『表現者criterion』メールマガジン

【藤井聡】日韓揉めて、ドツボにはまる日本外交 ~「真の敵」と媚びずに闘え!~

From 藤井 聡(表現者クライテリオン編集長・京都大学教授) 

こんにちは、表現者クライテリオン編集長、
京都大学の藤井聡です。

ご案内の通り、
今、日韓外交が大きな問題になっています。

この問題については、日本国民の多くは、
あまりの韓国の理不尽な振る舞いに辟易すると同時に、
河野外相や、安倍総理の、
韓国に対する「強気」の姿勢について、
支持をしているようです。

当方も、韓国の振る舞いについては、
心の底から「うんざり」しています。

・・・が、実を言うと、
当方がそれ以上にうんざりしているのは、
「日本外交の情けなさ」・・・です。

なぜなら、自分より「強い」相手には、
尻尾を振って媚びるくせに、
弱い国には高飛車にでる・・・・
という振る舞いは、情けない事この上ありません。

しかも、
そんな「高飛車」な振る舞いによって、日本は

回避できたはずの「ドツボ」

にはまってしまってもいます―――。

といったあたり、今週のラジオ;

藤井聡のあるがままラジオ
「日韓揉めて、ドツボにはまる日本外交」
https://www.youtube.com/watch?v=ZUx1UnbjPBg

にてお話差し上げましたが・・・

この問題、
韓国に対して感情的にイラついている方も多く、
基本的な論理の構造について
「誤解」
している方も多いようです。

ついては今回は、
ここで改めて解説差し上げます。

まず、事の発端は、
韓国でいわゆる「徴用工問題」について
日本企業が訴えられ、敗訴し、
資産を差し押さえられたことでした。

これに対して日本政府は、
「国際法違反の異常な事態」
だと強く反発。
https://www.youtube.com/watch?v=96k0b1Ehc8E

こうした韓国の振る舞いは
日韓が取り結んだ
請求権協定に違反しているから、
というのが、日本側の反発の理由です。

そんな中、日本政府は、
この徴用工問題とは別の問題を取り上げ、
韓国を「ホワイト国除外」します。

すなわち、
韓国が日本からの輸出の管理が不適切で、
日本からの輸出品が北朝鮮等に違法に
回されているリスクがある―――
として、韓国への輸出についての規制強化
(実際は、特別措置を一部廃止)したわけです。

日本の公式見解では、
このホワイト国除外は、
徴用工問題と無関係だ、
という事になっていますが、
誰もがこれを「報復」と認識。

事実、これは事実上の報復だ、
という声が政府中枢から漏れてきていました。

当然、これに対して、韓国は猛反発

結果、軍事的な協定であるGSOMIAを破棄しています。
一部ではこれを、
日米韓軍事共同体からのコリア(韓国)の離脱として
「コレグジット」などと呼んでいます。

・・・まぁ、なんともメチャクチャな話です。

日本人にしてみれば、
韓国の主張は「請求権協定」違反だし、
かつ、ホワイト国除外は、報復じゃない、
って言うのが公式見解なわけで、
韓国の主張は、
単なる言いがかりに過ぎないわけです。

なので今、
「こんなムカつく対応をする韓国」に対して
厳しい対応をしている安倍総理の人気は上昇、
過去三年で最高の支持率に達しています。

・・・・

以上のようなに、
今回の件を理解している国民は多かろうと思います。

ですが、外交、というものは、
ホントにややこしいのです。

だから中途半端な「腹いせ」は、

最悪の「ドツボ」

を導き得ます。

何と言っても日本は、
韓国からも、ロシア・北朝鮮・中国からも、
そして、過去のしがらみからも、
永遠に逃げられないからです。

だから、相手に打撃を与えるのなら、

「広域的、長期的、大局的な視野を忘れず、
覚悟と勇気をもって打撃を与える」

ことが必要なわけです。

しかし―――
今回の対応が、そうした振る舞いであったとは
到底思えません。

第一に、政府は公式には、
「報復」だとは言ってないにも関わらず、
周辺から報復だと見なされ、
韓国から激しい怒りを買っています。

どうせそう思われるなら、
正々堂々と「報復」した方が
まだマシだった
とすら言えるでしょう。

何と言っても、「これは報復ではない」
というような「せこいロジック」は、
せいぜい日本国内でしか、
通用していないのですから。

第二に、今の日韓問題の直接的原因は、
政治運動家である「ムンジェイン」が
大統領に居座っているからです。

彼さえ退任すれば、
事態は今よりも改善する筈ですが―――
今回の安倍内閣の対応で、
ムンジェインは逆に支持率を上げました。

つまり最悪の大統領に
「塩を送る」結果となったのです。

だから、ホワイト国が問題だったのなら、
絶対に「報復」と「誤解」されないように
すべきだった
のです。

どうせ、報復と「思われる」のなら
正々堂々と「報復」すればまだマシだ、
というのは、先に指摘した通りです。

第三に、この韓日の亀裂(コレグジット)は、
北朝鮮、ロシア、中国外交を、
結果的に利することになり「得る」のです。

そもそも「朝鮮半島・南部」は、

1)北朝鮮にしてみれば、
自身主導で統一したい土地であり、
2)ロシアにとってみれば、
歴史的に「南下政策」の対象であり
3)中国にとってみれば、
長年、影響圏下に起きたいと願っている地

つまり、今回の「腹いせ」は、
日本国民の溜飲を下げ、
安倍内閣の支持率を短期的に上げることに
確かに貢献しましたが、
その代わりにとてつもなく大きな代償
払いつつあるのです。

本来、我々日本が対峙すべき国は、
韓国ごときの「小物」だけではりません。

我々が真に対峙しなければならない国は、
国民を拉致し続けている「北朝鮮」であり、
北方領土を奪い取っている「ロシア」であり
尖閣を狙い続けている「中国」であり、
日本を保護領統治し続ける「アメリカ」なのです。

にも拘わらず日本は今、
北朝鮮には無条件で対話すると言い、
ロシアには新しいアプローチで経済支援すると言い、
中国には一帯一路に協力すると言い、
アメリカには貿易交渉
ほぼほぼ言いなり状況になっています。

つまり、自分よりも弱い韓国には、高飛車にでて、
自分よりも強そうな諸外国には、
韓国よりももっと酷いことをしているのに、
「ニコニコと尻尾を振る」ような対応に
終始しているわけです。

で、その結果、
日韓の国民感情を悪化させるだけでなく、
最悪のムンジェインの人気を高めて延命させ、
コレグジットを誘発し、
潜在的な敵対国家である露・中・朝を利しているわけです。

要は、現政権の選挙対策のために、
日本国家はドツボにはまりつつある、
というお話し。

これを情けないと言わずして、
一体何を情けないと言うのか―――
という事を、ラジオでお話し差し上げたわけです。

外交問題は大局的に考えねばなりません。

ただムカツクから悪口を言ってれば良い、
という話ではない
のです。

是非、一度、じっくり当方のラジオ
「藤井聡のあるがままラジオ」
をお聞きになってみてください!
https://www.youtube.com/watch?v=ZUx1UnbjPBg

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コメント

  1. 新社長 より:

    とあるビジネス本を読んでいた時に、ふっと気が付いたのですが、
    安倍首相は確かサラリーマン出身ですよね。
    大企業の世界で、大企業サラリーマン社長が社業を傾かせることがよくありますが、それと同じことが、日本国社長たる安倍首相の下で行われている気がしてならないのです。
    今回の対韓国の対応に関しては、目の前の得点稼ぎだけに目を奪われ、上から俯瞰した外交戦略ができてない気がしてならないのです。サラリーマン上がりにありがちな対応をしているようでは、この先非常に危険な気がします。

    単なる直感ですが。

    ちなみにこれを読まれている方にお断りしておくと、別にサラリーマンが悪いと言うつもりはありません。

  2. 学問に目覚めた中年。 より:

    先月の選挙から安倍政権の立ち直りをひそかに期待して、コメントを控えておりましたが、藤井先生の良識ある健全な国民目線の行為に共鳴して一転、コメントする運びといたしました。その真相は安倍政権の軸のない外交姿勢にもあらわれております。それから安倍政権を擁護している保守派の姿勢にも、かなりの問題があり、とても看過出来るものではありません。先ず安倍政権下で無理やり日韓慰安婦合意をして十億円払っていることも藤井先生がおっしゃっているドツボの要因です。それから安倍政権擁護派については、木を見て森を見ず姿勢に憤慨しており、先述と同じドツボに当たります。この二点だけでも酷いあり様で、正義面した大言壮語そのものと認識しております。

  3. 斑存・フォード より:

    >日本からの輸出品が北朝鮮等に違法に回されているリスク

     このニュースが撒かれた頃から思っていたのですが、それって今になって起こっていたことなのかぁ?が皆目不思議でした。元々から在ったリスクを今更取り上げただけではないのだろうか?と(ワシゃ今なんとか豪雨の恐怖から逃れられたのか?わかりませんが今更メルマガ読みましたントン)。
    考えてみると政府がどんなに叩かれようともマスコミはこの問題や年金問題で消費増税の話題を縮小してくれさえすれば、どんな馬鹿ネタでも提供しそうな気がしてしまいました。
    そしてえずかった(怖かった)豪雨でさえもまさかネタに仕分けしたんじゃなかろうか、とも思えて末恐ろしくなってしまいました(それはワシが馬鹿なんでしょうが東シナ海に在ったと言う台風が熱帯低気圧だったり日時は経過したのに台風のまんまだったりする(TV局や番組により替わる)気象解説には納得がいかなかったりします。朝鮮みたいに統一してほしいントン)。

    ムンジェインとキムジョンウン・・・親が北朝鮮だから音感的に似ているんですかね。そう言えば北朝鮮の核廃棄物がどうのとかニュースが言ってたけど、そんなん言ったら米露中の核大国はどうなん?チビのロケットマン北朝鮮に文句言ってる場合なんでしょうか?。
    そう言えばまたあの韓国女教授役?さんがメディア復活していました。どうでもいいけど。

    思いますけど、温暖化はフェイクと宇宙軍創設を言った不動産やさんのトランプさんは、ほぼ国内需要(太陽系外惑星不動産を考えているのかもしれない?)やさんだと思うんですよ。彼と完全に一致しているなんて、グローバル詐欺だとしか思えません。

    また思いました。ハリケーン・カトリーナの被害地区(米の何処の州か忘れた)に、教育バウチャー制度(パソナークロー竹中が推進)を導入させたショックドクトリンの話を解説された(横でちょっとそれは…と呟いた人物は誰か忘れた)中野剛志さんの十年前のch桜の動画を。

    まったく統一してないバラバラな書きなぶりになりました。失礼しました。

  4. 小笠原健三郎 より:

    ラジオでは、尺の都合上、伝わらなかった部分は理解出来ました

    確かにラジオでは、私も韓国に対して【無視】しろ的な意味だと思い、「それはどうかと?」と思いました

    私も、やるなら中途半端では無く、【制裁関税】や【在日コリアンの強制帰国】や【日本に有る韓国系資本の凍結】程度はやるべきでしたし、それこそ日本が経済回復して、外交的なプレゼンスを回復しなければ、この様な外国的な強攻策も取り難いのですよ

    故に、安倍内閣は問題が多いと言えますし、日米2国間貿易協議にしても、外交的な失敗続きで有ると言えます

    藤井先生のお考えは分かりました

    矢張り、景気回復して、強い日本の回復【富国強兵】を成し遂げない限りは、日本の本当の独立や未来は有りませんし、既に20年々以上前から、故浜田幸一議員が、『日本はアメリカ様の属国』と、テレビで永遠と仰有っていたのですから、いい加減日本国民は、この現実と向き合わなくては成りません

    進撃の巨人は、現在日本をモデルにしたファンタジーですが、今の日本が巨人に囲まれて、弄ばられている人類と同じである事を、日本国民は、是非ともご承知おき願いたいと思いますね

  5. 呉越同舟 より:

    長々言ってるけど要は日本は韓国が何しても一切反撃するなと言いたいわけね
    なんではっきりそう言わないの?

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