『表現者criterion』メールマガジン

【藤井聡】『平和主義は貧困への道』なのは、間違いないと思います。

From 藤井 聡(表現者criterion編集長・京都大学教授) 

本誌クライテリオンでも何度も論じてきた
重要な実践的問題が、
「デフレ」や「経済低迷」、つまり
「貧困」問題です。

この「貧困」は、
単なる国民の困窮問題だけでなく、
格差やブラック企業の問題ともつながり、
マクロに言うなら地域の疲弊の問題や、
国力の大幅な凋落の問題や、
外交力の低迷の問題などにもつながる、
現代日本の最大の課題の一つです。

そんな「貧困」問題の「解決」の糸口を探るにあたって
大変に重要な書籍がこの度出版されました。

本誌クライテリオン定期執筆者でもある
佐藤健志さんが出版された、
「平和主義は貧困への道」
です。

一見「平和主義」と「貧困」とは
結びつかないもの。

ですが、これを一読いただければ、
両者の間に明確な因果関係があることが
クッキリハッキリと見えてきます。

その関係はあまりにも明確・明晰なので、
「あれっ、最初から知ってたんじゃないか──?」
と思えてきてしまう程です(笑)。

ここに言う「平和主義」とは、
「日本がもう二度と、
戦争を起こさないように、
その戦争能力を剥奪しようとする主義」

この「平和主義」はもちろん、

「日本国民を欺いて
世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。

・・・戦争能力が失われたことが確認される時までは、
我々の指示する基本的目的の達成を確保するため、
日本国領域内の諸地点は占領されるべきものとする。」

という条文を含む
(大東亜戦争の終結条件として連合国が日本に突きつけた)
ポツダム宣言にその源流があります。

つまりポツダム宣言は、
日本の「戦争能力」そのものを
完全かつ永久に除去するまで占領する
(逆に言うなら、占領解除は日本を完全虚勢した場合に限る)
と謳っていたわけで、
それこそが日本の「平和主義」の根幹なのです。

その象徴が戦争放棄、戦力不保持を謳った
憲法九条であることは論を待ちませんが、
それ以外にも実に様々な「仕掛け」が
終戦直後に作られた憲法を中心とした
各種法律に埋め込まれたのです。

その内の一つが、「財政法」の「四条」

この条項には、
一般的な国家では見られない、
次のような特殊な条文が書かれています。

「国の歳出は、
公債又は借入金以外の歳入を以て、
その財源としなければならない。」

これはつまり、原則的に政府に
公債(国債)の発行(=国の借金)を禁ずる条文です。

この条文は、「平和主義」とは一見無関係に見えますが、
当時の国会での議論等を振り返ると、
恐るべきことにこれは
「国債(=借金)に基づく軍備拡張」を「させないため」の条項
であるという史実が浮かび上がってきます!

いやぁ、なんとも恐ろしい。

当方、日本のデフレを終わらせ、
貧困と格差の問題を解消し、
さらには防災力や科学技術力を増進すべく、
日夜「財政法四条」と官邸内外で戦っているのですが、
その根底にあるのは、
ポツダム宣言に源流を持つ「平和主義」だったわけですね。

そもそもこの条項さえなければ、
日本はもっと合理的かつ自由自在に国債を発行し、
いとも容易くデフレを終わらせ
貧困も格差もとっくの昔に終わっていた筈なのですから――。

しばしばサヨクの皆さんが
積極財政が嫌いなのも、
公共事業が嫌いなのも、
さらには原発が嫌いなのも皆、
「国家嫌い」
の心情があり、かつその裏に
「戦争に対する反省」
があることは指摘されていましたが、
そのさらなる背後には、
ポツダム宣言の「平和主義」があったわけです。

そして、その「平和主義」は「財政法四条」を生み出し、
デフレを生み出し、
さらには「10%の消費増税」まで導こうとしている-――
という次第。

「そんなのホントなのか?」
とお感じの方はぜひ、
「平和主義は貧困への道」
をご一読いただければ、
ご納得いただけるのではないかと―――思います。

さらにこの本には、
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、
夫婦が同等の権利を有する」
ことを謳いあげ、
日本の「家族制度」を解体した憲法24条、
ならびに、それに基づく民法にも、
「平和主義」の明確な影響があることを
明らかにしています。

つまり、日本を「去勢」するための「平和主義」が、
「日本の家族制度」を破壊したわけですね。

その他にも、
今日の「少子化」や「女性の自立」論、
そして、今日のサヨクの「反日行為」のみならず、
今日のホシュの「売国行為」も皆、
「平和主義」に濃密に影響されながらもたらされている
───という様子が説得的に論じられていきます。

いやぁ、これを読めばもう、
戦後日本のおバカぶりに
笑うしかないという気分になってくるわけですが、
最後に、そんな状況下にある我々が、
一体どうすればいいのか───についても議論が及びます。

まさに、我が国の亡国もまた「宇宙のジョーク」(大笑)。

なかなか他では触れられない、
凄まじく深刻な問題が、
凄まじくユニークかつ真剣かつ軽妙に論じられていきます。

今の様々な問題について
閉塞感を感じておられる方は是非、
「平和主義は貧困への道」
ご一読されてはいかがでしょうか。

新しい角度からの
新しいヒントが見いだせるかも知れません。

追伸:
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