『表現者criterion』メールマガジン

【藤井聡】「表現者塾」を開設します。是非、ご参加ください。

From 藤井 聡(表現者クライテリオン編集長・京都大学教授) 

こんにちは、表現者クライテリオン編集長、
京都大学の藤井聡です。

当方は、故西部邁先生にお声かけ頂く格好で、

「表現者塾」

に始めて参加したのが、
今から二十年程前の三十歳の頃でした。
(当時は、発言者塾、という名称でした)

当時はまだ、京都大学の若手助手の立場で、
どういう研究をこれから進めるか、
その研究を、どうやって世間に還元していくかを
あれこれ考えていた頃でした。

塾での西部先生の話は、毎回毎回、
TVや雑誌、講義では体験できない
とてつもなく刺激的な内容で、
一言一言が心に染みていきました。

講話に出てくるオルテガやニーチェ、
ハイデガー、福沢諭吉や福田恒存などの
名前を一つ一つメモをとって、
自宅に買えれば全て取り寄せ、
読了していきました。

そして、その一つ一つの思想の「凄み」に
毎回毎回、圧倒されていきました。

時折、講師には富岡先生が来られて
例えば、三島由紀夫のお話を
よくしておられました。

自宅に帰ってスグに、
富岡先生が推奨されていた
「豊穣の海」
を取り寄せ、一気に四冊、読了。

そのあまりに凄まじい文学の世界に圧倒され、
その文学体験が、
その後のいろいろな具体的な考え方に、
大きな影響を与えることとなりました。

当時の塾には、後に当方の研究室に
京大助教・准教授で来ていただいた
中野剛志さんや、
同じく現在、京大助教として着任されている
川端祐一郎さんもおられました。

塾の後には必ず
新宿二丁目のとあるバーに飲みに行って、
あれこれと話をしました。

そこには、
当時はまだ若かった柴山桂太さんや、
その師匠筋にあたる(そして西部先生の弟子にあたる)
佐伯啓思さんも来られてました。

立川談志師匠もしばしばご一緒することもありましたし、
当方は残念ながら同席するチャンスを逃しましたが、
とても有名な某歌手と
カラオケに行ったこともあったそうです。

そんな飲み屋では、
思想や哲学、政治や経済はもちろんのこと、
落語や映画、ワイドショーネタ等の話を、
あれこれと重ねていきました。

そんな会話の中で、
当方にとって特に印象深かったのが、
映画の話。

小津安二郎映画や、
スペインやフランスの誰も知らない様な
映画の話等が出てきました。

そういうものをメモして、
家に帰って取り寄せ、
毎回毎回、それぞれの映画に、
大きく心を動かされました。

そんな映画体験は、行ったこともない場所の風景が、
一つ一つ、心に蓄積されていくようでした。

要するに今の「藤井聡」は、
「藤井家」や
「大阪教育大学付属高等学校」「京都大学工学部」
での体験を経て形成されたものではありますが、
とりわけ「学者」「言論人」としての人格は、
「表現者塾」を起点として、
新宿二丁目界隈も巻き込んで繰り広げられた
思想、哲学、文学、映画、芸術、そして酒場体験によって
形成されたものなのだと―――今改めて感じます。

あれから20年間・・・
少なくとも20年分の経験を蓄積した者としてこの度、
雑誌「表現者クライテリオン」を中心とした新しい、

「表現者塾」

を、本年4月から、開講することといたしました。

当方が通っていた「発言者塾」は、
毎回10~15人程度の参加者しかいない、
小さな私塾でしたが、

西部先生が晩年に開催していた「表現者塾」は、
毎回100人前後の方が集まる、
大きな講演形式の塾でした。

その塾には、本メルマガ読者の中にも
ご参加されていた方もおられるかと思いますが、
今回、我々が開催する表現者塾も、
そのスタイルにて開講いたします。

本年4月から来年3月にかけて、
月に一回ずつの合計12回、
募集した塾生各位に、
二時間程度の講話をいたします。

塾の後にはもちろん、
会場の近くの酒場で
あれこれ話を続けることを考えています。

会場は「東京」開催ですが、
塾に直接参加いただけなかった塾生には、
当日の講話の動画を配信いたします。

講話をするのは、
表現者クライテリオンの編集員、執筆者である
藤井聡、柴山桂太、浜崎洋介、川端祐一郎、
富岡幸一郎、佐藤健志、施光恒の7名。

毎回の司会は、
東京在住の編集委員の浜崎さんにご担当頂きます。

どの仕事でのどの立場でも、
多かれ少なかれ、大小様々な
「危機」
に直面し続けるのが、私たちの日常。

そんな「危機」としっかりと対峙していくためにも、
「危機と対峙する保守思想」
を論ずる表現者クライテリオンの各執筆者の講話に是非、
月に一回、お触れ頂きたいと思います。

参加ご希望の場合は、下記ページをご参照ください。
https://the-criterion.jp/seminar/

一人でも多くの、様々な皆様方のご参加、
心からお待ちしています。

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コメント

  1. 大久保 暢之 より:

    記事を拝見致しました。
    要するに、現政府は腐敗しており機能しない…
    だから…

    何を主張しこれからどうしていくのか、HOWの肝心なところが理解出来なかったのですが
    私の理解力不足でしょうか?

    本を出版されるのも、政治活動促進をするのも、啓蒙活動されるのも自由ですが
    結局、本質的な問題解決のための手段や、具体的な言及をしていないのではないかと個人的に感じました。
    石破茂氏の「地方再生論」を読んでる方がマシかな、という残念な気持ちです。
    ビジネスにしてる時点で言ってることとやってる事が矛盾し、結果的に誰が得をするのですか?
    働くとは、傍らを楽にするという意味の日本語です。
    ご自身の経験やら胆識やらを振りまいても傍らにいる人々はそれで楽になりますか?

    かくいう私も、誇れるほど立派で見識のある人間ではありません。
    失礼は承知の上です。
    言い過ぎかも知れませんが、思ったことをそのまま投稿します。

  2. ドウミン ヨウスケ より:

    表現者塾の開設、おめでとうございます。
    ぜひ参加したいところですが、受講料に北海道からの旅費等も含めると、非常に大きな負担となってしまいます。一方で、直接受講することで、その場の臨場感や息遣いなども直接体験には5万は妥当で、自分にとって大きな財産になるものと考えてます。しかしながら、移動費用の面から直接出向くことが難しいことから、動画配信のみの受講の場合については、受講料を半額程度にしていただけると、大変助かると考えてます。意地汚いお話で大変恐縮ですが、一度ご検討していただきたいものです。よろしくお願いいたします。

  3. けんすけ より:

    今回の塾(催し)を東京で開催することを、「東京一極集中」を同列と捉え、批判するのは論理の飛躍、支離滅裂でしょう。
    そもそも、地方でやりたくとも、交通インフラが十分に整備されておらず、不便だから、参加者および講師の利便性を考えると、東京でやらざるを得ないのだ。まして、塾はボランティアではなく、利益を出す必要がある。

  4. 富田師水 より:

    正直言ってショックでした。
    塾の開催趣旨には賛同します。この記事に書いてあることで琴線に触れた文章は欠片もありませんが。
    先生方の2時間講演というだけで価値があると思います。
    けれど、東京だけで開催するとかマジで言ってんのかってレベルでおかしいと思います。

    わがままかもしれませんが、以下のように思います。
    普段東京一極集中を批判しておきながら、めんどくさいからって東京でしかやらないとか。
    地方で聞きたい私みたいな貧乏人はお呼びじゃないということか。

    平成デフレーションの被害者であると自覚しているから、基本先生方の意見に賛同してます。
    けどそれは、我々やその上の世代やさらに上の氷河期世代に対する同情とか配慮の念を言論から感じるから応援しているし雑誌も購読しているわけで、
    こうも露骨に地方を切り捨てられると、とてもショックです。

    せめて2ヶ月に1回は地方開催があってもいいではないか。
    難しいならそもそも端から動画配信だけにしておけばいいんだ。
    こんなのは不公平だ。
    これからもクライテリオンは買いますが、ショックでしたという事を伝えておきます。

    長文失礼しました。

    • 『表現者criterion』 編集部 より:

      ご意見ありがとうございます。
      当誌では昨年、東京以外に北海道・沖縄・大阪でシンポジウムを開催してまいりました。今後も、地方でのシンポジウム等開催には力を入れていく予定です。

      ただ、講演会場の確保や懇親会の実施などに関し、スタッフのいる土地以外では少なくない労力が必要とされるのも事実でありまして、通年の「塾」についてはまず発行元の啓文社が所在する東京での開講ということでスタートさせて頂くことになりました。

      地方在住の方にご参加頂きにくいことについては我々としても問題を感じております。今後も、動画視聴の扱いも含め、地方の方にご参加いただきやすい環境の構築に努めてまいりますので、何卒ご理解を頂ければと思います。

  5. 鈴木隆弘 より:

    いつも勉強させてもらって感謝申し上げます。
    「表現者塾」の開校、おめでとうございます。

    さて、今回、東京で開催と聞いて、私のように地方に住む人間にとっては残念に感じてます。
    昨今、社会の矛盾が大きくなる日本で、なにもかも東京に一極集中するのが問題視されています。人、物、金、インフラ、教育、サービスetcです。
    表現者クライテリオンの皆さんも、同じ意見をお持ちと思います。
    東京にお住まいですと、この様な恩恵に与れるわけです。しかし、地方では、産業の消滅、少子化、インフラの老朽化、教育の低下、過疎化etc。
    地方に住んでいますと、「表現者塾」の恩恵も受けられません。(かろうじて動画発信)
    別段、苦言を呈する気持ちは毛頭ありませんが、地方に不満が溜まっていても、最高の知識人たちは東京に一極集中とは、淋しいさを感じます。

    帝政ロシアの時代、地方こそ啓蒙が必要だとインテリたちが地方でがんばりました。
    歴史的に観て芳しくない面も有りましたが、都会の空気からは本当の革新は生まれないのではないかと思う次第です。
    地方について、また東京の一極集中についてどのようにお考えでしょうか?もし、私の意見に拙い点がありましたら、ご教示願えますと光栄です。
    長文になり、失礼しまた。
    「表現者塾」の開催のご成功と、表現者クライテリオンのご発展を祈念いたします。
    お時間頂きまして、ありがとうございました。

    • 『表現者criterion』 編集部 より:

      ご意見ありがとうございます。
      当誌では昨年、東京以外に北海道・沖縄・大阪でシンポジウムを開催してまいりました。今後も、地方でのシンポジウム等開催には力を入れていく予定です。

      ただ、講演会場の確保や懇親会の実施などに関し、スタッフのいる土地以外では少なくない労力が必要とされるのも事実でありまして、通年の「塾」についてはまず発行元の啓文社が所在する東京での開講ということでスタートさせて頂くことになりました。

      地方在住の方にご参加頂きにくいことについては我々としても問題を感じております。今後も、動画視聴の扱いも含め、地方の方にご参加いただきやすい環境の構築に努めてまいりますので、何卒ご理解を頂ければと思います。

      • 鈴木隆弘 より:

        コメント欄に掲載していただきありがとう御座います。
        地方での開催については、ご検討いただいているということで今後に期待いたします。
        これからも、応援いたします。失礼します。

  6. ODa より:

    参加したいですね。しかし齢を重ね、定年まであと10年。20年前に皆さんと出会っていれば、もう少しマシな人生があったかもと今更の後悔。これまでのお祭り騒ぎの改革主義、空虚な自由主義、腐臭のする安寧な社会に何も出来ず、事実そんな世の中弟子か生きて行けなかった自分があったことか恥ずかしい。失われた20年でないですが。その気になれば、社会の上層部に違和感なく落ち着ける身分の藤井さん達が、自分のような砂粒のような私が激しく共感するような言説をされることに何かの縁を感じたりします。議論を交わすような素養や知識を持ち合わせていないので、毎月一回、国士の話しを聞くだけでも良いかなと思い始めています。金だけはあるんですけどね。

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