『表現者criterion』メールマガジン

【藤井聡】左右共闘の大阪の「反・維新」運動は、ブレグジットや黄色いベスト運動の世界史的先駆けである。

From 藤井 聡(表現者クライテリオン編集長・京都大学教授) 

今、大阪では、市長と知事が同時に辞任して、
党利党略のために入れ替えてダブル選を行う
「投げ出しスワップ」選が決定しました。

その争点は、「維新」が主張する
大阪都構想、と呼ばれるもの。

これは、4年前に一度、
住民投票で否決されたものなのですが、
またぞろ持ち出されている、と言う次第です。

しかし、この「大阪都構想」は、
名前とイメージだけは何と無く良いものなのですが、
その中身は、大阪市民にとってはもうメチャクチャなもの。

例えば4年前、住民投票の三日前に書いた
こちらの記事をご参照ください。

大阪都構想は、マジで洒落にならん話(1)
 ~賛成する学者なんて誰もいない編~
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/43312?page=1

これを見ていただければ
お分かりいただけると思いますが、
学者の世界ではホントに都構想なんて、
誰も相手にしない、トンデモ論なわけです。

賛成する学者も一部いたのですが、
それも単なる「訳アリ」・・・なんですが、
(詳細は上記記事、ご覧ください)
困ったことにそんな「訳アリ」の学者達の方が、
メディアや発言力があったものですから、
市民が混乱してるわけです。

「構造改革」や「消費増税」を巡る
メディア・世論状況と全く同じ状況が、
ここでも繰り広げられている、という次第。

・・・

ところで、そんな「訳アリ」な肯定論の一つに、
こんなものがあるようです。

大阪ダブル選「自公と共産が共闘」に感じる多大なる違和感
これはもう「大阪珍百景」と呼ぶしか…
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63583

この論者は、自民党と共産党の共闘が、
「陳百景だ」と主張しておいでですが、
実は世界的にみれば、これは珍しくとも何ともない、
当たり前の話になりつつあります。

例えば、2018年から始まった
フランスの「黄色いベスト運動」

これは、マクロン大統領の「緊縮・改革」路線に対する
フランス「国民」の反発ですが、
そこでは、右も左も関係なく、
極右や極左が「共闘」しているのです。

そもそも、「緊縮・改革」路線のマクロンたちは、
「国民」でなく、「大企業や政府組織」の味方。

それに対して、右や左も含めた全ての「国民」が、
反発しているという動きなのです。

2016年のブレグジットも、全く同じ。
右や左とは無関係に、
「左右両翼を跨ぐ欧州懐疑派」
の後押しされた実現したのがブレグジットです。

こう考えると、
2016年の英国のブレグジットや
2018年の仏の黄色いベスト運動の先駆けとして、
2015年に大阪で「都構想否決」運動が巻き起こった、
と言えるわけです。

だから、左右が大阪都構想で共闘するのは、
珍百景でも何でも無く、
今の世界の潮流そのものなわけです。

それを「珍百景」と、揶揄してしまうのは、
そうした「世界の大局」が見えていないからに他ならない、
と言う他ありません。

とはいえ、残念ながら、今の日本では、
そうした「世界の大局」が見えているインテリなんて、
ほとんどいないのが現実。

そもそも大阪の「維新」勢力は、
思想的に言えば、
マクロンやEU推進論者達と全く同じ
「緊縮・改革」論者。

大阪府市を統合する「都構想」は、
大阪における「EU統合」の様なもの。

だからそれは、
イギリスの主権を奪い取ったように、
大阪市民の自治を奪い取るものなのです。

したがって万一都構想が実現しても、
大阪市民は、イギリス国民と同様、
「離脱」=「都構想」破棄を願うことになるのは、
歴史的な必然なのですが・・・・
それを理解する論者は、
情けない事に日本にはほとんどいないのです。

・・・とはいえ、今、大切なのは、
そんな学者やインテリの論争ではありません。

今求められているのは、
大阪の人々の「肌感覚」であり「嗅覚」

要するに、英国人やフランス人が
EUやマクロンを「なんか、うさん臭いなぁ」と思った様に、
都構想やその推進派を「なんか、うさん臭いなぁ」と思えるかどうかが、
問われているわけです。

2015年は確かに、大阪には、
うさん臭いもの(=都構想)をうさん臭いと思う
「嗅覚」が確かにあったわけですから、
今回もそれができる筈なのです。

大阪の有権者の、まっとうなご判断を、
心から祈念いたします。

追伸:都構想についてご関心の方は、まずはこちらを、少しだけでもご覧ください。結構分かりやすくまとめられています。大阪の方には是非、ご紹介差し上げてください。
http://osakar.jp/?fbclid=IwAR3Gj53jgSt-2osF1bUqKEjU0wMo7EnKs0NYSv7QxQylOJJcj4YH-eA33D4

執筆者 : 

TAG : 

CATEGORY : 

コメント

  1. 普通の疑問だが承認されない気がする より:

    広告だったけどこういうのって選挙違反とかどないなん?

  2. はっちゃん より:

    あるお正月の席でニヤニヤしながら「これ言ったらコイツ(私のこと)何も言えなくなるで・・。みんな聴きや。自民党って共産党と手組んでるんやもん。フフフン。」と、バカにした様子で言ってきた人がいました。
    高橋氏の記事も上記とだいたい同じぐらいのレベルだとお見受けしました。
    人をバカにするにも根拠が必要だと思います。
    根拠のない嘲りは言った人の程度の低さを露呈しているだけではないかと思います。
    「この人、なんで勝った気になってるんだ?(笑)」と思ってしまいます。
    ところで維新の出直し選に、私2つのポイントを見出しました。
    ①目玉政策は大阪市を廃止解体すること。
    ②彼らが再選された時に永く「権力の座(by松井氏)」に居られるように市長と知事を取り替えて出馬していること。
    ①だけでも住民のことをかなりナメているなと私は感じるのですが、それよりも②の方がナメ方がわかりやすかったのか、珍しくマスコミの論調が維新に厳しく見えます。
    彼らが住民をナメ切っているということがB層にもバレたということで、今回は
    「住民をナメきった政治家と住民をナメていない政治家との戦い」
    という構図にも見えてきました。
    ①の大阪市廃止解体について「大阪の市街地がなくなるわけではない!(これもだいぶナメてるな・・。)」とか言う人がもし居たとしたらお尋ねしたい。
    (あくまで例ですが)「離婚したらこの家族がなくなる」と言っている人に「でも父ちゃんや母ちゃんや私たちがこの世からいなくなるわけではない」と言い返すのですか?
    絵本からやり直した方が良いかもしれませんね。マジで。
    「本当に大事なものは目には見えないんだよ。(by星の王子様)」

  3. 拓三 より:

    あっ ! 連投で申し訳ない。掻きたい…失礼 ! 書きたいこともう一つ御座います。

    政治で自殺者が減少した事と経済を絡める世間知らずの学者をたまに見受けるんやけど確かにそう言った関連性はある。でもね、これデフレ時とインフレ時のグラフの見方が変わるのと同じ様な現象がここで起きるんよ。
    そもそも自殺って人間しかしない訳よね。犬や猫が首吊ってるのん見たこと無いし。つまり人間性があればこそ起きる現象な訳よ。自らが本気で死を選ぶ理由は「誰にも必要とされていない孤独感」からくるんよね。犯罪も種類で分けれるんよ。例えば強盗する奴の大半んが飯食うのに困ってやってる奴殆どおらん。大抵は贅沢して女にモテたいとか家族を養う為とか、何らかの未来像がありそこには人の繋がりが有るわけよ。これも一種の人間性な訳よね。だから就業率を上げる事すなわち「必要とされている実感」を作る事は利にかなった政策な訳。

    でもね、これ人間性があれば、の話なのね。
    人間性が無くなれば自殺はしません。人間性が無くなれば強盗も減ります。でもその反面、増加するものが御座います。これが男の醜い本能である弱肉強食、つまり弱い者への攻撃と強い者からの逃亡(媚び)。そうです。「幼児虐待」です。この最も醜い犯罪増加は自殺、犯罪の増加よりもっと社会が深刻に壊れはじめている事を裏付けている数値である事すら解らないインテリが何が算数か ! 絶対的定数無しに何を算数してるか ! で御座います。

  4. 拓三 より:

    なんか連投で恥ずかしいのですが掻きたい…失礼、書きたいので書きます。大阪の事なので。

    分かりやすーく言うと、都構想を支持する男は己の欲求だけを満たそうとしている最低な男。都構想を支持している女は簡単に男を乗せるケツ軽女で御座います。

    そもそも新自由主義的(都構想)発想って男が欲求だけを満たせる女性を口説く時に使っていた文句と構成が瓜二つ ! これカルト宗教も同じやねんけどネ。まずやることは繋がりを分断、ナンパならお連れの友達との距離を離し個人にする。個人にしたところで個別の人間関係を作ります。手っ取り早いのは人の悪口(芸能人でも何でもいい)。次に友達との比較を匂わしながらその女性を「誉める」。(真っ当な女性なら友達を貶した時点で怒ります)これがクリアー出来れば本格的に友達との分断工作 ! 嘘でも何でもいいので相手が言ってもいない事(怒ること)を吹き込みます。それと同時に「私は貴女の味方です」を演じる。そして貴女の嫉妬であろうが妬みであろうがどんな醜い考えであろうと尊重し「個人の自由」を認める懐の深い人間だと相手に思わす様に己をもっていきます。ここまでくれば後は…..

    ただし、この女性とは付き合いませんけどね。付き合っても短期で終わるよ。そもそも人間性のある男ならば友達と比較した時点で怒る女性を選びますし、女性(人)にたいしてこんな邪道な駆け引きはしません。人間性を作り上げた人ならば。若い時はしゃーないけどネ。

    * これはフィクションであり、けっして、けっしてポンコツやどこかの政党をイメージしたものでは御座いませんw

拓三 にコメントする コメントをキャンセル

コメントは承認制とさせて頂いております。
メールアドレスが公開されることはありません。
* の項目は必須項目となります。

メルマガ最新記事

啓文社書房/株式会社啓文社

本社
〒160-0022 
東京都新宿区新宿1-29-14 
パレドール新宿7階
TEL
03-6709-8872
FAX
03-6709-8873