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【藤井聡】どうやら今はもう「絶望」の時代。でも思想と実践を真面目に循環すれば、必ず元気になります。

藤井 聡

藤井 聡 (表現者クライテリオン編集長・京都大学大学院教授)

皆さん、こんにちは、『表現者criterion』編集長、京都大学の藤井聡です。

手探りで始めたこの「表現者メルマガ」もようやく三週目。メール頂けるかどうか不安な中始めた「質問・相談」コーナーへも、たくさんの反響を頂き、ほっと胸をなで下ろしているところです。
https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180223/

そんなご質問、ご相談に混じって、たくさんの激励のメッセージも頂いています。その一部をご紹介しますと、例えば、ある方(Aさん)からは・・・

「表現者クライテリオン、凄い勢いを感じます。この、メルマガも毎日楽しく拝見しています。

人生相談まで、始めちゃうところが、なんとも凄い。そこから、新たに見える社会の危機も見つけられるかもしれないですし。

頑張って下さい。応援しています。」

といった有り難い声。こういうメッセージは、ホントに励みになりますw

あるいは、富士奇跡さん(34歳)からのご相談にお答えした当方と浜崎さんからの回答、
https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180226/
https://the-criterion.jp/mail-magazine/20180302/
については、また別の方(Bさん)から・・・

「富士奇跡さんへのご回答、涙が出そうでした。私は53歳の女ですが、思想の漂流者と言う言葉が心に刺さりました。

・・・思想とか考えた事はなかったのですが、リアルな知り合いと話すことの出来ない部分があることを感じており、くだらない世の中に絶望する事もありつつも、これではいけないと自分を責め、友達をなくしたくないし、仕事もせねばいけないので流行は一応押さえたり。

私だけではないのだと知り、これからどうして行くべきか考えつつ、今日からまた頑張って行こうと思います。」

との声。表現者criterionやこのメルマガも、日々の暮らしのリズムの中の一つの励みにして頂けるなら、我々としてもホントに有り難いです。

・・・・それにつけてもこのお声からも見えて参りますのが、「アレもコレも良いように思うけれど、やっぱどっちもダメな気もするし・・・」というような「思想の迷い子」状況にある富士奇跡さんの悩みは、ホントに今の日本では「普遍的」になってるという点。

例えば、「日々、絶望感でいっぱい」とおっしゃる「35歳、大手企業のサラリーマン(いわゆるグローバル企業)」さん(以下Cさん)も、

「私は、先日、質問に投稿されておりましたペンネーム『34歳男性サラリーマンのペンネーム富士奇跡さん』とほぼ同じような境遇」

です、とのメッセージ。

こうしたいくつかのお声からも、日本の社会の伝統が溶け、社会が蒸発し,一人ひとりの日本人が生きて行くための「クライテリオン」(規準)が今、ホントに失われつつあるんだなぁと言う事がクッキリと見えて参ります。

そして、そんな「思想の迷い子」状況になると、私達は、

「絶望」

という気持ちを抱かざるを得ないようです。

実際、「思想の迷い子」状況にあるとおっしゃるBさんもCさんも、共に「絶望」というお言葉を使っておいででした。きっと伝統や社会が蒸発し、クライテリオン=規準が喪失されれば生き方が分からなくなるわけですから、私達は必然的に「絶望」する他なくなってしまうのですね・・・。

さて、その富士奇跡(34歳、サラリーマン)さんからは、次のような、大変丁寧なお礼を頂きました。

「ご丁寧なご回答ありがとうございました。お二方の暖かくも心に突き刺さるご回答非常に励みになりました。

藤井先生より頂いた思想と学問(仕事)との循環し没頭しつつ、どこかで冷静な自分を保つという考え方非常に参考になりました・・・。

また浜崎先生より頂いた現実と思想の区別がついていない、というのはまさにご指摘の通りだと思いました。

そもそも私に最初から思想なんてなかったのです。

振り返ってみて私の中の問題意識も現実の日本の抱えている社会問題(経済や安全保障が主)ばかりだったと思います。

・・・・その意味で言うと私は決して思想を生きているとはいえませんが、両先生方に頂いたアドバイスを踏まえ、今後も表現者クライテリオンを応援しながら、自分にとっての譲れないもの・思想とは何なのか、時間はかかるかと思いますが見極めていきたいと思います。」

ご丁寧なお礼、本当にありがとうございます。

・・・・言うまでも無く『表現者criterion』は「思想誌」ですからもちろん、「思想」を扱います。

しかし、その思想誌は「危機と対峙」するために刊行されているもの。ですから、その思想は、自ずと「実践・現実」と向き合うものです。それは決して、「思想のための思想」ではありません。

その意味で、『表現者criterion』は、それ自身が思想と現実(実践)の無限の往復を図らんとするものとして編纂され、発刊されているわけです。

おそらくは「思想」だけでも、「実践・現実」だけでも、私達は皆、「迷い子」となり「絶望」してしまうこととなるのでしょう。

「思想」だけやってたら「おめぇ、さっきから何ブツブツいってんだ」ってツッコまれるだけですし、「実践・現実」だけやってたら「おめぇ、さっきから何も考えてねぇだろ」ってってツッコまれるのがオチです。

これじゃぁどっちにしろ、ちゃんと生きてることにはならないですよね(ちなみに、こうしたツッコミは、闇金の『ウシジマ君』が誰よりも適任です 笑)

その意味で、そんな迷いや絶望で立ちすくむくらいなら、思想と実践・現実の間を往復し、両者の関連を少しずつでも模索し続けていけば、自ずとむくむくと活力が沸いて元気になってくるに違いありません。

その思想が深ければ、その実践はより大きくこの世界を動かしていくことになります。一方で、その実践がより旺盛なものであれば、そのための思想もまた自ずと真剣で、かつより深いものとなるからです。

・・・・等々と書いている内に、そろそろ文字数が多くなってきてしまいました。まだまだ紹介しきれていないお声もたくさんあるのですが、これからも毎週、編集部の我々から皆さんの声、ご質問等を紹介、回答して参りたいと思います。

是非、たくさんの方に、

『表現者criterion』事務局 info@the-criterion.jp

まで、ご質問、ご相談等のメッセージをお寄せ頂きたいと思っております。いただける場合は、

(1)お名前(ペンネームも可)
(2)年齢(不記載でも可)
(3)性別
(4)職業(会社員、公務員、学生、等)
(5)ご質問・ご相談内容

をお送りください。採択した場合は、上記(1)~(5)を記載させていただきますが、不記載希望の場合は、その旨明記ください。

どんな些細な事でも、個人的な事でももちろん大丈夫です。

どうぞ、よろしくお願いします!!

PS1:今週の「週刊ラジオ表現者」は、柴山さんにゲストで登壇いただき『表現者criterion』についてお話しました。今週の一曲はナント、ジミヘン。是非、お聴き下さい!
https://the-criterion.jp/radio/20180305-2/

PS2:『表現者criterion』は是非、こちらから定期購読ください!
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