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【藤井聡】『表現者』に是非、メールマガジンで一日一度ずつお触れください。

藤井 聡

藤井 聡 (表現者クライテリオン編集長・京都大学大学院教授)

コメント : 4件

本年2月16日、『表現者criterion(クライテリオン)』が創刊されます。
この雑誌は、日本、および世界の政治、経済、外交はもとより、社会、文化、芸術等、あらゆる問題を多面的に論じ、批評(critique)していく言論誌。
本年1月21日に永眠された故西部邁先生が創刊し、運営されていた『発言者』『表現者』の後継誌として発刊されるものです。

その発刊は日本や世界、さらには一人一人の「精神」に日々迫り来る数々の「危機」(crisis)と対峙することを企図してのもの。
例えば今日本では、長引くデフレのため経済も社会もさらには政治もまた衰弱の一途を辿っています。
そしてその衰弱は、過激なグローバリズムがほぼ無批判のまま進められることによってさらに加速させられています。

いうまでもなく、南シナ海や朝鮮半島の緊張は高まる一方。
結果、誠に情けなきことに日本はその対米従属の度合いを日に日に強めています。にも関わらず憲法改正の議論は先走り、このままでは、そもそも日本の自主独立を強化するためのものであった「憲法改正論」が、その意図とは逆に対米従属を「強化」し「固定化」するための道具に使われかねない状況に立ち至っています。

そしてこうした危機的な不安定な状況の中で、人々はただいたずらに右往左往する他なくなってしまっているやに思われます。

結果、政治においては——例えば昨年の「小池ブーム」の乱高下のような——「炎上」が繰り返され、陳腐で軽薄なイメージで政局が大きく動く事態が繰り返されています。無論そうなればあらゆる危機がその深刻の度をさらに深め、人々はますます狼狽え、「炎上」が激化する——という悪循環が繰り返されています。

かくして今、日本という国家もそれぞれの地域社会も共同体も、そして一人一人の精神も、尊厳ある形で持続していくことが困難となる「危機」に直面しているのが現状です。

本誌『表現者criterion』はまさに、こうした「危機」と対峙することを企図して発刊するものなのです。

そんな危機と「対峙」するために必要不可欠なものとして求められざるを得ないものが一体何なのかと言えば——それは、ものごとをどのように考えて判断し、振る舞うべきかの「基準」すなわち、「クライテリオン」(criterion)です。

今私たちが直面している最大の危機の正体は、そうした諸々の判断のクライテリオン=基準が失われ始めていること、それ自身にあるのです。

それが不在であれば、我々は「生きる糧」を摂らず、ただただ毎日「毒」を飲み続ける様な暮らしに埋没することになってしまいます。今の日本で見られる文学や芸術、さらにはそれぞれの地の庶民の生活文化の衰退、その裏側で進行する化学調味料たっぷりのジャンク・フードや単なる刺激の塊に過ぎないジャンクなTVや雑誌、言論の氾濫などはまさにその典型的状況です。

そしてそんな状況が肉体の次元のみならず精神の次元で、そして個人の水準のみならず共同体や国家の水準で進行しているのが、この現代という社会です。

結果、我々の活力はどんどん衰弱し、病に冒され、挙句に瀕死の状態に立ち至りつつあります。

この末期的とも言うべき実状の中で、本誌『表現者criterion』は、そんな様々な危機と対峙し、乗り越える道筋を見いだすべく、あらゆる問題、あらゆる局面で求められる「クライテリオン」=基準を模索し、表現し続けんとするものです。

ただし——雑誌『表現者criterion』は、隔月誌、その発刊は2ヶ月に1回。

それぞれの問題を、長期的な視点でじっくりと議論するには、このペースは十分なものではあるかも知れませんが、如何せんこの危機の時代、あらゆる問題がめまぐるしく展開しています。

こうした現状を踏まえ、本誌では(週末を除く)連日、編集長である筆者に加えて、編集委員の柴山桂太氏、浜崎洋介氏、川端祐一郎氏、ならびにその他執筆陣が各々週に一本ずつ、様々な問題をそれぞれの視点から批評していく論説をメールマガジンの形でネット配信することといたしました。

こうした「メルマガ」を連日発行することで、本誌『表現者criterion』の誌面上では論じきれない大小様々な問題を社会科学や文芸評論、思想や哲学など、様々な切り口で一つずつ論じていきたいと考えています。そしてそれを通しての危機の時代においてますます求められている「クライテリオン=基準」を立体的に探し続け、表現していきたいと考えています。

これまで故西部邁先生が創刊し、守り続けて来られた『発言者』『表現者』——本誌『表現者criterion』ではもちろん、その精神を引き継ぎ、その思想をさらに深化させ発展させるための「求心力」を拡充して参りたいと考えています。ですがその一方で、本メルマガも活用しながら多面的な問題に切り込み、その言論を裾野広く届けていく「遠心力」も同時に発揮して参りたいと考えています。

こうした両面からの開を通してその言論の高度化と充実を実現せんとするのが、今まさに新たに船出する『表現者criterion』という我々の言論プロジェクトのかたちです。

ついては是非、一人でも多くの皆様に『表現者criterion』メールマガジンにお目通しいただきたいと考えています。

こうした記事にそれこそ「毎日」、少しずつでもお触れ頂くことが出来れば、この現代社会の中で我々が今、失い始めているあるべき判断や振る舞いの「基準=クライテリオン」を自ら問い直し、探り続ける契機を得ることができるに違いない———これこそまた我々編集委員一同の自負であり願いであります。

もちろん、より深い議論にご関心の方には是非、隔月誌『表現者criterion』をしっかりとお読みいただきたいと考えています。ですがそうでない方におかれましても、まずは是非、本メルマガに一日一度ずつ気軽にお触れいただきたいと考えています。

「危機と対峙する保守思想誌」として船出する『表現者criterion』——本メールマガジンも含めて、何卒よろしく、御願い致します。

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コメント

  1. hiro-changギタリストだよ(^^) より:

    藤井先生。こんにちは。
    いつも、私の好きな音楽ばかりかけてますね。
    先生の本を何冊か買いまして財拡について勉強し、自分で会社やっとるんで生かさせて頂いてます。
    先生の主張を全て飲んだ上で私は提言したい。
    アメリカのロックバンドTOTOのドラマー ジェフポーカロのリズムに対する思想。これを経済や経営、商売に利用したい。
    かのジェフポーカロはレッドツェッペリンのフールインザレインとボ・ディドリーのシャッフル、バーナードパーティのホームアットラスト
    これらのリズムをフュージョンして規律あるシャッフルビート。
    ロザーナビートを作って、TOTOのロザーナでグラミー賞を獲りました。今の現代人に必要なのはこの精神です。誰かと誰かを手を結んで今までに無い発想で現状を打開するんです。MMTと緊縮派。一見、水と油。ですが水と油も何か特殊な溶液を入れたら混ざるかもしれません。
    藤井先生には是非、ポーカロ経済学を作って欲しいですね。
    私の商売のベースはジェフポーカロにあります。
    これを商売にも利用して結構、上手くいってたりするですよ。
    斎藤公平なんてアホより、学者はジェフポーカロを一度聞けと言いたいですわ。私の意見、是非、ラジオで採用して頂けたら嬉しいです。
    よろしくお願い申し上げます。

  2. 矢尾板裕二 より:

    いつもYouTubeを拝見させて頂いております。

  3. 星野博美 より:

    よろしくお願いします。

  4. 入江 清仁 より:

    ツイッターでこの情報を知りました。今後色々学ばせていただきます。宜しくお願いします。

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