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【藤井聡×なるせ監督】映画『君たちはまだ長いトンネルの中』公開記念対談<後編>

啓文社(編集用)

表現者クライテリオン編集部です。

昨日に引き続き、藤井聡編集長となるせ監督の対談(後編)を公開いたします!

是非ご一読ください!

映画『君たちはまだ長いトンネルの中』公開記念

「思想×エンタメ」が政治を動かす消費税減税で日本を元気に!
なるせゆうせい×藤井 聡 対談トーク(後編)

娯楽(エンタメ)を追い求めて
藤井▼僕らは単に経済論を交わしているんじゃなく、共に「日本を何とかしたい」という思いに駆られて動いているわけですよね。監督も「このエンタメ界を何とかしたい」とか「エンタメ界をちゃんと盛り上げていくことは日本のため」という思いもおありなんじゃないかと。
なるせ▼おっしゃる通りです。
藤井▼砂をかじってばかりで心や魂が震えるようなものもないような人生って何なんだ、って話ですものね。監督が娯楽を三百六十五日追求しようと思った根源って、何だったんでしょうね?
なるせ▼何なんでしょうか……(笑)。あまり深く考えたことはなかったのですが、娯楽を通して世の中を何とかしたい、少しでもお役に立ちたい、そういう気持ちは確かにありますね。
藤井▼そういうことに関与してないと退屈なんじゃないですか?
なるせ▼そうとも言えるかもしれませんね。ただ元来僕も、皆の前で「俺こんなことがしたいんだ!」とか「世の中こうあるべきだ!」とか語ったりはしないんですよ。でももちろん内面には思うもの、熱いものもあったりもしまして、藤井先生のように熱量のある方の前だと、少しは僕も話せています。でも普段のエンタメ関係の仲間の前では、ほとんど話したことはないですね。
 もちろん僕は話さなくても、物語そのものが饒舌であればよい。僕が饒舌に話す人だったら、僕自身が政治家や言論人になってもいいのかもしれませんけど、それよりも「物語」に話させる方が向いているし、大事なことじゃないか、とは思っています。
 あと思うのは「教育」でしょうか。もともと教師になりたかったということも影響しているかもしれませんが、教育の大事さといいますか、例えば、人生で初めて観た映画、初めて観た演劇の、その人に与える影響って凄く大きいことだと思うんですね。この映画も内容が内容ですし、そういう映画になりうるんじゃないかと思っています。
藤井▼この映画を観て、「えっ、こんな暮らし、当たり前だと思ってたけど、長いトンネルの中だったの!? 戦わなきゃ、抜けられないトンネルの中だったの!?」って思ってもらえたら、それこそ、世の中の見方が百八十度変わりますよね。
なるせ▼はい。学校関係での上映などもしていただけると嬉しいなと思っています。

映画を自分でイチから作るということ
藤井▼今回改めて思ったんですが、監督の前で言うのも恐縮ですが、「映画を作る」って、大変な話なんだなぁと……。
なるせ▼そうですね、特に大手の映画会社に所属などしていると、どうしてもしがらみがあったり、企画から動き出すまで時間がかかるんですよね。
藤井▼しかも自分の意図が、作品の隅々まで反映できなかったり。
なるせ▼よくある話ですが、別のプロデューサーに企画を見せたりすると、どんどん複数の人間の意図が入ってきたりして、最後はなんだかよく分からないものが出来上がったり。
藤井▼本来、監督が全責任を持って“監督”するはずなのにそうじゃないことも多いと……。
なるせ▼そういう雇われ監督的な監督も、この業界、かなり多いんですよ。
藤井▼でも今回はまさに、自分でお金を集めるところから始められているわけですよね。
なるせ▼そうです。多くの方々にご協力をいただきまして、完成しました。本当に感謝ですね。
藤井▼クラウドファンディングでも資金を集められていましたね。目標金額は広告費二〇〇万円のところ、一五八〇名の方々から、一三〇〇万円もの支援が集まりましたね。制作前からそれだけ、皆さんが大きくこの映画企画に期待していた、っていうことですよね。ホント、これは凄い話だと思います。でも、ファンディングが集まらなくても映画は撮るご予定だったんですか?
なるせ▼はい。もし目標金額が集まらなくても、何とか自分で責任取ろうと思ってはいました。
藤井▼その監督の「やっちゃおう精神」といいますか、やってしまう力が素晴らしいですね。赤字でも何とかなるだろう! みたいな(笑)。
なるせ▼いやぁ、やっちゃうって大事ですよね。どうなるか分からないけど、とりあえず走り出さないと何も見えないタイプです(笑)。
藤井▼でも制作費は映画一本、安く見積もっても一千万円ぐらいはかかってるわけですよね。
なるせ▼そうですね。
藤井▼それでいろんな人も動かして、オーディションもして、若い世代に何が受けるかとか常にアンテナも張って、それでベテランのモト冬樹さんや、かとうかず子さんなどの僕らでも知ってる俳優さん、女優さんも起用して……。今回僕も、作る裏側のことなんて初めて考えましたけど、改めてホント、凄いなぁと。だからより一層、この映画を一人でも多くの方にご覧いただきたい、って思うんですよね。本誌読者の方々も、ぜひぜひ友人や家族の方にも広めていただきたいと思います。
なるせ▼はい、映画という形は、広めやすいと思うんですよね。自分の中で思っている意見やイデオロギーを誰かに伝えることって、なかなか難しいことと思うのですが、そういう意味で映画なら「ちょっと観に行こうよ」と誘うこともできますし、強みだなと思いますね。
藤井▼例えば僕の本を、あまり政治や思想に関心を持ってこなかった一般の方に渡したところで、なかなか読んでいただけないですからね。でも映画なら「九十分ぐらいならまぁ、観てもいいか」ってなりますし、今回みたいな娯楽映画ならなおさら、ですよね。
なるせ▼そのぐらいの時間なら生活の中にハマりますよね。
藤井▼だから、これまで我々の持っているツールではない、新たなツールとして広まっていく可能性があるので、断然期待しているわけです。
なるせ▼いや本当に、楽しみです。

反緊縮、消費増税反対の武器としてのエンタメ
藤井▼そもそも消費税反対の反緊縮の人たちって結構いるんですよ。その方々もね、武器としてこの映画を使うべきだと思います。
なるせ▼講演会や勉強会で、この映画を上映していただいたり。
藤井▼中学校や高校で上映会してから、社会科やディベートの授業をやるとかね。
なるせ▼そうやってどんどん一人歩きするツールにもなりえますよね。
藤井▼だから何よりもまず、映画のプロモーション、ガンガン、やっていかないといけませんね。我々も徹底的に協力したいと思います。
なるせ▼よろしくお願いします!
藤井▼クラウドファンディングで集められた一三〇〇万円の資金は、広告費ということでしたから、この資金でプロモーションの原資になるわけですね。その結果、上映できる映画館も増えるんでしょうか……?
なるせ▼はい。これで宣伝とか営業とかにずいぶん力を入れられるようになりました。
藤井▼それは素晴らしいですね。作ったものを置いておいても誰も観ないですから。
なるせ▼そうなんです。
藤井▼宣伝・営業があってこそ、命が吹き込まれると。
なるせ▼特に映画はそうかもしれないですね。
藤井▼この映画で世論にいい風が吹いてくることを期待しています。
なるせ▼若い世代に響いてほしいです。
藤井▼さらに第二弾、第三弾、っていう展開もありえますですよね?
なるせ▼ありうると思います! 反響があって、皆さんからの声が起これば。皆さんの「声」こそが何よりの原動力となります。
藤井▼そもそも「積極財政、減税やらなあかん!」と思ってるエンターテイメントの関係の方も結構おられますよね。俳優の伊原剛志さんだとかミュージシャンの世良公則さんだとかが積極財政が必要だって、かねがねおっしゃってます。
なるせ▼基本的にエンタメ系の人たちは、積極財政してほしいと思っているんじゃないでしょうか。
藤井▼そうですよね。世間にはまだ、緊縮財政が正しいっていうポリコレのせいで積極財政を言うのが憚られる空気がありますが、そんな薄甘い世間の空気に幻惑されない方が、やっぱりエンタメ系の皆さんの中には多いんじゃないかと。
なるせ▼そうだと思います。ただ、そんな積極財政すべきだ、消費減税がホントは必要なんだ、って声を上げたい人って、今だとまだ「点」なんだと思うんですよね。だからその「点」を「線」としてつないでいく必要がある。
藤井▼そんな線でつないでいくツールとして、こうした映画は大活躍できますよね。
なるせ▼はい、ぜひ、そうしていきたいと思っています。

思想と映画のコラボレーションは可能か?
藤井▼思想の分野では、物事が伝わっていくことを「ミメーシス」と言うんですけど、これはウイルスのように「感染する」という意味合いです。つまり僕も西部邁、あるいはニーチェやハイデッガーの思想に「感染」したわけです。これまでそんなミメーシス、感染のための媒介は一般的に「本」だったんですが、今回改めて思ったのは「映画」の方が「感染力」(あるいは感染症学的に言うところの「実効再生産数」)が高いですよね。
なるせ▼なるほど、そうですね。
藤井▼なのでこれから、「エンタメと思想」というものを考えた時に、もっとコラボしていく必要があるんだと思うんです。かつては三島由紀夫や若松孝二などがそういう方向性を持っていましたよね。そのあたり、「思想と映画」の関係性っていうのは、今はどんな感じなんでしょうか?
なるせ▼今は映画界では、思想っていうとちょっと毛嫌いされていると言いますか、タブーのようになっているところはありますよね。
藤井▼なるほど、映画界では思想とエンタメが分離してしまっているわけですね。
なるせ▼本来は、つながっていておかしくないんだと思います。チャップリンも『モダン・タイムス』では政治的な内容を含みつつ、物凄いエンタメしています。そういうのって僕は凄く格好いいなと思いますね。
藤井▼なるほど。
なるせ▼だから僕は令和のチャップリンを目指したいですね(笑)。
藤井▼それは素晴らしい!
なるせ▼チャップリンはいつでも笑って泣けますし、凄く面白いエンタメと思います。
藤井▼そういう意味で、エンタメと思想の今後のあり方については、これからも対話を続けていきましょう。
なるせ▼はい、ぜひお力お借りして、勉強もさせてください。
藤井▼我々、広い意味で、西部邁門下生、ですから、一緒に頑張りましょう。若い頃に『朝生』見て感化を受けて、一回サシで食事されてるわけですから(笑)。
なるせ▼いやぁ、光栄です。ありがとうございます。
藤井▼ぜひ、よろしくお願いします。

『君トン』はいよいよ六月十七日に封切り!
藤井▼ところで最後に今後の予定なども伺いたいのですが、全国の劇場で上映することになるのでしょうか?
なるせ▼『君トン』の映画館での上映は、六月十七日、池袋HUMAXシネマズを皮切りに、全国展開していく予定です。京都、大阪、名古屋、高知……、今決まっているだけでも十カ所、もう少し頑張れば全国二十カ所ぐらいはいけるかなと思っています。
藤井▼クラウドファンディングで寄付していただいたから、全国の劇場への営業をかけることができているわけですね!
なるせ▼まさに、その通りです!
藤井▼いやぁ、これはすでに、思想運動になってますよね。
なるせ▼『表現者クライテリオン』読者の皆様のおかげです。何かしらお得な読者割みたいなこともやらせていただきたいですね。
藤井▼いいですね~。皆で盛り上げて、運動的なムーブメントとして巻き起こしていきたいですね。
なるせ▼今、チラシとかも刷って準備を進めているところです。六月、七月あたりには劇場を回って、劇場での宣伝に力を入れていく予定です。上映が一段落した後は、秋以降になると思いますが、DVDやネット配信も予定しています。
藤井▼ネットでもバズるといいですね。
なるせ▼今回の作品は、僕が中心となって機動的にいろんなことができると思います。一人でも多くの人に観てもらいたいので、やれることは何でもします!
藤井▼素晴らしいです(笑)。最終的にできるだけたくさんの方に観てもらうためにYouTubeとかで「無料配信」するっていうのも有りなんですか?
なるせ▼興行的なこともあるので普通は難しいですが……そこも工夫次第です(笑)。この『君トン』は、いろんなことが普通じゃない映画ですから(笑)、多くの人に観てもらうことを第一でいきたいですね。クラウドファンディングでもたくさんのご支援をいただきましたですから。
藤井▼これはちょっと、思想×エンタメの新しい形になるかもしれませんね。『表現者クライテリオン』チャンネルでも、目一杯の協力体制でいきたいと思っています。
なるせ▼ぜひよろしくお願いします!
藤井▼続編もぜひ、お願いしたいです。まだ道半ばですよね、映画の中の物語的には。
なるせ▼そうです。アサミちゃんは、思い半ばです(笑)。
藤井▼まだ入り口ですからね。アサミちゃんはまだ全然、これから活躍していけますよね。
なるせ▼もっと成長できますし、深いところまで物語を作ることもできます。
藤井▼これからが楽しみですね。まずは、その一発目『君たちはまだ長いトンネルの中』、実に面白くて新しいタイプの映画ですので、皆さんもぜひ劇場に足を運んでください。
なるせ▼応援、よろしくお願いいたします!

 

 

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