全ての価値を「疑い」ののかに放りこんでしまう「近代」という時代を前にして、いかにして、日本人の倫理=信仰は可能になるのか。本書は、この古くて新しい問いを改めて迎えるための人物論を中心にして編まれている。
(浜崎洋介『日本人の「作法」―その高貴さと卑小さについて』)
表現者塾信州支部より、文芸評論家の浜崎洋介先生をお招きした、「信州支部学習会2025」のお知らせをお送りいたします。
今年も浜崎洋介先生に、信州(長野県)にお越しいただけることとなりました。今回は「日本人の「生き方」――その信仰心のあり方について」をテーマに講義をお願いしました。
現在、国内外の情勢について、ネットや本などで様々な情報を収集することはできます。しかし、その情報を意味づけ、適切に配置する価値判断の体系がなければ大量の情報は意味をなしません。
今回の学習会はそのような根本的な「価値判断の体系=倫理=生き方」ついて考える機会とするために、このテーマとしました。
そしてまた、サブテーマの「信仰心」は、特定の宗教への信仰のことではなく、日本人が負っている、歴史、風土、共同体、言葉、文化といった、複雑な文脈に応じた「生き方の倫理」の自覚と、それを下支えする根拠といったほどの意味を込めています。
おりしも、浜崎洋介先生が出版された新刊で扱っているテーマが、「この日本人の生き様であり」、冒頭に引用した一文で語られている、「日本人の倫理=信仰」であったため、この新刊をベースにして、「日本人の信仰心」について講義をしていただくこととなりました。
第1部では、総論的に一般的な人間における「倫理=信仰」の構造と「日本人の条件=性格」を確認し、それにあった信仰の在り方を、西田幾多郎、九鬼修三、唐木順三、小林秀雄の思想から学ぶといった内容を予定しています。
2部では、その具体例を『日本人の「作法」』の中から、数編のテキストを選びだし、それを読みつつ解説を加えていただき、「日本人の信仰心」の固め方を、テキストと我が身を照らし合わせながら自身のあり方について考える。
という2部構成の講義となっております。
長野県内はもちろん近隣の地域からも、浜崎先生の直接の肉声に、上記のテーマや、保守思想の核について認識を深めたい方にとって、ご参加いただける貴重な機会となっております。是非ご参加いただければ幸いです。
信州支部 前田一樹
〇日時:9月27日(土)
〇テーマ:日本人の「生き方」――その信仰心のあり方について
〇講師:浜崎洋介先生(文芸批評家)
〇浜崎先生からのメッセージ
日本人の宗教心とはどのようなものなのでしょうか? 神道、仏教、儒教(あるいはキリスト教?)、それぞれにそれぞれの教義はありますが、しかし、私も含め、多くの日本人は「これ!」といった教義を信じているわけではありません。
では、日本人には信仰心はないのでしょうか?
しかし、そんなことはあり得ません。信仰心(あるいは一定の倫理)がなければ、「今現在の利害」(AがよければAに、BがよければBに…)しか存在しないことになり、私たちの一貫した「生き方」や「持続感」や「私の固有性」は消えてしまうことになります。
では、「超越神」を持たない私たち日本人に可能な「信仰心」とはいかなるものなのでしょうか? 本講義では、その主題をめぐって、キェルケゴールの議論を援用しながら、「人間にとって信仰が不可避であることの構造」を確認した上で、その後に、様々な日本人論をさらい、さらに、九鬼周造の議論(京都学派)によって、日本人独特の「倫理=生き方」を描き出そうと考えています。
私自身、「答え」を知っているわけではなく、むしろ、自分自身の生き方(=日本人の信仰心のあり方)を自問自答しながら生きている人間に過ぎませんが、その問題を共有するだけでも意味はあるのではないかと思っています。ご興味がある方は、ご参加頂ければ幸いです。
〇スケジュール
・講義15:00~18:15
※1部90分(概論)、休憩(15分)2部90分(テキスト読解)
〇講義場所
・カリマ松本駅前
※会場の場所が分かりにくいため、お早めにお越し下さい。
・長野県松本市深志1丁目2-15センチュリーマキシムビル303号室
https://maps.app.goo.gl/639MvheV97hMNQi5A
〇参加費
・5000円(講義への参加費)
※当日支払い
〇懇親会
・参加費:6600円
※懇親会費は、事前振り込みとなります。
・会場:信州地酒と囲炉裏焼き 熾し美
・住所:長野県松本市本庄1-1-6 市川ビル2階
https://maps.app.goo.gl/x27FJoTQqVRHXD7a8
https://form.os7.biz/f/2132c689/
※上記のフォームから申込みをお願いいたします。
※懇親会への参加は、口座への事前振り込みを持って申込み完了とさせていただきます。ご注意下さい。
執筆者 :
NEW
2025.09.06
NEW
2025.09.05
NEW
2025.09.04
NEW
2025.09.03
NEW
2025.09.01
2025.08.28
2024.07.13
2025.09.04
2024.08.11
2025.09.05
2025.09.01
2025.04.21
2025.08.19
2025.08.22
2025.08.28
2025.08.08