『表現者criterion』メールマガジン

【藤井聡】インフラ・イノベーション ~未来を切り開く投資戦略~

From 藤井 聡(表現者クライテリオン編集長・京都大学教授) 

今日は、当方の最新書、
「インフラ・イノベーション」
https://www.amazon.co.jp/dp/459408205X
について、お話差し上げたいと思います。

・・・

我々の表現者クライテリオンの
 「建白書:令和八策」
や、我々編集部も皆協力している、
 「令和の政策ピボット」
さらには、昨今の主として左派による国民運動
 「薔薇マーク運動」
そして、今、世間で話題となっている
 「MMT」(現代貨幣理論)
等でも重要なキーワードとして取り上げられているのが、

  「反緊縮」

です。

これは、借金を減らすために消費増税する等、
政府がオカネを吸い上げる「緊縮」では、
国民国家は衰えてしまう、むしろ、
「政府がしっかりオカネを使うこと」が、
重要だ、という考え方。

しばしば、
「積極財政」論
とも言われるこの「反緊縮」論を、
実際に推進するには、
一体何にオカネを使っていくべきなのか・・・
をしっかりと考えていくことが必要です。

いわゆる「ワイズスペンディング」(賢く使う)姿勢が
重要だ、という次第。

もちろんそんなワイズスペンディングにおいては、
子ども手当を皆に配ったり、
教育を無償化したり、
社会保障を充実したり、
科学技術投資を拡大したり―――、
様々な方向が考えられますが、
それらの中でもとりわけ重要なのが、

 「インフラ投資」

です。

なぜなら、政府がインフラ投資を行えば、
それだけで、資金が市場に出回り、
経済を刺激する効果(=フロー効果)が
もたらされるのですが、
それに加えて、できあがった「インフラ」事態が、
経済をさらに活性化する効果をもたらします。

それは一般に「ストック効果」と呼ばれます。

つまり、インフラ投資は
フロー効果とストック効果という
「一粒で二度おいしい」政府支出なわけです。

この点が、子ども手当を配ったり、
幼児教育の無償化等とは大きく異なります。

それらはフロー効果はあっても、
ストック効果はなく、
「一粒で一度しかおいしくない」支出なのです。

(さらに言うと、配ったオカネの一部を、
人々は確実に貯蓄に回しますから、
折角オカネを配っても、経済刺激効果は、
配ったオカネの一部だけとなります。
ですが、インフラ投資の場合は、全額、確実に
経済刺激に回ります)

しかもしかも、
インフラ投資「以外」の投資項目は、
単価が必ずしも高くなく、
どれだけ頭を絞っても、
年間10兆円、20兆円という、
日本のマクロ経済に十分な刺激を与えるための支出額には
到達しない、という問題もあります。

その点、インフラ投資は
数千億、数兆円というオーダーなので
「大型」経済対策には、現実の「実務」において、
どうしても外せないものだ、とも言われてきました。

こうした理由から、インフラ投資は、
昔から、経済対策の「要」であり続けたわけです。

・・・

しかし最近は、日本のインフラは十分に充実してきたので、
いまさらインフラ投資なんて進めても意味が無いだろう・・・
という論調が後を絶ちません。

もちろん、そうした意見は、基本的に全て「デマ」

現代日本においても、間違いなく、
基礎的な防災対策や
老朽化対策や地方活性化のための道路、鉄道の投資等の、
「古典的なインフラ投資」
は、未だに極めて効果的であり続けています。

とは言え、インフラの領域でも、
技術的な進歩が日々蓄積され、
様々な新しい

「イノベーション」

が生み出されているのも事実。

だから、インフラ投資をより効果的に進めていく上では、
そうした「インフラ・イノベーション」を網羅的に把握し、
適材適所で、それらにも、
政府支出を充当していくことも必要です。

ついてはこの度、

エネルギー、食産業、まちづくり、
道路、鉄道、河川、砂防、みなと、空港・・・

といった様々な「インフラ」の分野を
全国各地を訪れながら約二年かけて取材し、
それぞれの「最新事情」をとりまとめた書籍

「インフラ・イノベーション」
https://www.amazon.co.jp/dp/459408205X

を出版いたしました!

筆者はこれまで何十冊も書籍を出版してきましたが、
これだけ長い時間と、多くの現場、多くの関係者の取材を経て
とりまとめた書籍は今回が始めてです。

ついては、是非、一人でも多くの国民に、
ご一読いただきたいと思っています。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

追伸
本書「インフライノベーション」の内容は、以下の通り。もちろん全てしっかりお目通しいただくことも、あるいは、ご関心のインフラだけ拾い読み頂く恰好でも十分にご理解いただける内容です。是非、ご一読ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/459408205X

1章「ンフラ・イノベーションと日本再生」
2章 現代日本の、川文化のイノベーション:北浜テラス
3章 港の整備が「まち」を作る:小浜港の港湾イノベーション
4章 「下水資源」イノベーション:都市に眠る宝の山
5章 鉄道が導く「都市と国土のイノベーション」
6章 都市の強靭化:六本木ヒルズのエネルギー・イノベーション
7章 日本を救う水力発電のイノベーション
8章 「道の駅」による地方再生イノベーション
9章 国土保全イノベーション:「砂防」が守る日本の国土
10章 地方再生の街路イノベーション:「クルマ車線」を削って賑わう京都・四条通
11章 食産業インフラ・イノベーションが日本を救う
12章 地域イノベーションを導く「リアル・どこでもドア」:高速道路のストック効果
13章 日本を救う港湾インフラ・イノベーション:「基幹航路」を守り、日本を守る
14章 空港がもたらす地域イノベーション:「廃墟」の空港バッシング

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コメント

  1. 星秋 より:

    政府が札を印刷し、有効な支出に使う
    そうすると
    財産のところに有効インフラが計上され、経済効果を生み続け、
    負債のところに札束の発行総額が計上されてバランスをする
    この負債は返済する必要はない

    政府が札束を印刷して老人福祉に使う.老人は何の役にも立たないが自身が消費者として作用するとともに、介護士の消費世界を助ける.介護士の支出世界は、これが定着すればインフラの一種と考えてよい

    介護人紹介業社による強度ヒンハネを規制する法律が必要だ.最高刑は死刑にせよ.
    建設作業も同様である(親会社から24000円払われ、15000円ピンハネして作業員には9000円しか行っていない)

    • 拓三 より:

      老人が役たたんとか、死刑とか、ピンハネとか…..お前何様や ? 

      そこらに転がってる話、かき集めたんか知らんけどカネ有りきで物事喋ってるんとちゃうか ? 老人が役たたん ? その老人が築き上げた信頼が在るからカネ刷れるんとちゃうんか ?
      ピンハネ ? いつの話を例に出しとんや ? 昔より今のほうがエゲツないで。それも建設業だけや無いしな。妄想で昔が悪いイメージで話せんときや。

  2. 星秋 より:

    インフラ投資の有効性は判りますが、調子に乗るとつかみ取り状態になる
    かつて末期高度成長期の日本がそうであり、
    ・官庁は特別予算を乱発して天下り機構を作って利権を定着させた
    ・政治は分捕り合戦をした.即ち港を作ると、隣村の原住民がおらの町にも港を作れと要求し、全国に今では釣堀と化した港が乱造された.その間日本の港湾ランクは東京横浜神戸、ことごとく世界ランク100位以下に埋没した
    ・空港も同様になった
    ・日本の高速道路は貧弱であり、戦車も通れない.しかも通行料が高いから内陸輸送コストが増大し、渋滞が増加した
    ・科学技術、軍事技術に対する政府投資は世界最低ランクである.結果が出ないのを怖がって踏み出せない

  3. 拓三 より:

    今の日本の現状では無理です。
    移民政策を推進するなら可能です。

    まず鳶、鉄筋、仮枠、土工、などのほとんどが地域社会(共同体)から涌き出てくる人達です。その地域社会がここ数年にわたり破壊と緊縮が進んだ事により人間関係が分断されてしまいました。つまりその職業に就くガイドラインが崩壊しているのです。カネでは集まりません。それが現実です。
    私も国土強靭化は素晴らしい政策だと思います。しかしそれさえも出来なく破壊された日本…..

    日本の高度成長は地域社会が作り上げたのです。だから経済成長したんです。確かに朝鮮戦争による難民の受け皿としての側面もありその力も大きくあったでしょう。でもそれを抱え込み押さえ込める力のある特定の団体もあったのも事実。そして何より難民と国家の間にはwinwinな関係性があった。しかし今の日本はどうですか。共産主義国家の移民を押さえ込める地域社会、団体、国家は存在しますか。そんな状態で移民を拡大しインフラ整備したところで経済成長出来ますか。

    私は国土強靭化を批判しているのではありません。財政拡大にインフラ整備は当然だと思っております。しかし現状では無理です。だからその当たり前の政策が大々的に出来るような土台から作り上げなければならないんです。

    その為にはまず移民政策を阻止すること !

    地域社会の強化、復活 !

    あと規模は小さくとも国土強靭化を進め、継続し続けること !

    です。

    追伸、出産に300万功労金、この政策エエと思うんやけど、フロー効果確実にあるし…..アカン ?

  4. 汎損・フォード より:

    >「ワイズスペンディング」(賢く使う)

     この”賢く使う”と言う言葉は、
    昨今のパソナークロー協賛集団党(と言うとオール与野党を指すことに成ります)がツケ舞わす”共生”(移民の理由が人口減少から擂り返られた)という言葉と同じように誤魔化されて利用されているようにも思えます。
    財政健全化の灯を消さないために、均衡緊縮を貫くために、P.B.を尊守するために、財政破綻の足音を聴かないために・・・・賢く使う=何処かに支出したら何処かを搾る

    なかなかままならない抜け目の無い腹黒い思考に牛耳られた政治(家或いは企業家或いはビジネス・ジャーナリズム)ばかりです。
    あしたのためにするべきは彼奴らを討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!討つべしっ!・・・・・すみません。あおい輝彦PBギャグ?、クドイですね。
    もうワシには馬鹿なことを考えておくる日々しか残されていないのだすントン・・・どぼじで。(by  杉村大ちゃん?音頭) お赦しくだせぇ。

     しかしやっぱりPBはいけないもののプレイバックは続けていくしかありませんね。ワシもカードローン(ツケ回し)を駆使して本は買うものの赤字圧縮は中央政府のようにはしません。道ずれにするこの道にツケ回してやる所存です。(と、こんなにめいいっぱい皮肉っても200%彼奴らには届かないのでしょうね。皮肉なものです。)

     近代でも情報の伝達と言うものは、遺伝子による伝達には劣ってしまうのでしょうね。(視覚と聴覚が交錯する点に依りヒトの新皮質脳が創り出した)言葉、文字は受け取る一人ひとりの脳が描く世界感に因って微妙に違ってしまい、(最たる果ては)保護主義と自由主義が一致しているとか口にしてしまうモノなのでしょうね。って支離滅裂ですみません。

     インフラで最近感じていたことは電磁波網もインフラと化してしまっているものの菅房長官のツンツル天の一声で価格を減じられることになったことです。結局デフレにしておきたいだけじゃなんでしょうか。高所得者は根本的に貨幣価値が下がるのも累進税制も大っ嫌いっなことを、他の理由をツケたいのです・・・他国と比較して云々とか。彼奴らにとって言葉というのは伝達の手段ではないのです。凶器としか思えません。また支離滅裂になりました。多分ワシは右脳人間なのです。お赦しください。

    • 氾損・フォード より:

       Wireless電磁波Infraで書き足りないことを思い出しました。
      小さくて字が見えなぁーいっ!(の眼鏡のCM)・・・じゃなくて、他国に競べて携帯料金(そもそもこのInfra的なモノだけなの?)が高ぁーいっ!の一声で(更に党系圧縮圧力場理論で可処分所得が増えるとFollowしてもらって)売価を下げるばかりの思考(それがネオリベ真理ワクワク教)ではなくて、家計の分母(所得)が増えるように政策(Inflation対策でなくてDeflation対策)を打ち出すべきなのであります。
      前日銀総裁は引きずり降ろし、(天皇家とは200%違って)ネオリベ真理狂者ばかりが日本政府に居座り続ける・・・・まったくアンドロ軍団のヤルッツェっ!ブラッキンっ!なのであります。
      カンコロキィーーーんっ!・・・どぼじで。by小泉進ちゃんならぬ、杉村大ちゃん音頭? あ、ソレっ!

      すみません右脳思考と思えるワシは文面がピカソ風(とは言うないけど暫定表現として)な支離滅裂になってしまうだすントン。

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