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【藤井聡】『ネオリベ国家ニッポン』を是非、ご一読ください。

藤井 聡

藤井 聡 (表現者クライテリオン編集長・京都大学大学院教授)

みなさんこんにちは、
表現者クライテリオン編集長、
京都大学の藤井聡です。

この度、表現者クライテリオンの最新号が発売となりました!
https://the-criterion.jp/backnumber/81_201811/

今回の特集タイトルは、

「ネネオリベ国家ニッポン
  ~『新自由主義』という悪魔の碾き臼」

「ネオリベ」とは
「ネオリベラリズム」つまり「新自由主義」の
別称(ないしは蔑称)。

今、日本が直面している深刻な危機は、
超巨大災害や消費増税やグローバリズムのみではありません。

「新自由主義=ネオリベ」もまた、
そう日本が直面する最も深刻な危機の一つ、なのです。

新自由主義=ネオリベとは、
「とにかく自由だったら、何でもいいじゃん」という、
まさに、粗雑や野蛮な「新」しいタイプの自由主義。

あらゆる規制やルールの撤廃を要求し、
「政府なんて、いなくてもいいよ」
「とにかく、政府の仕事は民営化しろよ」
と、無謀な主張を繰り返します。

ところが誠に驚くべきことに、
このような粗雑で野蛮な考え方が
永田町、霞が関の政治家、官僚達に
圧倒的な人気を誇っています。

そのせいで、
あらゆる分野で得体の知れない
「改革」「民営化」が進められ、
野放図な「自由貿易」が横行し、
あげくに、「緊縮財政」がはびこり
あらゆる分野や地方の衰退が
止められない状況に立ち至っています。

それはまるで、「悪魔の挽き臼」

つまり、あらゆるものが、ネオリベという
「挽き臼」にかけられ、
粉々に解体されようとしているのです。

このままでは日本は滅びる他無い―――
何とか、このネオリベ地獄から、
脱却せねばならない-――
それこそが、本特集の基本認識でした。

ついてはこの認識の下、この特集ではまず、
クライテリオン初登場の中島岳志さんを交えた

「左右共闘で対抗せよ!」

という座談会にて、
ネオリベの問題やその超克方法を、
多角的に議論しました。

そして、今やもう、
右だ左だなぞという、スケールの小さいことを
言っている場合ではない、
右であろうが左であろうが、
ネオリベ=新自由主義という理不尽極まりない、
考え方に歯止めを利かさねば、
日本はトンデモないことになる―――
と言うことを徹底討論いたしました。

さらには、「新自由主義批判」なら
この方に論じていただかなければ始まらない―――という思いで、
佐伯啓思先生にご寄稿をお願いしたところ、

  『新自由主義は何をもたらしたのか』

と題した論考をご執筆いただきました!

さらには、小浜逸郎先生は
現在の安倍政権が如何に新自由主義に
染った過てる改革を進めているのか―――
を指摘されると同時に、
そうした現状を如何にして
超克しうるのかを論じていただきました。

その他、多様な論者に、それぞれの分野・領域において
「ネオリベの問題」がいかなる深刻な問題を
生み出しているのかを―――ご議論いただきましたが、
中でも特に今回大きく取り上げたのが
「大学」における新自由主義の問題

「ネオリベ」の粗野で野蛮な「改革」のせいで
死に体となりはじめている、
「日本の大学」の「理不尽な改革」問題について、
日本国立大学協会や日本学術会議の代表をおつとめの
山極京都大学総長にお話を伺いました。

新自由主義において絶対的な「正義」と目されている、
「競争至上主義」や「ビジネス主義」、
さらには、「短期的な成果主義」のせいで、
今やもう、日本の大学は滅びつつあり
それを通して、日本の知性、理性が、
まさに今、蒸発しかかっている―――という実情を、
圧倒的なリアリティでもって、
山際総長からお話を伺いました。

・・・

一方、「対米従属」に関する文学座談会ではいよいよ今回、
「三島由紀夫」を取り上げました。

筆者個人にとっても非常に重要な意味を持つ
三島由紀夫について―――『真夏の死』『憂国』等を取り上げつつ、
彼の思想と生き様を、徹底討論。

「ネオリベ万歳!」という、
粗野で野蛮な風潮の源流にはやはり、
あの8月15日の敗戦があることが、
クッキリと浮かびあがります―――。

その他、大石久和先生や野中郁次郎先生、伊藤貫先生らからも、
今回もまた、「危機と対峙する保守思想」を巡る連載記事を
様々にご寄稿いただいています。

こうしてますます内容が充実した結果、
今回の11月号は、
これまでの「発言者」「表現者」のスタンダードを
大きく超える「分厚さ」となりました。

今の日本の危機の構造を冷静に把握し、
その危機をそれぞれの現場で的確に乗り越える方途を探るためにも、
一人でも多くの国民に是非とも、
じっくりと本誌をお読みいただきたいと思っています。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

追伸:本誌は是非コチラから。ご購読ください。
https://the-criterion.jp/subscription/

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