巻頭言と目次を公開!!最新号『表現者クライテリオン11月号 反欧米論ー「アジアの新世紀」に向けて』

啓文社(編集用)

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巻頭言

 産業革命から20世紀までの少なくとも二世紀以上の間、世界は確かに「欧米の時代」であった。欧米は帝国主義で世界を席巻し、戦後においてもグローバル経済を支配していたのが欧米であった。しかし、21世紀の初頭から徐々にその絶大な支配力も陰りを見せるようになる。とりわけ新興勢力である中国・インドの経済を中心とした勢力拡大は目を見張るものがある。
 日本はこれまで明治の「脱亜入欧」以来、欧米偏重の政治社会運営を続け、とりわけ戦後では「米国一辺倒」の態度を加速させてきたが、今日ではそうした方針の不合理性はさらに拡大しつつある。
 こうした状況を踏まえれば、欧米に対して、改めて疑義の念を抱く態度をあえて形成していく試みは、我が国の再生、復活を考えるために重大な意義がある。ついては本誌では日本が「アジアの国」であるという当たり前の認識を改めて自覚し直し、欧米偏重、米国一辺倒の態度を改めると同時に、西洋との共存共栄を前提とした「アジアの新世紀」の到来を構想せんとする特集をここに企画することとした。

                                             表現者クライテリオン編集長 藤井 聡

 

 

【「指導者」の条件 特別インタビュー】

・高市早苗 リーダーの矜持とは何かー松下幸之助から学んだこと

・北野 武 古いシステムにこだわる「師匠」こそが問題だ!

【特集座談会】

・東洋的文明の「価値」を問い直す/片山杜秀×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

【特集インタビュー】

・「ワシントン」の腐敗といかに戦うか?――グローバリズムからパーソナリズムへ/ジェイソン・モーガン(聞き手 川端祐一郎)

【特集論考】

・「西洋の没落」、再び――経験の貧困をめぐって/浜崎洋介
・日本は欧米でもアジアでもない「中間」を模索せよ/辻田真佐憲
・現代日本人は「西洋近代」に代わる枠組を提示できるのか?――石原莞爾・保田與重郎・林房雄を手掛かりに/金子宗德
・アジアは世界なり――多極化の時代のはじまり/大場一央
・(新連載)日本のアンチモダン 第1回 オリエンタル・オリエンテーション、あるいは、すべての愛煙家たち/平坂純一
・(連載)徹底検証! 霞が関の舞台裏 脱藩官僚による官僚批評              第11回 なぜ日本では移民受入政策が進められ続けてきたのか?/室伏謙一
・(文学座談会)神なきあとの「不条理」を生きる――フランツ・カフカ『城』を読む(前編)/藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎

【連載】

・「農」を語る    対米従属で日本の「農」は滅びる(第1回)/内田 樹×藤井 聡
・「危機感のない日本」の危機――朝日新聞の問題報道/大石久和
・「過剰医療」の構造と「適正な医療」のかたち     第2回 きずな貯金とSocial Capital/森田洋之
・虚構と言語 戦後日本文学のアルケオロジー       第三十四回 マルクスの亡霊たち             日本人の「一神教」理解の問題点⑥/富岡幸一郎
・連続対談 在野の「知」を歩く 第4回 「能力」は個人のもの?(後編)/與那覇潤(ゲスト 勅使川原真衣)
・風土と共同体  第三回 土地と文化に基づいた共同性の再構築へ/山口敬太
・欲望の戦後音楽ディスクガイド 第12回 Throbbing Gristle / The Second Annual Report/篠崎奏平
・東京ブレンバスター⑭  在日というブンガク/但馬オサム
・編集長クライテリア日記 令和六年八月~九月/藤井 聡

【巻末オピニオン】

・国民の秩序感覚/川端祐一郎

【書評】                                        

・『宗教地政学で読み解くタリバン復権と世界再編』中田 考 著/田中孝太郎
・『戦う江戸思想 「日本」は江戸時代につくられた』大場一央 著/粕谷文昭
・『生きのびるための事務』坂口恭平 著/前田龍之祐
・『青嵐会秘録』菅谷幸浩 著/小野耕資

【その他】

・魔王の遺告(ゆいごう)/前田健太郎(寄稿)
・福田和也とその時代 追悼・福田和也(鳥兜)
・もう一つの「パワーシフト」(鳥兜)
・言いっぱなしの新首相(保守放談)
・師弟の否定と、西洋の没落――そのニヒリズムの根源(保守放談)
・塾生のページ
・読者からの手紙(投稿)

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