『表現者criterion』メールマガジン

【藤井聡】仏大統領候補アスリノ氏をお迎えした京都・国際シンポジウムを企画しました。是非、ご参加ください!

From 藤井 聡(表現者クライテリオン編集長・京都大学教授) 

この度急遽、来月上旬に、
2017年フランス大統領選挙の候補者の一人だった
フランソワ・アスリノ氏が来日されます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/フランソワ・アスリノ

残念ながら大統領選挙の勝利は叶いませんでしたが、
大統領候補者の中でもインターネット上で
最も注目された政党「人民共和連合」の創始者かつ現党首です。

この政党はフランスの
いわゆる「正当な意味」での「ポピュリズム政党」
に位置づけられるもので、
今もなお、その人気は急速に拡大しているとのこと。
https://ja.wikipedia.org/wiki/人民共和連合

そもそもアスリノ氏は、フランスのスーパーエリート。
経済財務省の財務上級監査官という超高級財務官僚でした。

しかし、フランスのユーロ加盟から始まる20年間の、
経済・財務政策のあまりの惨たらしさを嘆き、
EU・ユーロ体制を批判し、
フランスのEU離脱、Frexit(フレグジット)
実現すべく、政党を立ち上げたとのこと。

つまり、彼は、本誌9月号で特集を組んだ、
https://the-criterion.jp/backnumber/80_201809/
英国のEU離脱、Brexit(ブレグジット)から始まる、
欧州のポピュリズム運動の、
フランスでの運動の中心人物の一人なわけです。

いうまでもなく、
今、「EU離脱・フレグジット」が叫ばれているのは、
ユーロ導入「後」のフランスの経済政策が、
「グローバリズム」を是とする「新自由主義」一色
染め上げられ、それに対する庶民の反発が、
生じ始めているから、です。

EU・ユーロ体制下のフランスは、
政府はとにかくカネを使わない「緊縮」を強め、
そのためにあらゆるものを「民営化」していく、
結果、「産業は空洞化」し、
「失業」が増え、「賃金」が下落し、
「格差」は拡大し、
しかも、「移民」は増え続ける
―――という状況にあります。

これはイギリスでEU離脱・ブレグジットを
誘発した基本構図と同じであると同時に、
今、日本を覆っている「緊縮・改革」を是とする濃密な風潮
完全に軌を一にしています。

わが国日本においても一応は、
「デフレ脱却!」が叫ばれてはいますが、
「実際の政策」は、完全に正反対

消費増税と歳出カット
過激な自由貿易協定
民営化と規制緩和が徹底推進されています

結果、経済と財政の悪化
貧困と格差の拡大が止まらなくなっています。

驚くべきことに、というか有難いことに、
アスリノ氏はこうした構図を、ご認識とのこと。

だから、今回のアジア・オセアニア訪問の途上、
わが国日本に立ち寄り、
同じ問題を抱えつつ活動を展開している人々と、
共有認識を深め、議論を重ねたい―――と、
思い立ったそうです。

そうした経緯から、当方にお声がかかり、
アスリノ氏の対談企画を実現しましょう、
ということとなった次第です。

誠に光栄、かつ、有難いお話。

そもそもこれまで、
認識と志を共にする数少ない方々と
国内で協力を重ねて参りましたが、
遠く離れたEUにも協力できる仲間ができるのは、
この上なく、有難く、心強く感ずるからです。

ついては、この機会に、
当方が代表を勤めている「京都大学レジリエンス実践ユニット」と、
本誌「表現者クライテリオン」が共同で開催する形で、

『EU体制の限界』と『緊縮日本の没落』

と題する下記国際シンポジウムを、
アスリノ氏の来日日程にあわせて「急遽」、
京都にて開催することといたしました!

■■ 国際シンポジウム・グローバル資本主義を超えてII ■■
 『EU体制の限界』と『緊縮日本の没落』
  日時:2018年10月13日(土)13:00-18:00
  場所:京都大学 吉田キャンパス
  詳細:https://the-criterion.jp/beyond_global_capitalism2/

このシンポジウムは、2013年、同じく京都で
フランスのエマニュエル・トッド氏やハジュン・チャン氏を迎え、
日本からは、評論家の中野剛志氏、京都大学の柴山桂太氏と当方が
講演をする格好で開催した、
「グローバル資本主義を超えて」http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/bgc/
の第二段としての企画したもの。

(ちなみに、トッド氏とアスリノ氏は古くからの友人とのこと。
トッド氏は、絶望的な気分に苛まれ、
将来の希望を持てなくなりつつあると嘆いておられる中、
アスリノ氏は、大統領選に「打って出る」ことを決意されたそうです)

あれから五年―――
グローバル資本主義ないしグローバリズムの限界は、
シンポで各論者が指摘した方向で、
誰の目にも分かる形で露呈し始めています。

英EU離脱やトランプ現象などはいずれも、
「庶民からのグローバリズムへの反逆」現象
だったわけです。

しかし、フランスや日本では、
未だにそんな「大転換」は起こっておらず、
グローバリズムの嵐が激しく吹き荒れている状況は、
収まりを見せていません。

例えばフランスでは、
グローバル企業に買い占めされている
ルモンド紙を含む主要メディアは一斉に、
「EU離脱は愚かである
今、イギリスは大変な混乱に陥っている―――」
という、(完全に事実から乖離した)プロパガンダ
判で押したように展開し、その結果、
フレグジットの機運が十分には、
高まっていないとのこと。
(そしてその結果誕生したのが、
典型的な改革派エリートのマクロン大統領でした)

これは、普段は主張を異にする各種新聞でも
グローバル企業群が猛烈にプッシュする
「消費増税」と「改革」「TPP」に関してだけは、
判で押したように「賛成」を繰り返す、という
奇妙なメディア状況と完全に軌を一にしています。

結果、日本国内では未だ、
消費増税や改革の人気は衰えず、
消費増税と過激な改革、自由貿易が
止めどなく進められています。

このままでは、経済と財政と格差が、
今以上に激しく悪化していくことは
火を見るよりも明らかです。

こうした同様の問題を抱えた日本とフランスが、
しっかりと認識を共有し、
個々の「ナショナリズム」を尊重しつつ、その上で、
互いに連携を図る「インターナショナリズム」の力で、
理不尽な「グローバル資本主義」「グローバリズム」に、
対抗していきたい―――というのが、
本シンポジウムの狙いです。

ついては、当日は、
アスリノ氏の基調講演に加えて、
第一回で話題提供を行った
中野氏、柴山氏と当方の三名から講演すると同時に、
現在のフランスの経済・世論環境について、
(アスリノ氏の友人でもある)
東京学芸大学の荻野文隆先生に解説いただきます。

そして最後に、今回の企画の発端となった当方とアスリノ氏との
「日仏対談」を致したいと思っております。

・・・

今、世界は確実に変わりつつあります。

しかし、その潮流は未だ、
欧州のフランスとアジアの日本には
未だ十分に届いていません。

結果、両国は激しく国益を毀損し続けています。

そうした状況を打開する糸口を、
今回の対話を通して何とか見出したい、
というのが、本シンポジウムの基本的趣旨です。

五年前にご参加いただいた方はもちろんのこと、
最近関心をお持ちになった方々も含めて、
一人でも多くの方々に、ご参加いただきたいと思います。

是非とも、よろしくお願いいたします!!

(※ ご参加希望の方は、詳細は下記HPご参照の上、同じく下記HPより、お申込みください!
https://the-criterion.jp/beyond_global_capitalism2/

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