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【柴山桂太】動乱の年の只中で――信州学習会「グローバル化時代の戦争と日本の選択」第1部イントロダクション

柴山桂太(京都大学大学院准教授)

皆さんこんにちは。表現者クライテリオン編集部です。

いよいよ開催が来月(8月20日)となりました信州学習会「グローバル化時代の戦争と日本の選択」の第1部のイントロダクションを柴山桂太先生にお書き頂きました。

関心を持たれましたら、是非ご参加のお申込みをお願いいたします!

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こんにちは。京都大学の柴山桂太です。


「動乱の年の只中で」

参院選は与党の勝利に終わりました。次の国政選挙まで三年ありますので、岸田首相は(順当にいけば)今後三年は政権を安定的に運営できます。しかし、この三年が何の波風もなく過ぎるとは思えません。国際社会が猛烈な嵐に見舞われているからです。

二月に始まったウクライナでの戦争は、長期化が予想されています。原油や天然ガス、原材料や食料などの価格が歴史的な高騰を見せており、世界経済はこれから波乱含みです。

アメリカや欧州が利上げを急いでいるため、世界的な景気後退のリスクが高まっているのみならず、新興国の経済危機など予期せぬショックの発生も懸念されています。

何より重要なのは、東アジアの国際情勢が緊迫の度合いを増していることです。東欧・ロシアでの戦争が、東アジアにも飛び火するのではないか。歴史を振り返ると、これは単なる杞憂で終わりません。

過去、グローバル化の時代は必ず大国間の戦争によって終わってきました。最初は局所的な地域紛争に始まり、他の地域の紛争と連動していくことで、大国を巻き込む大きな戦争に発展する。今から一〇〇年前の世界がまさにそうでした。

グローバル化は、歴史上、何度も繰り返されていますが、その都度、大きな革命や戦争によって断絶を余儀なくされました。貿易や金融、技術や情報が国境を越えて自由に行き来する時代に、なぜ国家と国家の対立が激しくなるのか。今回の勉強会では、第一部の私の講義で、この大きな問題について詳しく論じてみたいと思います。

第二部では、文芸評論家の浜崎洋介さんとの対談が企画されています。浜崎さんとは、これまで一〇年近くにわたり、さまざまな問題について議論を重ねてきました。

そのほとんどが、東京の、あるいは京都の酒場で、個人的な付き合いの中で行われたものですが、今回は聴衆の皆さんと一緒に、昨今の国際情勢について、また文学や思想の古典と現代についてお話できるということで、とても楽しみです。

信州で開催される当学習会は、今回が三回目とのことです。美しい自然と豊かな文化を持つ信州で、講師陣と参加者を交えた活発な議論がおきることでしょう。

この動乱の時代の只中で、政治・経済から社会・文化に渡る幅広い分野で、深刻かつ楽しいやりとりができる会になればと祈念しております。ご興味のある方は是非、ご参加ください。

https://the-criterion.jp/symposium/8-21/


クライテリオン編集委員 柴山桂太

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