【藤井聡】元明石市長泉房穂氏との共著『「豊かな日本」は、こう作れ! ~〝政治ムラ〟の常識を覆す』が発売となりました!是非、ご一読ください!

藤井 聡

藤井 聡 (表現者クライテリオン編集長・京都大学大学院教授)

こんにちは。京都大学の藤井聡です。

ここ数日、普段のルーチンの合間にやるべき仕事として久々に英語論文の仕事で四苦八苦しており(投稿した論文にあれこれコメントが来て修正しろといわれたのに対応しておりました)、ようやく先程、エディターに送り返し、ほっとしたところ…です。

日記が遅れてしまい、恐縮です。

で、そんなこんなをしてる間に、当方が系案する元明石市長の泉房穂さんとの共著

「豊かな日本」は、こう作れ! ~〝政治ムラ〟の常識を覆す

が出版となりました!

この本ほど、企画立案から出版までの時間が短かった本は、(3.11直後に出した列島強靱化論以来)、無かったんじゃないかというほどの特急出版。なんでそんなに特急にしたのかと言えば、兎に角泉さんとの話が楽しくてしょうがなかったからですw

ついてはそんな雰囲気をご紹介するという趣旨にて取り急ぎ、本書の「おわりに」を、下記にご紹介差し上げます。まずは下記、ご一読頂ければと思います。

いずれにしても、是非、皆さんにもこの対話、お楽しみいただきたいと思っております。是非、ご一読ください!

 

『おわりに』

藤井 聡

 どんな国でも滅びる日が訪れます。

 それは、どんな人でも遅かれ早かれ死んでしまうことと同じ。

 だから、日本もいつかは必ず滅び去ります。ですから日本がいつか滅び去ってしまうことそれ自体は、ことさら悲しむ必要などありません。

 しかしだからといって、日本ができるだけ長く繁栄し続けるための努力を「放棄」する必要などはどこにもありません。それはいつかは死ぬのだからといって、健康維持のための努力を放棄する必要など全くないのと同じです。

 もしも自らの健康に全く配慮しない人物がいたとすれば、そういう人は早晩、大病を煩い大怪我すると共に、そこから回復するための努力をすら一切することもないでしょう。結果、彼は自らの寿命を縮めるのみならず、その病と怪我による激しい苦痛に死ぬ瞬間まで苛まれ続けることになるでしょう。

 我々はそういう人間を目にすれば、我々は何と馬鹿な人物だと密かに思うでしょう。生き続ける気もなく苦痛を回避する事に何ら興味関心もないのならいざ知らず、そうでないのなら少しは頭を使って節制したり病院に行ったりすればいいのにと思う他ないからです。

 しかし、誠に残念ながら今の日本は、そういう「馬鹿丸出し」の状態にあります。

 四半世紀以上続く経済不況に対して何の手立ても講じない。

 国民から不満を言われれば、とりあえず財界やアメリカの言いなりになってさえいれば財務省と戦うなんていう面倒なことを何もせずにいくらでもスイスイ推進できる「改革」なり「自由化」ばかりをやって、「これが不況対策ダ」と大見得を切る。しかしそんな事をいくらやっても、効果が無いどころか状況が悪くなる他ありません。これでは真冬に風邪を引いた子供に半袖半ズボンで外に遊びに来かせる馬鹿親と同じです。

 円安と世界情勢不安で資源や食料が高騰し国民が苦しんでいても、効果的対策なんて何もしない。

 とりあえず財務省にお伺いをたて、やってもいいという許可が下りた対策だけをやる、ということを繰り返す。だから、最も合理的で効果的なガソリン税減税や消費税減税なんてのは絶対にやらない。一方でいつでも簡単に打ち切る事ができる補助金でお茶を濁し「やってる感」だけアピール。しかもそんな補助金を出した分は、事後的に増税や社会保険料率の引き上げで国民から吸い上げることを画策する。

 極東の安全保障問題は、全て米国からの指示通りにしか動かない。

 本来ならアメリカと交渉しつつ、自国だけで十分な抑止力が発揮できる程の防衛水準を目指し、日米地位協定の見直しと国内防衛産業の育成を目指すべきところ、そういう指向性は全くナシ。ただバイデン氏の言う通りに防衛費を倍増し、韓国と融和し、ウクライナを支援し、ロシアに徹底的に敵対しています。そして日米韓の連携を強化し、米国が参戦を拒否した中での台湾有事で「矢面」に立たされ、米国不在で中国と直接戦わざるを得なくなる――という悪夢の現実味が高まりつつあります。

 つまり、普通の国家ならやって当たり前の危機対策について一切何もせずに、やらなくて良い事ばかりやっているのです。

 まさに馬鹿丸出し。

 このままなら、近い未来に日本が「滅び去って」しまう事は避けられません。

 こうした日本の現状について、筆者は深い焦燥感を抱くに至りました。

 そしてその焦燥感は日増しに拡大し続けています。なぜなら、そうした焦燥感を持つ政治家が永田町にほぼ皆無だからです。

 しかし--泉房穂元明石市市長は、筆者と全く同種の焦燥感をお持ちの政治家でした。

 泉市長とお目にかかってからまだ2ヶ月しか経っていませんが、その間に実に密度の濃い長時間の対談を複数行いました。泉さんは明石を活性化する行政に十年以上の歳月を市長として費やし、明石市の子育て環境を抜本的に改善し、経済を活性化し、人口を増やし、市長としてできるだけのことを全てやりきり、市長を退任されました。

 こうした地方行政ができたのは偏に、戦後日本で繰り返された「馬鹿丸出し」の政治と行政と一線を画した「愛」と「知性」と「気概」に溢れた地方行政を展開されたからに他なりません。

 本書では、そんな明石市での泉さんの奮闘をお伺いしつつ、これからの日本に如何なる政治が求められているのかを徹底討論しました。

 この対談で論じ合った内容を実際に実行すれば、日本は間違いなく他国の追従を許さない途轍もなく豊かな国に成り果すことができます。後はそれを実現しようとする日本人がこれからどれくらい現れるかという一点にかかっています。

 ついては本書を読まれた皆様と是非、本書の内容を実現するための具体的議論を重ねて参りたいと思います。

 本書出版にあたり、おとりまとめ頂いたビジネス社の中澤直樹氏、そして何より本企画に二つ返事でご賛同頂き、貴重な時間を対談に割いて頂いた泉房穂さんに心から深謝の意を表したいと思います。

 ありがとうございました。

 

追伸1:『「豊かな日本」は、こう作れ! ~〝政治ムラ〟の常識を覆す』は是非、下記よりご一読ください。

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【現日本経済の診断】インフレなのに賃金が上がらず、国民は貧困化。しかしそれはコロナのせいでは無い。消費増税がもたらした慢性的なデフレのせいである(その2https://foomii.com/00178/20230924210401114455

 

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<編集部より>

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