表現者クライテリオン編集長、京都大学の藤井聡です。
表現者クライテリオンでは、毎月一度の講義を提供する「表現者塾」に加えて、大学での講義に準じた「ネット講義」や毎月の「読書ゼミ」を提供する
「表現者大学」
https://the-criterion.jp/academy/
をオンライン形式で開設しています。
今週の土曜日(2020年11月28日)は、表現者大学の参加者を対象の読書ゼミは、当方が担当してZOOMにて執り行います。
これまで
第1回(9/26)マキャベリ『君主論』(担当:柴山桂太)
第2回(10/24)福田恆存「一匹と九十九匹と」「快楽と幸福」(担当:浜崎洋介)
の二回を実施いたしましたが、今回当方が取り上げるのは、
西部邁著「知性の構造」
https://amzn.to/2J9TlUC
です。
この本は、平成8年(1996年)、西部邁先生が57歳の時にに出版されたものです。
この本は、西部先生のその他の書籍と大いに一線を画すもので、西部先生が認識する、文字通りの「知性の構造」を84枚もの図を使いながら描写したもの。
当方が読書ゼミでこの本を取り上げたのは、当方にとっての本書が、西部邁先生の代表著書だと認識しているからに他なりません。
当方が本書を読んだのは今からおおよそ20年ほど前の30代前半の頃。
今回の読書ゼミということで、その時以来、実に20年ぶりに本書を手に取りましたが、当方のこれまでの研究者、ならびに、言論人としての活動が、如何にこの本のイメージに大きく影響を受けたのかを改めて深く認識しました。
というよりもより正確に言うなら、この「知性の構造」それ自身というよりも、この書籍に描写されている、文字通りの「知性の構造」に基づいて生涯を賭して言論活動を展開された西部邁先生の「精神の有り様」そのものに、大いに影響されたのだということを、大いに認識したのです。
実際、久方ぶりに西部先生の書籍に目を通してみて、誠に懐かしい心持ちになりました。既に他界されて3年近くが経とうとしていますが、まさに他ならぬ西部邁から紡ぎ出されたあ言葉の有り様一つ一つに触れることで、まるで久方ぶりに西場先生とご一緒したような心持ちになった次第です(実を言いますと当方、西部先生の書籍には、先生の晩年の頃からほとんど目を通しては居なかったのです)。
こう書くとまるで西部邁という一人の人物の個人的な精神の有り様が書かれているだけで、本書「知性の構造」には普遍性が乏しく、今更読む必要などないのではないか――と思う方が出てくるかもしれませんが、実態は正反対。西部邁進の精神とはまさに、一般的な人間には到底到達し難い普遍性、さらに言うなら「真理」に近づくため「だけ」に七転八倒した挙げ句に鍛え上げられ、形作られたものなのであり、その「知性の構造」は、真理に到達するための効果的な道しるべ、あるいはクライテリオン(基準)を万人に提供するものとなっているのです。
今回の本ゼミにご関心の方は是非、
「表現者大学」
https://the-criterion.jp/academy/
へのご入会をご検討下さい(なお、表現者塾の塾生の皆さんは、表現者大学が提供するゼミなどにもご参加頂けます。ついては、表現者大学の講義やゼミに加えて、毎月の塾講演にもご関心の方は、表現者塾へのご入会もご検討になってください。
「表現者塾」
https://the-criterion.jp/seminar/
以上、よろしく御願いいたします。
追申:
「知性の構造」さえあれば、今の知事達のコロナ対策が如何に噴飯物であるかを容易くご理解頂くことができるものと思います。是非、ご一読下さい。
『重症者18人で自粛要請する鈴木北海道知事 ~コロナ対応病床を増やさないままに自粛要請する政府に、国民は怒らなくてもいいのか?~』https://foomii.com/00178/2020112112523273363
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コメント
改めまして表現者を創設なされた故・西部邁先生のご功績に深く感謝いたしております。そして西部先生が終生にわたり嫌われたのが、国際社会に派生して蔓延る偽善やら欺瞞だったと解釈しております。ちなみにわたくしもその思想には共鳴共感しており、僅かではあれ遅ればせながらも生ある限り、西部先生のご意志を受け継がれた関係者の皆様と共に、日本社会の強靭化に賛同して参りたい所存にございます。
西部先生は天国に旅立ったので、この地上で直接に語り合う事は出来ませんが、西部先生が遺してくれた著書を読む事で、疑似的に対話する事が出来ると思います。