2021.03.02
ご無沙汰しております、表現者クライテリオン編集長、京都大学の藤井聡です。本メルマガへの登壇が久方ぶり、となりました。
本日は、表現者クライテリオンが発行した
「抗中論~超大国へのレジスタンス~」
の特集号についてお話ししたいと思います。
本メルマガの読者の皆様の中には既にご覧になった方も未だの方もおられると思いますが、本日は、この特集号を発行した背景についてお話ししたいと思います。
そもそも、「表現者クライテリオン」という雑誌は「保守思想誌」と銘打っていますが、保守の根幹を一言で言うとしたら、「独立自尊」です。
独立の反対は従属、自尊の反対は自卑。
つまり、独立自尊とは、卑屈にならず自らに誇りを持ち、何者にも従属せず支配もされず、自らの生命、ないしは魂から発露される「こうなすべき」と考えたことに従い生きていくという様を言います。
しかし、これはなかなか難しい。
まずは自分を蔑む卑屈な態度があってはならない。自らの品位を信ずる誇りが無くてはならなりません。そのためには相当な自己鍛錬が必須。
しかも世間には、少しでも何らかの利用価値がある人物を目にすればスグに狡猾に利用してやろうとする輩が少なからず潜んでいます。
そういう狡猾な輩達は、権力、暴力に頼って脅してきたり、ニコニコして時に揉み手擦り手でもしながら近づいてきて上手に他者を利用しようとします。
したがってこちらが少しでも気を抜けば、「媚びへつらう」ことにもなってしまいますし、こちらが「欺されている」と気付かないうちに「欺される」ことすら十分あり得ることになります。
そうやって「媚びて」しまったり上手に「欺されて」してしまうことで、我々は「独立」を失うことになります。
例えばマスメディアのニュースやCM,あるいは、ネットやSNS等も皆、我々一人一人を、一人の人格をもった人間として扱うのではなく、タダ単に「消費者」や「有権者」として扱って、自らの利益の為に狡猾に活用してこようとします。そんな世間の薄甘い空気に絡め取られてしまえば、我々は独立を失っていることになるわけです。
この「平和」と言われる日本ですらそうなのですから、生き馬の目を抜く国際社会では他国を従属しようとしたり、狡猾に利用してやろうとしてくることは、もっともっと頻繁にそしてエゲつなく展開されます。
しかも、世界全体にいわゆる「市民社会」が存在していませんから、必然的に「軍事力」を活用した暴力的威圧が横行するのが常態。したがって、日本国内で一身の独立自尊が困難である以上に、国際社会野中で一国の独立自尊は極めて困難なのです(むろん一国の独立自尊のためには一身の独立自尊が前提条件であることは論を待ちませんが)。
・・・
以上が、本誌表現者クライテリオン、というか保守思想そのものにおける「常識」です。
で、その「常識」に従えば、アメリカのみならず、そのアメリカに匹敵しうる超大国と化しつつある隣国中国に対しても抗う「レジスタンス」の態度を持つ意外に選択の余地など何一つ無いということが瞬時に見て取れることになります。
にも関わらず、現在のリアルな日本国民達はその政府を中心として、尖閣への侵略圧力が年々拡大している中で対峙するどころか媚びへつらう態度に終始し、「貿易」にせよ「インバウンド」にせよ対中依存を年々拡大させる事に専心しています。
つまり我が国は中国に対して「独立」と正反対の「従属」の度を年々深めているのであり、「自尊」を失い「自卑」に基づく「媚態」を見せつける状況に堕落し続けているのです。
これでは「生きている」とは決して言えません。
何と言っても、「自らの生命、ないしは魂から発露される『こうなすべき』と考えたことに従い生きていく」という生こそが唯一生きるに足る生である以上、従属や媚態に塗れた生が生きて行くに足る生だとは到底言い得ぬものだからです。
本特集は、そういう我々の「常識」に基づき、今、この状況下で、中国に対して如何に抗うべきなのかを中心に論ずるものです。
ですが繰り返すまでも無く、抗うべき対象は別に中国だけなのでなく、我が国日本を精神的肉体的、そしてイデオロギー的潜在意識的に屈服させんとするあらゆる勢力に対してなのであり、今回の「抗中論」はそうした独立自尊を目指す生のあり方を模索せんとする小さな試みの一つに過ぎません。
是非、一人でも多くの国民の皆様方に本誌クライテリオンの特集号
『抗中論~超大国へのレジスタンス』
にお触れいただき、一身の独立自尊から一国の独立自尊を目指すという物語にそれぞれのお立場において多かれ少なかれ、身を寄せていただきたいと願っております。
どうぞ、よろしくお願い致します。
追伸:
「一身の独立」が出来ず、ただただ他者に媚び続ける輩どもが、「政府」という権力装置の中でどれほどおぞましく腐敗し続けるのか、そしてその帰結として、国益がどれほど激しく毀損するかを改めて描写しました。是非、ご一読下さい。
「ワクチン接種」は予定通りには絶対進まない ~菅長男接待に象徴される菅“腐敗”政権がまともに機能する事などあり得ない本質的理由~
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コメント
藤井先生お疲れさまです。私はいつも国民国家を意識している為にアマゾンに頼ることはなく、地元の書店で社会観察も兼ねた上で正規の価格で購入しております。
それにしてもどこもかしこも深刻な問題だらけで嫌になりますが、特に大阪府民は大阪を牛耳る【維新の会】のバカさ加減に限界を突き付けるべきですね。
即刻いわずもがなで都構想しかり、先日も例の浅ましい弁護士による入れ墨の寝言といい、さらには年末にあった【チャンピオン】の自覚すらない井岡の入れ墨問題といい自治体の指導者がバカ過ぎるから社会が、これだけ乱れちゃうわけで、常識に乏しい吉村洋文も松井一郎も足立康史や馬場伸之なんかも公職者の資格すらない最低の【カス】ですよね!!
まぁコイツらには典型的な、ものの哀れだとか愛する慈しみだとか人生の儚さは、露ほどにもない無縁の存在だから低次元の【身を切る改革】のパフォーマンスに明け暮れているわけで、役人だった足立康史がコレですからもう終了してますね!