西部邁氏が創刊した『発言者』『表現者』の後継誌として、藤井聡・柴山桂太・浜崎洋介・川端祐一郎の編集体制で2018年2月より隔月刊で発行。
右翼とも反左翼とも異なる「真正保守」の立場で、人間と社会に関わるあらゆる問題を論じます。
2021年8月23日発売
【はじめに】
「中華未来主義」とは何か?/藤井 聡
[文学座談会]
劉慈欣『三体』をめぐって/富岡幸一郎×藤井 聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎
[パネルディスカッション]
日本はいかにして自主独立を目指すべきか/桒原響子×伊藤 貫×佐藤 優×藤井 聡
「中華未来主義」とは何か?
近年、欧米社会では急速にその国勢を拡大・膨張し続ける中国の脅威に対する危機感と並行して、
ある種の「憧憬」、すなわち、「中国にこそ、我々人類の未来の姿があるんじゃないか」という気分が
急速に広まりつつあります。こうした気分、ないしは考え方は今「中華未来主義」、サイノ・フュー
チャリズム(Sinofuturism)と呼ばれ始めているのですが、これは俄に我が国日本でも広がりつつあり
ます。
本特集は、地政学的に中国の影響から逃れることが困難な我が国日本において、この中華未来主義と
いかに対峙し、「対決」していくべきかを考えようというものです。
あるいは、人間の生や実存というものの「正反対」にある概念として中華未来思想があると定位し、
徹底的に「批判的」に論じていこうとするものです。
こうした批判によって、「中華未来主義」の輪郭がより明確なものとなり、その上で、
我々が現代人として、そして日本人として、歴史的地政学的な現実にしっかりと向き合いながら、
今後の進むべき道が指し示されることになるのではないかとの期待に基づいて、この特集が企画されたわけです。
(はじめにより一部抜粋)
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡
※今回の『別冊クライテリオン』は、通常の「雑誌」ではなく、「書籍」としての販売形式です。
つきましては別冊は、定期購読に含まれない格好とさせていただくこととなりました。
誠に恐れいりますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。