「表現者クライテリオン」は、危機と対峙する保守思想誌、
ですが、危機と対峙するために何よりも必要なのが、
道路や鉄道、堤防などの「インフラ」です。
「インフラ」が貧弱であれば、
防災も成長もできず社会活動は衰退し、
早晩、軍事的、経済的に諸外国から
浸食・侵略されてしまいます。
そうなれば「文化」の発展も不可能になってしまいます。
だから結局は、
インフラが、歴史や文化や社会や経済を決定
しているわけです。
そして、土木がインフラを作っているわけですから、
歴史も文化も社会も経済もすべて土木がつくっている
と言い得るわけです。
例えば、四大文明は、
インダス川やナイル川、黄河等の
「治水・利水」(洪水対策や、農業用水の確保、等)が
あってはじめて生まれたもの。
だから「土木が人類の歴史を作り上げた」、
というのは当たり前の話、とも言えるわけです。
(※ というか、そもそも「土木」とはcivil engineeringですが、
このcivilというのは「文明」のことですから、
土木が文明をつくり、歴史をつくりあげるのは定義上自明、なのです)
ついてはこの度、そんな「当たり前」を、
様々な史実を通して明らかにする書籍を出版しました。題して、
『歴史の謎はインフラで解ける』~教養としての土木学~
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4819113380/
本書は、
本誌クライテリオンの「扉」の連載をしていただいている
大石久和先生との共同編著で出版いたしました。
例えば、本メルマガでも何度か取り上げらている
「東京一極集中」は、
偏に日本のインフラづくりが歪んでいるからもたらされたもの。
そもそも、新幹線や高速道路が東京近辺ばかりにつくられ、
地方部ではほとんど作られていない以上、
「一極集中」するのは当たり前。
あるいは、古い話で言えば、みずほの国=日本で、
コメ作りが広まるには、
「農業土木」が絶対に必要でした。
土地を「平ら」かつ「水平」にする「土木」がなければ、
稲作を始めることはできなかったからなのですが、
その点に触れた歴史教科書はほとんどありません。
あるいは、織田信長が桶狭間の戦いで、
今川義元に勝利したのは
「国力では劣るが、戦略が上手だったから」
と言われることがしばしばですが、実態は違います。
そもそも信長は「農業土木」に熱心だった一方、
義元は、熱心ではなく、
桶狭間の戦いの時点では信長の「国力」は、
義元に勝るとも劣らぬ水準だったようです。
しかも、信長は、「楽市楽座」に象徴される、
どちらかというと「改革的」で「新自由主義」的な政策を
採択していたと思われがちですが、
実際には、上記の農業土木への熱心さに象徴される、
「公共事業」を軸とした政府主導の経済政策
を採択していたことが知られています。
とりわけ信長は、他に例が見られないような
「画期的な道路ネットワーク整備」を進めており、
これが、尾張の経済・産業力を発展させる重要な原因でした。
つまり信長の全国統一に向けた快進撃をもたらしたのは、
「土木をベースとした富国強兵策」だったわけです。
その他にも、江戸幕府は
江戸における「大治水事業」があったからこそ、
大きな力を握ることができた一方で、
その幕府を倒した「薩長」が、その力を獲得したのは、
「港湾インフラ投資」をしっかりと行い、
舟運を活性化したことが重大な契機でした。
そうしてできた近代日本が
明治維新の奇跡的な発展を遂げることができたのは、
鉄道や港湾等の「土木」を徹底的に進めたからで、
そんな近代日本をアメリカが打ち破ることができたのも、
世界大恐慌後に展開したニューディール政策で、
「土木」を徹底的に推進したからです。
さらには、そんなアメリカに敗れた日本が、
再び「高度成長」を遂げることができたのも、
東海道新幹線や東名・名神高速道路等をつくりあげた
「土木」の力があったからこそでした。
さらに言うと、そんな日本が今、衰退しているのは、
「土木を軽視」しているからに他ならず、
その日本を追い越した中国が、
その強大な国力を身につけ始めているのは、
「一帯一路」に象徴される大土木事業を
推進しているが故なのです。
そもそも「土木」とは「投資」そのもの。
そして、成長は「投資」によってもたらされるのは常識中の常識。
だから、土木を軽視する国家は衰退する他ないのです。
こうした史実は、一つ一つ読めば、
実に当たり前としか言いようがないものなのですが・・・
残念ながらわが国では、
インフラや土木を「肯定的に語る」事は
実質上「タブー」となっています。
だからそんな風潮こそが、
今の日本の衰退を導いているのです。
ついてはまずは、本メルマガ読者の皆様だけでも、
「歴史の謎はインフラで解ける」
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4819113380/
をお読みいただき、まっとうな「常識」を
取り戻していただきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
追伸:
「歴史の謎はインフラで解ける」、ご関心の方は是非、下記よりお求めください。
アマゾン:https://www.amazon.co.jp/gp/product/4819113380/
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/15446855/
執筆者 :
TAG :
CATEGORY :
NEW
2024.10.30
NEW
2024.10.29
NEW
2024.10.28
NEW
2024.10.25
NEW
2024.10.24
2024.10.23
2024.10.24
2024.10.25
2024.10.28
2024.10.23
2023.12.20
2024.10.22
2024.10.29
2018.09.06
2024.10.18
2023.12.29