今回は、『表現者クライテリオン』で毎号掲載しているコラム【鳥兜】を公開します。
2021年5月号の2つ目のタイトルは「お為ごかし徹底批判のための真摯な勇気を」。
全文公開しましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
『表現者クライテリオン』では、毎号の特集のほかに、様々な連載も掲載しています。
興味がありましたら、ぜひ本誌を手に取ってみてください。
以下内容です。
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洋の東西を問わず男性はしばしば女性の気を引くために「良いかっこ」を付ける。中には人を思いやる気持ち等何ら持ち合わせてはいないにもかかわらず、気を引きたい女性に対して「だけ」あからさまに優しくしてみせる輩もいる。
その最も典型的なケースは無論「結婚詐欺」と呼ばれるものだが、そうした結婚詐欺と構図を共有する振る舞いを、男が女に対して、そして女が男に対して様々に繰り返しているのがこの娑婆の世界だ。
昨年から始まったコロナ禍。このコロナ禍にまつわる公人達の振る舞い程に、そうした結婚詐欺と同様の単なる白々しい「ポーズ」を目にする機会が増えたことはかつてなかったのではないか。
小池知事や吉村知事を代表とする全国の知事連中や菅総理をはじめとした政治家達、テレビの情報番組・ワイドショーの司会やコメンテーター達、そして何より、医療界における「専門家」達――彼らは皆一様に、国民の生命と幸福を慮っているかのような言説を深刻な表情をしながら発し続けている。
しかし、彼らの振る舞いが先の結婚詐欺紛いの白々しい「ポーズ」の類いであることは彼らの言動を概観すれば否定しがたいのが実情だ。
そもそももしも彼らが本当に国民の幸福を慮っているとするなら、コロナ対策と称して実施される時短や自粛等の取り組みの「有効性」、ならびにその「副作用」に対して重大な関心を寄せるはずだ。
事実、アビガンやレムデシビル等の「医療的」コロナ対策については、その「有効性の存在」と「副作用の無さ」が様々に検証され、認められた場合においてのみ認可されるという仕組みが整えられているのがその証拠だ。
にもかかわらず彼らは、自粛等の「社会的」なコロナ対策についてだけは、そうした慎重さを一切持ち合わせてはいない。
しかし現実を見つめれば見つめる程に、自粛の感染症抑止「効果」は(皆無とまでも言わずとも)限定的である一方、社会経済破壊という深刻な「副作用」があることがいとも容易く見て取れるのが、私達が今置かれている状況なのだ。
そうである以上、国民の生命や幸福は、彼らの眼中に一切無いと言わざるを得ない。そしてだからこそ、彼らの「自粛」を要請する言説は偏に、それによって国民からの批判を避けるだとか人気を得るだとかの利益を得たいという意図に基づくものだと断ずる他に解釈の仕様がないのである。
無論、他者の振る舞いの「意図」を断ずるには、他者の「意図」を証明し尽くすことが原理的に不可能である以上、一定の慎重さが必要だ。とはいえ、彼らの自粛要請が我々国民の行動に関するものであるからには、我々にはその「意図」を吟味する「義務」がある。
「お為ごかし」によって「こかされる=欺される」ことがあれば、巨大な禍根を社会的、そして、長期的に残すことになるからだ。
だからこそ、我々は今、知事達やコメンテーター達の言説が結婚詐欺紛いの単なる「お為ごかしのポーズ」に過ぎないとの疑義が重大に存在する状況においては、それらは単なるポーズに過ぎぬのだと「断罪する義務」を持つのである。
かくして今我々日本国民は、政治家や専門家などの公人達の振る舞いに「誠」を見いださんとする意志を適切に持ち合わせているのかどうかが、問われているわけだ。
もしも我々にそうした意志が不在であるのなら、異性に欺され続ける悪夢のような人生から死ぬまで逃れ得なくなるように、我が国はこのコロナ禍によって加速した悪夢から一歩たりとも抜け出し得ないのである。
(『表現者クライテリオン』2021年5月号より)
→1つ目のタイトル「スガノミクスが地方を滅ぼす」も読む
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コメント
鳥兜から藤井編集長の対談を拝読しまして、想像する範囲で捉えると哲学者のオルテガは藁をもすがる思いで、当時の欧州社会システムに対しての絶望感から【大衆の反逆】が生まれた経緯じゃないかと思うところです。
そして、私も同じく日本の没落に非常に重大な危機感を抱いているからこそ、なかば絶望しながら総選挙までの数ヶ月間は選挙後の半分以上の価値に値すると考えているので、私自身と親の選挙権の行方は正念場にあり、各政党の今後の取り組み次第で流動的な感じですね。
ちなみに、日本維新の会と与党とN国党といくつかの姑息な政党だけは、グローバリズムを迎合する政党だから、問答無用で私の思い描く構想にすら及んでないわけです!
国民殺しの保守がのうのうと責任から逃れてポリコレだの自粛警察だの好き勝手言い散らかしやがって、お前ら保守こそが新で国民に詫びるべき売国奴寄生虫だろうが