【藤井聡】「ウソ」で自滅する国家ー安倍・トランプ・文在寅

藤井 聡

藤井 聡 (表現者クライテリオン編集長・京都大学大学院教授)

皆さん、こんにちは。表現者クライテリオン編集長、京都大学大学院の藤井聡です。

前回、いろいろと立て込んでしまい各週で配信して参りましたメルマガが配信できず、大変に失礼いたしました・・・いつもどれだけ立て込んでいても何とか配信できていたのですが、誠にスミマセン、以後、気を付けます(!)。

・・・さて、そうこうしている内に、新しいクライテリオンの発売が今週となりました!

今週のテーマは、

「ウソ」で自滅する国家ー安倍・トランプ・文在寅
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何とか今は小康状態を迎えていますが、年明け早々のイランのソレイマニ司令官殺害で、一気に中東は緊迫状況に陥りました。その原因について、トランプ大統領は当初「ソレイマニ司令官が破壊行為をまさに今企んでいる、自営のために、今、殺害しなければならない」とい主張していましたが、その主張はスグに「ウソ」あることがばれてしまいます。

そうした認識は軍関係者の間でも共有されておらず、むしろ選挙対策として行った殺害に過ぎないと報道されているのが実情です。つまり、トランプは、「ウソ」によって危機の直前まで中東を追いやったわけです。

一方で、我が国日本でも、連日「桜を見る会」では、子供でも分かるような明らかなウソが、政府関係者から繰り返されています。

「出席者名簿を公表するのがまずい」と判断した政府は、「隠蔽」してしまったのです。政府はもちろん、「それは隠蔽ではない」とシラを切り続けていますが、常識で考えれば皆、それが単なる「ウソ」であると認識しているのが実情です。

さらには、消費増税によって景気が驚くべき水準で悪化しているのですが、政府はそのデータを認識しながらも、その景気悪化が消費増税が原因であることを一向に認めようとしません。それを認めると、政府の判断で悪化をもたらしたということになってしまう、というのが「マズい」という判断が政府にあるからで、その結果、今の景気低迷は台風や少子高齢化のせいにされてしまっています。

が、こんなウソを突き続けている限り、まともな経済対策はなされず、日本経済は奈落の底に沈む他ないでしょう。

こうして今や、「自由民主主義国家」は軒並み、「リーダー達のウソ」によって、大きな混乱をきたす状況に至っているのです。

そしてこうしたウソをリーダーがつき続け、そしてそれを国民が許し続けていれば、どんな国家でも必ず自滅することになります。

ついては「危機と対峙する保守思想誌」である本誌表現者クライテリオンは、こうした「リーダー達のウソ」は決して看過してはならぬものであり、徹底的に批判・批評することが、日本の危機、そして現代諸国家の危機を乗り越える上で重要なテーマであると認識し、この度、この特集を企画した次第です。

本誌巻頭では、

『溶解するナショナリズム、幼児化する民主主義』

というテーマでの、アメリカ、フランスにそれぞれ造詣の深い会田弘継氏堀茂樹氏をお迎えした座談会を掲載しました。

座談会では、リーダーがウソをつき始めた背景、そして、それをそれぞれの国民がそのウソを許容し始め、あまつさえそのウソを「歓迎」「歓喜」しはじめているという状況の背景には、そもそも「民主主義=デモクラシー」とはそういう代物なのだ、という真実があることを指摘します。

ただし、今日においては、過激な資本主義である新自由主義・グローバリゼーションを全肯定するような言説や、LGBTをはじめとした特定のアイデンティティを極端に肯定する全体主義的風潮に対する、各国庶民の不満が爆発する形で、それらを否定する政治家達に人気が集まっていることが、今日における特徴的状況であることを述べました。

いわば、「ウソ話にしか過ぎないタテマエばかりのエリートに対する庶民の反発」の形で、エリート達を(ウソでも何でもありの格好で)否定するトランプやジョンソンといったリーダー達に拍手喝采を送っていると言う次第です。

我が国日本の安倍総理にしても、戦後長らく日本の言論空間を支配してきた「平和憲法9条を金科玉条とするサヨク的なタテマエ」にうんざりした保守的庶民が、サヨクを批難する安倍総理に喝采を送っている、という構図があり、これもまた、トランプ人気やジョンソン人気と通底するものです。

ただし、こうしてトランプや安倍総理の人気が高くなるにつれ、ますます政治にウソが蔓延し、かえって庶民がさらに苦しむ羽目になる―――というのが、本特集のポイントです。

では、どうすれば、この悪夢のスパイラルを抜け出せるのかと言えば・・・

まずは、ウソばかりつくホシュ連中を否定するのみならず、
タテマエばかりでまともな議論ができないサヨク連中を否定することも必要です。

その上で、エリートと庶民を統合し、一つの国民国家としてまとまりをつくりあげ、「庶民を慮るエリート」「エリートを尊敬し、信託する庶民」という適切な関係を再構築する必要があります。

それこそ、国民統合を企図する「ナショナリズム」(国民主義)

つまり、この現状を打破するにもやはり、本誌で繰り返し取り上げていた「ナショナリズム」の復権が必要とされているわけです。

こう考えると、我々があれこれ考えている話は、(当たり前ではありますが)全て繋がっているわけですが・・・そもそも世界は有機体なわけで、全ての部分が全ての部分と繋がっている以上、そうなるのも当たり前だ、と言えるわけで、そうした全体を見据えた議論がなければ、どのような危機も乗り越えることなど不可能だと言うこともできるでしょう。

ついては、今日的な実践的問題を、思想的に全体を眺めながらながら、個別具体的に考えていくためにも―――是非共、表現者クライテリオン最新刊『ウソで自滅する国家』を、ご一読区ださい!

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こうした議論はさらに、「神社」論とも深く結びついています。是非、こちらもご一読ください。
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