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【藤井聡】本日発売! クライテリオン最新特集「インフレは悪くない、悪いのは低賃金だ!」 是非ご一読ください。

藤井 聡

藤井 聡 (表現者クライテリオン編集長・京都大学大学院教授)

こんにちは。京都大学の藤井聡です。

表現者クライテリオンの最新刊が本日、発売となりました! 今回の特集は、

「インフレは悪くない、悪いのは低賃金だ!」

啓文社 :https://the-criterion.jp/subscription/(10% off)

アマゾン:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CCXCPD6G

これは、とかく皆に嫌われるインフレですが、インフレには実は良いところもあるのであって、完全な悪者扱いをしてはいけない賃金が上がるように仕向けれることができれば、インフレは素晴らしいことなのだ、という点を、様々な論点から徹底的に論じた特集です。

要するに今のインフレは、資源や食料などの輸入品が高騰したことで導かれたもので、「悪い」側面があることは間違いない(要するに、コストプッシュインフレ、という奴です)。なぜなら、消費者が物価高騰で余計に払ったおカネは基本全て外国に流れ込み、日本人の賃上げには直接は貢献しないからです。ですが、今のインフレですら善い側面があります。

第一に、あらゆるモノが上がり始めると、労働市場のサービス対価、つまり「賃金」も上昇するからです。実際、賃上げが今、進んでいます。もちろん物価上昇率の方が高く、実質賃金は下がってはいますが…それでも、名目だけでも賃金が上がるのは良いことです!

第二に、物価が上がると、消費者が価格が上がることに慣れ始め、その結果、各業者は物価を上げやすくなる、という循環が生まれます。その結果、デフレで無理していた業者は適正な価格を付けやすくなると同時に、賃上げもしやすくなるのです。その結果、さらに賃金も上昇する傾向が生まれます。

第三に、物価が上がると、おカネを持っている人達は「今使わないと損だ」と考えるようになり、現時点での消費・投資が拡大することになります。なぜなら放っておくとどんどん、物価が高くなって、買えるものが減っていくからです。

 これは、「今使うより、物価がもっと下がった将来に使う方がもっと得だ」と考えて、現時点での消費・投資を冷え込ませるデフレ(物価下落状況)状況よりも、ずっと望ましい状況です。要するにデフレからインフレになるだけで、消費・投資が拡大し、内需が拡大する傾向をもたらすのです。その結果、その拡大した内需は賃上げを必ず導く事になります。

この様に、インフレには、その「原因」が「コストプッシュ」(輸入価格高騰)という「悪いモノである側面があったとしても、その「帰結」には、上記3つの理由を通して賃上げをもたらす「善いモノ」である側面もあるのです!

これは、例えば、「実は良い奴だけどちょっとやんちゃな、クラスのヤンキーの様なもの」です。

クラスのヤンキーと言えば、授業中ウルサいし、威圧的だし、とかく一般の生徒にとってみれば迷惑なモノ、であることは間違いありません(それはちょうど、インフレが一般の消費者にとっては嫌なものだ、というのと同じです)。

ですが、ヤンキーは一般の生徒と違って、気合いが入ってるし気概もあるし、何と言っても元気がある。だから、そこに良い担任の先生がいて、上手にヤンキーのその元気さを良い方向に活用することができれば、クラスはもの凄く元気な良いクラスになる。クラスが一丸となって文化祭でも体育祭でも、めっちゃ良い結果を残すことができるし、何と言っても、一般の生徒達も良い思い出がたくさんできることになる。

ところが、そんなヤンキーを、そのクラスの担任がただただ邪険に扱って、高圧的に押さえつけようとすれば、ただ単に暴れ出して、授業が妨害され、学級が崩壊する状況にもなってしまう。

それと同じように、今の「インフレ」も、そのインフレの「元気さ」を担任の先生たる岸田総理大臣が上手に「活用」し、悪い方向でなく良い方向に導くことができれば、一般の消費者や労働者を含めたあらゆる国民が豊かになる、素晴らしい帰結を得ることができるようになる。

じゃあ、岸田総理が金八先生や千八先生の様に、良い先生として振る舞うにはどうすればよいのかと言えば、要するに、海外に余計に流れ出るおカネはすべて政府が(国債発行に基づいた)国費でまかない、消費者がインフレの為に支払った全ての出費が、国内に環流する様にすれば良いのです。

そうすれば、自ずと賃金が上昇する事になるのです。

これだけ資金が海外に流出している状況ですら、今、名目賃金が上がり始めているのですから、その流出分を全て国内に環流させることができれば、賃上げは大きく加速することは確実です。そして、物価上昇率を超えて賃金は上昇し、「実質賃金」も上昇する事になるのです!

ところが…恐るべき事に、我が日本の「担任の先生」たる岸田文雄総理は、ガソリン代や電気代の高騰分を肩代わりする補助金を、今まさに、打ち切ろうとしているのです。それどころか、PB赤字を27兆円規模で縮小して、国民からさらにカネを巻き上げようとしているのです。

これじゃあ、自分の事ばっかり考えて生徒の事なんてな~~~んにも考えない、自己チューなだけの最低最悪のサラリーマン教師と一緒。

そうなればヤンキーは暴れだし、周りのクラスの生徒に迷惑をかけ、学級崩壊が導かれてしまう他有りません。

…それほどに、総理の椅子というものは重い責任がかけられた椅子なのです。

そもそも先生とは聖職

だとしたら、総理大臣はその何万倍も何億倍もの凄まじい責任を負った聖職なのです

にも関わらず、岸田文雄はその意識は皆無、としか思えませんね…。

そんな岸田氏が今何をすべきなのか…それをじっくりと考える為にも是非、

「インフレは悪くない、悪いのは低賃金だ!」

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を是非ご一読ください!

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