『表現者クライテリオン』メールマガジン

【藤井聡】「政治家がウソつきでもまぁいいじゃないか」という腐臭漂う日本の空気

From 藤井 聡(表現者クライテリオン編集長・京都大学教授) 

こんにちは、表現者クライテリオン編集長、
京都大学の藤井聡です。

本誌最新号「安倍晋三 この空虚な器」では、
https://www.amazon.co.jp/dp/B07YMF27NQ/
11月20日、憲政史上最長の総理就任期間を記録した、
現役総理大臣である安倍晋三氏の「空虚さ」を
様々な角度から論じています。

その関係もあって、「安倍氏の空虚さ」について是非、
話をしてほしいと言うことで、
11月20日当日に、二つのTV局から打診がありました。

そのうちの一つには、
当方は、「前・内閣官房参与」ではなく、
あくまでも学者、言論人として、
公正中立の立場から、安倍氏という一人の政治家、
ならびに、現在の安倍内閣を批評する立場で、
登壇致しました。

当方がお話したのは、本誌で論じた内容そのもの
だったわけですが、最大のポイントは、

「現在の安倍政権は、
“政権の長期安定維持”それ自身を最大の目標としており、
“政策の実現”を第一目標に据えてはいない」

という一点でした。

同じ話ですが、次の様な言い方もいたしました。

「安倍政権は、
政策原理はほとんど活用されず、
ほぼ純然たる政治原理だけで動いている内閣です」

ここに「政策原理」とは
「どの政策がよいかを基準に活動する原理」で、
「政治原理」とは
「どうすれば自らの勢力を拡大できるかを基準に活動する原理」
です。

当方は、学者・言論人という立場で、
特に憤りや嫌悪感を込めずに、
上記の様に説明したのですが、
こんな事、どれだけ公正中立に言われようが、
もしも当方がそんなことを政治家の立場で言われたら、
「ふざけるな!」と激高するだろうし、
これに賛同する一般国民も、
「そんな態度は言語道断だ!!」
と政府に対して同じく激しく憤る筈です。

・・・が、スタジオ内の雰囲気は、
驚くべきことにそうでもないのです!

「ふむふむ、確かにそういうところはあるある」

という雰囲気なのです!!

それはつまり、こういう事です。

「政治家なんて、どうせ、
口では国民のためだとか国家のためだとかいうけど、
そんなモノ全部ウソで、
結局、自分の事ばっかり考えてるもんだろ、
安倍さんもそんな感じだけど、
まぁ、いいじゃん」

と、(全員とは言わずとも)
共演者なりスタッフなりの少なからずが
思ってるということなのです。

っていうか中には

「安倍さんはやっぱすごいねぇ、
危機管理能力がずば抜けてるよね」

なんて風に肯定的に評価しちゃう
向きもあったりしていたのです(!)。

・・・僕はもう、この空気を感じながら、

「あぁ、これじゃぁ、もう、
日本は潰れるしかないよなぁ・・・」

と思ってしまいました。

総理大臣が日本の事を考えずに、
自分の権力維持のことだけ考えて、
適当なウソばっかついてるんだけど、
国民の多くが、それを是認している・・・

ってことになれば、

財界が応援してくれるって言うなら、
客に媚びるだけの安物の三流ホステスの様に、
何でも言う事を聞いて、
国民がどうなろうが、
法人税を下げるなり消費税を上げなりするだろうし、
・・・それがバレても国民は何とも思わないし、

財務省にちょっとでも脅されれば、
国民がどうなろうが予算もカットするし、
消費税もいくらでも上げるでしょうし、
・・・それがバレても国民は何とも思わないし、

アメリカにちょっとでも脅されれば、
国民がどうなろうが、アメリカからどれだけ侮られようが、
FTAであろうが関税撤廃であろうが、
何でもご主人様の言う事を聞くでしょうし、
・・・それがバレても国民は何とも思わない、

ってことになるからです。

そうなれば、総理大臣は、
自らの権力維持拡大のためにまさに好き放題、
売国であろうが何であろうが、
一切の気兼ねなく何でもやっていくでしょうし、
その結果、国家が崩壊していくことは決定的です。

後はもう、

「そりゃイカンでしょ!!」

という世論が拡大するところに期待する他
ないなぁ、と思っているわけですが、やはりそれも
かなり難しい状況の様です。

例えば、昨今話題の「桜を見る会」騒動。

びっくりしましたが、安倍総理は、

「人選のとりまとめは内閣府でやってたんであって、
私は関わってない」

と言ってたわけですが、
安倍事務所が関与している証拠が一杯でてきたので、

「推薦はしたが、最終の取りまとめにはかかわってない」

と発言を修正されています。

もうこれは普通に言えば、
虚偽答弁を認めたのと同じですよね。

これじゃぁ、例えば、

「ご飯いった?」

って聞かれて、

「行ってません!!」

と答えたけど、後で調べたら
ホントは行ってたことが分かったから、
それを問い詰めたら、

「確かにソバは食べに行ったけど、
ご飯は食べに行ってません!(キリっ!)」

って言ってんのと一緒です(笑)。

こんなアホな話を許していい筈ないのですが
許しちゃってるのが、今の日本。

何といっても、この記事によれば、
https://mainichi.jp/articles/20191124/k00/00m/010/211000c?fbclid=IwAR2TrIcOljAkEM882aIBxduNmh3zC7AgQTbo9qmJfkkUpGeS4wVf8uM8KBc
安倍さんの発言が
「信用できない」という国民が約7割もいるのに、
それでも「支持する」という国民が
約5割もいる
のです。

・・・ということは・・・

少なくとも2割以上の国民は
「信用できないけど、支持しますよ」
という少々訳の分からない状況になっているのです!

「信用できない人を支持する」なんて・・・

「きっと浮気してるだろうけど、
どうしても愛してるから別れられない」

っていう夫婦のような心境ですね(苦笑)。

まぁ、夫婦だったらそういうのでもいいのかもしれませんが、
政治でこれをやられちゃぁ、
日本はメチャクチャになりますよね(苦笑)。

日本国民には、真面目な政治の世界に
「痴情」紛いの感情を
持ち込まないでいただきたいです・・・

ちなみに、以上の顛末、
久々にあった古い知人に、
ホント腹立たしいし辛いよなぁ、
というトーンで話たところ、

「そぉかぁ?」

なる意味不明の気の抜けた返事。

ここまで日本の腐敗は進んだのか・・・
という、何とも残念な気持ちに
ならざるを得ないわけですが・・・・
とりあえず今は、

「もはやこれまで」

と口にすることだけは避けておきたいと思います。

追伸1:・・・ついては頑張って、言論・批評活動を継続したいと思います、「安倍晋三 この空虚な器」、もし、まだ読んでらっしゃらない方がおられましたら是非、ご一読下さい!
https://www.amazon.co.jp/dp/B07YMF27NQ/

追伸2:・・・ただ、個人的にはほとんど『ジョーカー』な気分です(苦笑)。
https://foomii.com/00178/2019111511000060331
『ジョーカー』映画評論 ~腐った社会が「純粋な無私の悪人」を産み出す~



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コメント

  1. リグス より:

    「きっと浮気してるだろうけど、
    どうしても愛してるから別れられない」

    これもあると思いますが、「他にロクな男がいないので、別れたら生きていけない」という計算もあると思います。
    問題は選択肢を選ぶことしか出来ず、民主主義の根幹である自らが代表を送ることをしない我々国民の側にも大いに問題がある感じがします。

  2. G&R より:

    藤井先生と全く同じ想いです。
    確信のない希望であっても諦めてはいけないという表現こそありませんが、
    そこを除けば、片方で現実の虚しさを感じている小生の想いと100%同じでした。
    結果や現象には必ず原因があると言います。
    政治・経済に限らず、日本と日本人を取り巻く様々な現象の原因を追究すれば、
    精神的に根の深い原因が同源であるような気がします。
    良い方向に働く外圧効果も今のところ見られず、
    結局、尻に火が付かないと動けなくなっているような気がします。
    しかし、政治家も含めた今の日本人では尻に火が火が付く頃は
    バタバタで間に合わないかも知れません。
    「備えあれば憂い無し」ですが、「転ばぬ先の杖無し」かも・・・

  3. ナショナリスト寄りのグローバリスト? より:

    難しい事は出来る人に任せれば良い。
    自分の一票がどれだけの影響を持つのか分からない。
    大きな事は考えるだけ無駄。
    日々の仕事(軽度知的障害者の福祉支援職員)で手一杯。
    大変大変大変と言って家の中をどたばた走り回るのが私の母です。
    今の仕事は私の母にはオーバースペックを要求しているんだろうなと思います。
    母親を見ていて溜息が出てきますが、では藤井先生のおっしゃる通りに社会全般に関心持たせるように出来るのかと考えると・・・それもまた母親には困難なのだろうと思う次第です。
    まあだからこそMMT理論を基にした政策によって国民に金を与え、余裕を産ませて、その余裕を持って勉強してもらいたいという所なんだろうと思いますが
    果たしてその余裕をしっかり活用して勉強するのかと考えると、正直私は懐疑的です。
    これは大多数の国民がそうなのでは無いでしょうか?
    欲を満たすものに囲まれた先進国だからこそ、その余裕は欲を満たす為に消費されるのがオチなのでは無いでしょうか?
    (あまり大きな声では言えませんがまだドゥテルテ方式の方が現実味がありそうなもんですが・・・)
    まあ無知無学の私の考えてる事は既に把握されていることだと思いますのでこれで終わりにします。
    私は私で私なりに頑張ります。

  4. tarotyan より:

    最近これほどひどい経済政策で自分の生活を毀損されている
    方々程、なぜ安倍政権を支持するのかが本当に不思議だったのでいろいろと調べていたのですが、結論はとても悲惨な物だったのです。

    つまり消極的支持とは、変化に対する過剰な恐怖心であり、少なくとも徐々に悪くなっていく安倍政権であるならばまだましだという考え方です。

    急激に政策が変化して、もし悪い方向に行ったらすぐに崖から落ちてしまうように感じている人々が2,3割いてこの方々は上記の考え方で安倍政権をずっと支持しているのです!

    ブラック企業を辞めれない心理と同じなんです。日本は本当に悲惨な状態になってきました。海外移住したいぐらいです。本当に残念です。

  5. ジャパーニーズドラゴン より:

    安倍さんは賢明であり粘り強い人であると信じていたのですが、令和元年に消費税を増税するとは思わなかった。ある意味新天皇に対して失礼な政治判断ではなかったかとおもいます。令和天皇誕生と時を同じくして増税し、国民が祝賀行事に沸く中増税の劇薬を国民に飲ませ、国民の歓喜の効用と毒性を中和する目的では?と勘繰られることも恐れずと言うか「国民は気が付かないだろう、増税反対運動は抑えられる。」と、これ以上言うまい。政権最後の歴史的な失政。これを日本国国民は許すのだろうか?大手新聞社も太平洋戦争中に犯した失敗をまた繰り返し政府に迎合している。これでは日本の未来は益々暗くなり、このままでは国力は衰えるしかない。これでいいのか!国民よ怒れ!次の選挙で怒りを示せ!

  6. エミリー より:

    三橋先生や藤井先生の経済講義を受けMMTを理解できるレベルに引き上げて下さった事に感謝します。同時に10%に消費増税が実施されて日本の将来を非常に悲観する一人となりました。三橋先生や藤井先生の政治・行政に対する批判を受け共感すると同時に一人の国民として無力感と憤りを禁じ得ません。私たちは一体どう行動すればいいんでしょうか?詰まるところ政治体制の刷新しか道は無いと三橋先生や藤井先生もお考えだと思いますが、今はその期が熟すのを待っておられるのでしょうか?

  7. 鈴木 郁代 より:

    さすが藤井先生、最初から怒ってらっしゃいますね❗とっても素敵です。
    本当仰る通りです。何故こんなにひどい目に遇わされながら安倍政権を信任することが出来るのでしょうか❓私には訳がわかりません。
    私ももちろん怒っていますし、山本太郎さんを応援しています。「絶対にひっくり返してやるからな」です‼️

  8. 星野 より:

    もう藤井先生や三橋さん達自らもしくは公認の政治家、政党が出来ないと厳しそう。。。
    僕らみたいな読者層、一般人からでもなれるものならなりたいけれども無理だろうなぁ。

    正直、政治家やマスコミ、政財界の知識人よりも、先生方の読者層の方が本来するべき政策への理解力はあると思う。
    ただ生活もあるし、政治、政策、オペレーション的な経験も皆無ならば立ち上がれない。

  9. のり より:

    もう藤井先生や三橋さん達自らもしくは公認の政治家、政党が出来ないと厳しそう。。。
    僕らみたいな読者層、一般人からでもなれるものならなりたいけれども無理だろうなぁ。

    正直、政治家やマスコミ、政財界の知識人よりも、先生方の読者層の方が本来するべき政策への理解力はあると思う。
    ただ生活もあるし、政治、政策、オペレーション的な経験も皆無ならば立ち上がれない。

  10. とし より:

    藤井先生、ますますおこってますな!香港同様、きっかけさえあれば、国民も自然に立ち上がるでしょう❗️今はそのときまでひたすら準備するまででしょう。

  11. NT より:

    本気で安倍政権は駄目だと気付いていても野党は桜を見る会で騒いでる有様で、事実上選択肢が無いという状況こそが恐ろしいです。
    まともな政治家が少ないのはまともな国民が少ないからで、そのまともで無い国民に支えられたまともで無いメディアが更にまともで無い啓蒙を広める負のスパイラル。
    歴史上でも悪貨が良貨を駆逐してきた様に普通にしていたらこの流れは止まらないのでしょうね。
    衆愚政治からの脱却に成功した事例は歴史上あるのでしょうか。

  12. 青木登 より:

    87歳。終戦時は中一でした。
    夢中で働いた高度経済成長期、結局70年かけて洗脳されたんですね。
    藤井先生グループだけが頼りです。
    日本を見捨てないでください。
    よろしくお願いします。

  13. 塩野 剛三 より:

    正におっしゃる通りです。
    日本の政治を壊した史上最悪の総理大臣、安倍晋三です。
    それを指をくわえて見ている私たちも同罪か!!
    どうやって立ち上がれば良いのか、一人一人考えよう。

  14. Harry Callahan より:

    藤井先生、おはようございます。
    クライテリオンの安倍晋三特集号は購入し、読みました。
    先生の慨嘆、「あぁ、これじゃぁ、もう、
    日本は潰れるしかないよなぁ・・・」
    と、
    「もはやこれまで」と口にすることだけは避けておきたいと思います。
    の日本国への想い、この2つは僭越にもわたしも常々抱いているところでありまして、なぜそうなのか?についてはいろいろと分析できましょうが、やはり今の国民が相当に政治不信、または政治に無関心であるということもあるかと思います。
    上記の2点は、昔から変わらず言われてきたことでありますが、
    特に最近はテレビマスコミの肝心なところ(移民、消費税増税など)は報道しないというメディアの影響、ネット世論における自民党ネットサポーターズ(J-NSC)の世論工作、これらによって、国民が腑抜けにされているように思われます。
    右派でもなければ、左でもない、われわれ保守が情報発信などで戦わなければならない、と強く思います。
    藤井先生の言論者としてのご活動により一層期待する次第です

  15. exempty より:

    もはやこれまで

    正に中野さんのネタがしっくりくる状況、心情ですね。
    日本人に70年間掛けられた呪いのような洗脳は
    ここに来てとうとう全国民痴ほう症状の発症という最終段階に
    進んできたのかもしれません。

    頭が完全にマヒしてるんじゃないかと
    まともなら冷静にそう感じてしまう狂気の世界。
    常識が完全なる狂気の段階にいつの間にかシフトダウンしている
    という常識の融解と消失。
    虚無的精神、ニヒリズムが進んでいくとこうなるんだなあと
    70年以上かけた壮大な社会実験が結実してきた様相を
    まざまざと見せつけられているようで呆然としてしまいます。
    家畜奴隷化とはこういうことを言うのかもしれません。

  16. 呉越同舟 より:

    MMTを主張しているというだけで福島差別を平然とする政治家を熱烈支持する誰かさん
    安倍にもらった閑職に飛びついて何年もしがみつき私腹を肥やした誰かさん
    いつまで自分(たち)のことを棚に上げてるんですか?

  17. 茶粥 より:

    本っ当に腹が立ちます。
    どこまでバカにしてくれるねん!と腹が立って仕方ないです。
    これも散々バカにされても国民がヘラヘラしてるからですよね。

    バカにしてくれると言えば維新と公明もです。
    まーた住民投票って、どいつもこいつもどれだけ人をバカにしたら気が済むんでしょうか。
    許すまじです。

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