いよいよ明日、2021年12月16日(木)に雑誌『表現者クライテリオン』2022年1月号が発売になります。
今号の特集は
です。
今回は、発売に先立ちまして本誌編集長、藤井聡の巻頭言を公開いたします。
第百代内閣総理大臣に就任した岸田文雄新総理は、総裁選において新自由主義からの転換と「所得倍増」を柱とする岸田ビジョンを打ち出した。
その後の総理就任演説や衆議院選挙にて、これまでの新自由主義に基づく資本主義が株主を過剰に重視するものであり、これが格差と分断をもたらしたと指摘しつつ、かつて我が国に存在していた「分厚い中間層」を取り戻すべきである、そのために適切な分配と成長の好循環をもたらす「新しい資本主義」を構築すべきなのだと強調した。
こうした岸田ビジョンに、貧困化と将来不安に苛まれてきた大方の国民は大いに賛同するに違いない。
しかし問題は、そうした「新しい資本主義」を、我が国「日本」の固有性を十二分に踏まえた上で構築することが、本当にできるのかという点にある。
ついては本特集では、あるべき「新しい日本型資本主義」の形を改めて多面的に論じつつ、岸田内閣の「成功の条件」を改めて掘り下げる特集をここに企画した。
本誌『表現者クライテリオン』がその前身誌『表現者』を引き継ぐ形で創刊された2018年、その創刊号がまさに校了するその日に、その前身誌『表現者』の創刊者、西部邁先生がこの世を自ら去った。
その『表現者クライテリオン』が今回の号で『表現者』からちょうど通巻100号目。
その100号16年の間、我が国日本が物心両面において衰弱し続ける中で本誌の言論活動が未だに旺盛に展開し得ているのはまさに、西部邁先生の保守すべきを保守せんとする「意」の賜である。
ついてはこの通巻100号発刊の機に改めて、西部邁先生を読者各位と共に回想するささやかな機会をここに設けることとした。
現役時代の西部邁先生の活躍をご存じの方もそうでない方もぜひ本特集にお目通しいただき、本誌言論の「原点」に改めてお触れ願いたいと思う。
表現者クライテリオン編集長 藤井 聡
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『表現者クライテリオン』2022年1月号 「岸田内閣成功の条件」
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