保守系勢力が16年振りに過半数を奪還したことによって、ようやく「ワシントン駐在」の実態が白日の下に晒されることとなったのです。

 当初、沖縄県は米政府や議会に働きかける「ロビー活動」を目的とする非課税事業者として「ワシントン事務所」の名称で事業者登録することを目指していましたが、米国務省から「ロビー活動などの事業内容が沖縄県のための政治活動にあたる」「非営利目的の事業者設立は不適当である」との見解が示されたため、米国のコンサルティング業者を介して米国の弁護士の助言を受けて、2015年5月に沖縄県が100%出資する「株式会社沖縄県ワシントン事務所 Okinawa Prefecture DC Office, Inc.」を設立するに至ります。同社が外国のロビー活動をする代理人登録に関する「外国代理人登録法(FARA)」に基づいて登録することによってロビー活動をすることができるようになりました。

 都道府県など自治体が外国に事務所を設置すること自体は決して珍しいことではありませんが、通常は経済や観光、文化などの交流を目的とするものであり、外国政府や議会に政治的働きかけを行う「ロビー活動」を目的とすることは極めて異例なことです。

 「ワシントン駐在」にまつわる数々の問題点が明らかになって以降、識者からは「自治体の組織は外見上も非営利でなければならず、問題のある手法である」と指摘されています。

 「ワシントン駐在」の開設に際して、同社の業務内容について、本来の目的である「基地問題に関するロビー活動」には触れることなく「国際関係、国際通商を扱う日本の行政機関」であると申請して審査を通過しており、申請書に記載した業務内容が実態と異なることについて「虚偽ではないのか」と指摘された場合に否定することができないように思えます。

 

ビザの取得に係る虚偽──駐在職員が社長?

 

 また、駐在職員が現地で活動するためには、当然のこととしてビザが必要となりますが、沖縄県は(ビザ取得を可能とするために)便宜的に株式会社を設立し、日本企業が米国の関連会社に社員を派遣する場合に使う「L−1」ビザ(注6)を取得したとされています。

 ビザを取得する際に米国の移民・関税執行局に提出した資料では、駐在職員の肩書を同社の「社長」「副社長」とし、「沖縄県から直接雇用されることはない」「株式会社が雇用を管理している」などと記載してビザが取得できる企業関係者の体裁を整えており、県と駐在職員との雇用関係を否定していることが明らかとなりました。

 しかしながら、実際には、当該職員は一時的な退職や出向の手続き等を取っておらず、県職員の身分を有した公務員として業務に当たっているのであり、形式上は公務員と会社員の「兼職状態」として県と駐在職員との雇用関係は維持されています。当該職員の報酬についても、同社の役員報酬として与えられているのではなく、沖縄県から職員の給与として全額支給されていることが確認されています。

 沖縄県は、当初、駐在職員について「営利目的ではないので、兼職とは認識していない」との見解を示していましたが、12月3日の県議会本会議で「県職員としての身分と、米国法制度との整合性を確保するために設立した会社の役員の二つを併せ持つ」として「兼職状態」にあることを認めました。

 地方公務員法では公務員の兼業は原則禁止とされていて、公務員は任命権者の許可を受けなければ会社等の役員に就任できないと定められています。本来であれば、駐在職員について「営利企業への従事許可」が知事公室から人事課に提出されていなければならなかったのですが、その手続きが為されておらず、同法に違反している状態であることを認めたのです。今後、県は「同法に基づいて手続きを行うことで是正する」としています。

 沖縄県は、県議会への説明において、「ワシントン駐在」職員について「米国弁護士の指導の下、国務省や在沖米総領事館とも相談した上でビザを取得している」「米国法に基づいてビザの申請を行ない、適法にロビー活動をしている」「ビザの申請内容と現地での活動にも齟齬はなく違法性はない」と強調しています。

 しかしながら、沖縄県が米国の移民・関税執行局に提出した申請内容と、実際の雇用形態や活動内容に齟齬があることは明白であり、ビザ取得要件と整合させるために事実に反する内容を記したということであれば、沖縄県が米国に対して「虚偽申請」をしてビザを取得していたということになります。

 米国の就労ビザに詳しい弁護士は「米国においても県職員であることに変わりはない。自治体がこうした虚偽申請のような手法を取るのは極めてゆゆしき事態だ」「重要な事実を意図的に偽って申請した場合、移民法違反で入国不適格と判断され、領事官の裁量でビザが取り消される可能性がある」と指摘しています。

 沖縄県は、「ワシントン駐在」職員について「事実関係を精査して懲戒処分などの対象となるかどうかを判断する」との方針を明らかにしています。また、現時点では予断を許しませんが、当該駐在職員が「米国の移民法に違反している」と看做されて、彼らが米国の法で裁かれ、ビザの取り消しや入国禁止などといった何らかの処分を受けることになる可能性も否定できません。

 しかしながら、彼らは個人として自ら望んで「兼職」したという訳ではなく、あくまでも県職員として業務命令に従って「ワシントン駐在」に赴任したのであり、今回の問題が明るみに出たことによって初めて、自らが「兼職状態」に置かれていたことを認識したものと思われます。

 この度の「ワシントン駐在」の問題について責めを負うべきは、沖縄県もしくはその最高責任者である県知事であり、図らずも当事者となってしまった駐在職員らが不当な処分を受けることがないように願わずにはいられません。

 

「オール沖縄の闇」-なぜこれほど滅茶苦茶な状態が放置されたのか

 

 「ワシントン駐在」の歪な実態については、その設立から約9年もの間、県議会に報告されることがなく、県民の目に触れる公文書にも記載されておらず、県議会や県民によるチェックが働かない状態に置かれていました。

 本来であれば、知事は地方自治法第243条の3第2項(注7)に基づき、県が資本金等の2分の1以上を出資する株式会社の毎年の経営状況を議会に報告する義務があるのですが、現地のコンサルティング業者に年間約7,000万円で業務を委託して対応を丸投げしており、その委託費用の中から同社の資金が賄われていた─この資金の流れ自体も「不透明である」と指摘されています─ため、同社の経営状況を議会に報告することなく地方自治法に違反している状態が続いていたのです。

 また、県は同社の設立について「事務所の立ち上げ、運営支援に関する業務をまとめてコンサルティング業者に委託しており、その中で進められた」として「県は会社設立に関与していなかった」と説明しており、併せて「ワシントンに日本の株式会社に相当する形態の法人を設立すること」を決定した県庁内の意思決定や、その経緯に関する文書などの記録が残されておらず、後任者への引き継ぎも行われていなかったことも明らかにしています(注8)。

 現時点で「同社の設立に関する手続きがどのような形で行われたのか」「起案・承認は誰が行ったのか」などについても確認できない状態に陥っているのです。

 さらには同社の設立に伴って沖縄県が取得した株式が公有財産管理台帳に登録されておらず、同社の決算書類も作成されていないなど公有財産として適正な管理手続きが取られていなかったことも明らかとなっており、県は改めて追認するための起案を行うなどして「手続き上の整理をし、速やかに是正を図る」としています。

 以上のように、この数ヶ月の短い期間で「ワシントン駐在」にまつわる虚偽と瑕疵が次々と明らかとなっており、まさに「疑惑のデパート」と言っても過言ではない様相を呈しています。その「疑惑」の全容解明は未だ道半ばであり、現時点では、今後さらに新たな「疑惑」が浮かび上がってくる可能性も否定することはできません。

 自民党会派の県議会議員が「ワシントン駐在」について「これは玉城県政の闇といっても過言ではない。徹底的にこの闇を調べていきたい」と強調していましたが、事の発端は翁長雄志知事時代の「ワシントン駐在」開設時に遡るのであり、「オール沖縄の闇」とするのがより適切であるように思えます。

 

復帰後初の決算不認定と監査請求

 

 沖縄県議会野党会派の「沖縄自民党・無所属の会」と中立会派の「公明党」「維新の会」の3会派は、「ワシントン駐在に関する問題究明プロジェクトチーム」を設置することと県議会に同問題の監査を請求する動議を共同で提出し、監査の結果次第では、百条委員会の設置も視野にさらに厳しく追及する考えを示しました(注9)。

 11月26日に開会した県議会11月定例会において、「ワシントン駐在」に関する費用などを含む2023年度の一般会計決算について採決が行われ、県政与党(「オール沖縄」)の4会派が賛成に回りましたが、野党・中立系の3会派の議員が反対したため、賛成少数で不認定(賛成19、反対27、欠席1)となりました(注10)。また、地方自治法第98条2項(注11)に基づく監査を求める動議が提出され、野党・中立系3会派による賛成多数で可決され、「ワシントン駐在」に関する6項目について監査が行われることとなりました(注12)。

 本会議で決算が不認定となること、地方自治法に基づく監査請求のいずれもが、1972年の日本復帰以降、県議会では初めてのことです。

 県議会本会議で2023年度一般会計決算が不認定となったことを受けて、玉城知事は記者団から「ワシントン駐在」の設置や運営の手続きの不備について問われたのに対して「手続きを踏まえた書類をきちんと管理していなかったというところと、担当が変わる際にそのような説明がきちんとされていなかったというところに、行政管理上の問題点があると考える。今後はこのような疑義が生ずることがないよう、一連の管理についてしっかり庁内で整備していく」と述べた上で「ワシントン駐在が沖縄の基地問題の解決を図るために重要な役割を果たしてきたということに鑑み、一層丁寧な説明を心がけ、今後も活動が続けられるよう理解を得ていきたい」として、その必要性を改めて強調しています。

 

沖縄県は行政組織としての機能回復を目指すべし

 

 「ワシントン駐在」を巡る諸問題は、沖縄県庁が行政組織として機能不全に陥ってしまっている証左であると断ぜざるを得ず、その淵源は翁長県政時代の設立時に遡ります。今年6月の県議選で「オール沖縄」勢力が大敗して保守勢力が過半数を奪還するまで「ワシントン駐在」の問題を追及することさえできなかったということは、県議会も県庁と同様に長年にわたって機能不全に陥ってしまっていたと言わざるを得ないのであり、県議会については「ようやく機能回復の兆しが見えるようになった」と言うことができるのだと思います。

 県議会11月定例会での「ワシントン駐在」に関する質疑(注13)において、「沖縄自民党・無所属の会」など野党会派からの追及に対して、玉城知事自身が答弁することから逃げ続け、知事公室長など担当者が質問をはぐらかし、しどろもどろになって答弁に窮する様子からは、彼らが意図的に「疑惑」を隠蔽しようとしているというよりも、問題の全容を把握することすらできていないのではないかとの疑念を拭うことができません。

 私には、玉城知事や県の幹部らが「何らかの政治的な意図をもって疑惑を隠蔽しようとしている」、もしくは「問題の全容を把握することすらできていない」のいずれであるのかについて確信をもって判断することができないのですが、沖縄県庁が「疑惑」を隠蔽する―体裁を取り繕う―ことすらできないほどに機能不全に陥ってしまっているという後者の方が、沖縄県民にとっては、より深刻な事態であるように思えます。

 「ワシントン駐在」を巡る「疑惑」の全容解明は未だ道半ばであり、現時点で総括することはできませんが、たとえ玉城知事や「オール沖縄」勢力の人々が「ワシントン駐在」の存続を強く望み、その意義と重要性を強調したとしても、現段階で既に明らかとなっている事実から、もはや「ワシントン駐在」を存続することはできない(存続すべきではない)と看做さざるを得ず、速やかに関連する予算執行を停止すべきであると思慮します。

 玉城知事や沖縄県庁のスタッフには、「ワシントン駐在」の存続に拘泥するのではなく、行政組織としての沖縄県庁全体の機能回復に努めて、沖縄県民がより良い生活を送ることができるように尽力することを期待せずにはいられません。

 

「報道しない自由」を行使してはならない

 

 「ワシントン駐在」に関する「疑惑」が陸続と暴かれ続けていることから、「オール沖縄」や玉城県政を支持する立場の『琉球新報』や『沖縄タイムス』も「県議会本会議で2023年度一般会計決算が不認定となったことは、玉城県政の政治的・道義的責任が問われることとなる」「法人設立の際に地方自治法で定められた手続きを怠った県の責任は大きい」「県議会への報告を怠っていたことは、県民から負託を受けた県議会を軽視していると言わざるを得ない」「特に問題なのは、株式会社の形態の法人を設立することを明確に決定した文書が残されていないことだ。政策決定の過程が不明では、県民に対する説明責任を果たすことはできず、検証できなければ責任の所在も分からず、再発防止にもつながらない」「玉城知事は追及に正面から向き合う必要がある」(『琉球新報』)「県はしっかりとした事実確認と検証を自ら進め、県民に丁寧に説明するべきだ」「県政運営方針の再構築が求められている」(『沖縄タイムス』)として県の対応を厳しく批判する姿勢を示しています(注14)。

 しかしながら、その一方で、県議会本会議で2023年度一般会計決算が不認定となったことについて「政局的な攻防ではある」「今年6月の県議選で過半数を奪取した野党・中立が、今回の不認定で玉城県政に最初のけん制球を投げた格好だ」(『琉球新報』)とする指摘は、沖縄県庁が機能不全に陥ってしまっている問題を矮小化してしまうことに繋がりかねず、いささかミスリーディングであるように思えてなりません(注15)。

 以前の記事(注16)で取り上げたことがある「安和事故」を巡って、『産経新聞』大竹直樹那覇支局長が、『琉球新報』や『沖縄タイムス』をはじめとする沖縄のマスメディアが「報道しない自由」を行使しているのではないかと批判的に論じており、私自身は「沖縄のマスメディアが『報道しない自由』を行使している」との認識を共有しています(注17)。

 あくまでも私の個人的な見解であり、厳密に検証をしたという訳でもないのですが、「ワシントン駐在」の疑惑を巡る報道において、『琉球新報』『沖縄タイムス』の記事の数そのものが少ないとは言えないものの、『産経新聞』や『読売新聞』など全国紙と比較した記事の文章量及び掘り下げ方、紙面における記事の配置などから、『琉球新報』『沖縄タイムス』両紙が「報道しない自由」を行使しようとしている、もしくは、少なくともその誘惑に駆られているとの疑念を払拭することができません。

 紙幅が尽きかけているので、沖縄のマスメディアにおける「報道しない自由」の問題については、また別の機会に改めて論じることに致しますが、沖縄県庁が機能回復を成し遂げるためには、『琉球新報』『沖縄タイムス』両紙をはじめとするマスメディアによる検証と批判-権力監視-が必要不可欠であるように思います。

 『琉球新報』『沖縄タイムス』両紙が「報道しない自由」ではなく「報道する自由」を十全に発揮し、その権力監視の下で、沖縄県庁が一日でも早く現在の機能不全の状態から脱却して、沖縄県民全てのために奉仕するという、行政機関として本来のあるべき姿を取り戻すことを祈念しつつ、筆を置きたいと思います。

(注1) 沖縄県ワシントン事務所問題 – Wikipedia

(注2) 沖縄県の稚拙な災害対応から何を学ぶことができるのか ─我が国が構築すべき「防災・被災者支援システム」について― | 表現者クライテリオン

(注3) ワシントン駐在について|沖縄県公式ホームページ

(注4) 米ワシントンの沖縄県事務所、掴んだ手応えと存続への荒波<民意広げて・知事訪米23回目の挑戦>3 – 琉球新報デジタル

(注5) 沖縄県がワシントン事務所を「会社登録」 営業実態なし、ビザ取得が目的 自民県議ら「不適切」 – 琉球新報デジタル

(注6) L-1ビザ (駐在員ビザ)

(注7) 地方自治法 第二編 第九章 財務 – Wikisource

(注8) 県出資の100%子会社「ワシントン事務所」 必要書類が残されず 後任への引継ぎなし 県議会で答弁 | 沖縄のニュース|RBC 琉球放送 (1ページ)

(注9) 「玉城県政の闇」指摘 沖縄のワシントン事務所「虚偽申請」問題で3会派が究明チーム設立 – 産経ニュース

(注10) 県のワシントン駐在費巡り、沖縄県議会が23年度決算を不認定 日本復帰後初めて – 琉球新報デジタル

(注11) 地方自治法 第二編 第六章 議会 – Wikisource

(注12) 監査を請求するのは、①県がワシントン駐在の活動をするに当たって設立した株式会社設立の適法性、②設立や県による株式取得についての庁内意思決定の実態解明、③株式会社役員となっている駐在職員の身分の取り扱いと適法性、④駐在に関する資金の流れの実態解明、⑤株式会社の経営状況報告を怠っていたことの適法性、⑥出資金に関する支出方法の適法性-の6項目としています。

 

(注13) (25) 令和6年第4回沖縄県議会11月定例会 – YouTube

(注14) <社説>ワシントン駐在問題 県民へ説明責任を果たせ – 琉球新報デジタル

(注15) 【記者解説】決算不認定、問われる知事の政治責任 ワシントン駐在巡り野党・中立から政局的「けん制球」 沖縄 – 琉球新報デジタル

(注16) 【藤原昌樹】醜悪な姿を晒し続ける平和主義者たち ―安和桟橋におけるダンプカー死傷事故を巡って―(前半) | 表現者クライテリオン

(注17) 大竹直樹「『島耕作』は大騒ぎで警備員死亡は…沖縄・反基地のダブルスタンダード」『正論』令和7年1月号

 


<編集部よりお知らせ>

最新刊、『表現者クライテリオン2025年1月号 [特集]権力を動かす「権力」の構造―ディープステート(DS)論を超えて』、予約受付中!

よりお得な年間購読(クライテリオン・サポーターズ)のお申し込みはこちらから!サポーターズに入ると毎号発売日までにお届けし、お得な特典も付いてきます!。

 

サポーターズPremiumにお入りいただくと毎週、「今週の雑談」をお届け。
居酒屋で隣の席に居合わせたかのように、ゆったりとした雰囲気ながら、本質的で高度な会話をお聞きいただけます。

執筆者 : 

CATEGORY : 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

メールマガジンに登録する(無料)