こんにちは、表現者クライテリオン編集長、
京都大学大学院の藤井聡です。
この度、表現者クライテリオンから
『引き籠もるアメリカ、すがり付く日本 ~安倍外交“真”総括』
の特集号を発刊いたしました!
https://the-criterion.jp/backnumber/88_202001/
この号は、現状の政府、つまり安倍内閣を、適切に
「評価」
するにあたって、とりわけ重要なものとなったと思います。
そもそも筆者は、「一言論人」としては、ここ最近、
「消費増税の阻止」
とりわけ最近では、
「消費減税の実現」
を目的とした活動を行ってまいりました。
もちろんそれはデフレ脱却を目途としたもので、
かつ、デフレという問題は、
あらゆる問題を引き起こす極めて深刻な
「国家的な病」であることは論を俟たないのですが、
それに負けるとも劣らない程に重要なのが
「外交」問題です。
ただ、「外交問題」というものは常に、
外国の都合もあり、
その改善は、純然たる内政問題である消費税問題よりも、
往々にして複雑で困難、ということが多く、
したがって、限られたエネルギーを注入するには、
まずは消費増税の脱却論が必要だと言うスタンスで、
当方個人の言論活動においては、
消費税問題を優先させてきた、
という個人戦略的な事情がありした。
しかし、安倍内閣の外交の酷さは、
だからといって免罪されるようなものではありません。
安倍総理は、「外交の安倍」と言われる程に、
しばしば安倍内閣を批判する論者からすら、
一定評価されているきらいがありますが、
それはトンデモない話です。
一言で言って、もう、「憲政史上最悪」の一つではないか?
と思える程の惨い水準にあるのが、安倍外交なのです。
そのメチャクチャさは、
デフレが深刻化し、輸出も賃金も下落していく中で、
消費増税を毅然と断行しちゃうくらいの、
ほとんど「コメディ」「ギャグ」レベルにあります。
何といっても、それは
「最終的不可逆的」に韓国問題を処理しようとして、
かえって、戦後最悪の日韓関係を築き上げた程です。
(ちなみに、現役自衛官に聞きましたが、
今や仮想敵国と言えば、中朝は当然として、
最近では韓国も入ってますよ、とのこと。
それくらいに、レーダー照射問題は深刻です)
あるいは、「私の代で北方領土問題を解決する!」と豪語しながら、
状況をさらに悪化させ、
挙句に「日本はもう、あの南クリルを北方領土なんて
勝手に呼ぶな!」と言われてしまい、
今や公式に「北方領土」と口にする機会が実際に減少している・・・
程にメチャクチャです。
そして何といっても恥ずかしいのが、
「アジア、極東、そして日本からの撤退」を匂わしている
トランプ大統領に、「すがり付く」様な外交です。
つまり、何とかアメリカのご機嫌を取ろうと、
・日米FTAだとか、
・種子法撤廃だとか、
・遺伝子組み換え食品の表示の(事実上の)撤廃だとか、
・アメリカ国内ですら禁止されている強力な農薬の解禁だとか
・IRの導入だとか・・・
を通して、日本のあらゆるモノや利権を
アメリカに差し出している、という有様です。
しかも、それら差し出すものがそれぞれ、
アメリカから言われて致し方なく差し出すのみならず、
差し出せとも言われていないのに、
勝手に「アメリカを忖度」して、
あれもこれもと差し出しているのが実情です。
(政府が進める「構造改革」なるものの多くが、
まさにそういう「アメリカへの忖度」が
基本的な動機になっているのが実態です)
それはまるで、
そろそろ年増になってきたので、
旦那に捨てられそうになっているが、
何とか、旦那の気をひこうと、
ありとあらゆるものを貢ぎ始めた、
恥も外聞も何もない情けない「年増の愛人」・・・
の様な風情。
そんな「年増の愛人」が辿る末路は一つしかありません。
そもそも旦那は
そんな愛人から心が離れ切ってしまっているわけですから、
むしり取れるものは全てむしり取り、
もうむしり取るものが無くなったら、あっさりと「ぽい」と捨てる、
他ありません。
だから、「誇りの問題」からのみならず、
「損得の問題」から言っても、
捨て去ろうとしている旦那に、
恥も外聞もなくすがり付いては絶対にいけないのです!
にも拘わらず、それが分からない「馬鹿年増愛人」は、
現実を認めたくないもんだから、何もかも貢ぎ始めるわけです。
で、そんな馬鹿丸出しの恥ずかしい外交を展開しているのが、
現在の安倍外交に相違ない・・・というのが、今回の特集の眼目です。
しかも・・・、
他所からは、そうやって「年増の愛人」
だとみなされ、心底侮蔑されているのですが、
(そのあたりのお話は巻頭の伊藤貫先生から、
たっぷりとお話いただいています!)
国内に向けては、
「地球儀外交」だとか「外交の安倍」だとかなんとか言って、
「さも男らしい立派な外交」をやっているという
イメージ戦略を展開しているのですから・・・
何重にも恥ずかしいのが、
現在の安倍外交の真の姿、だという次第です。
・・・
ただし、こうした恥ずかしい安倍外交は、
何も安倍総理がいきなり“おっぱじめた”ものではなく、
吉田総理の頃から、
戦後一貫して進められてきた自民党外交そのものなのです。
安倍総理がなさったのは、単にその、
(過激な)加速
に過ぎないわけで、
この情けなき状況を脱するためには、はやり、
憲法九条問題や日米安保問題、地位協定問題を
一体的に改善・解消していくことが求められている、
というのは、論を俟たぬところではあります。
・・・とはいえ、現在の安倍外交の様に、
旦那に捨てられかけた馬鹿な年増の愛人の様に
恥も外聞もなくすがり付いて、
何もかもを「貢ぎ始める」ことまで
する必要など何もありません。
で、そういう情けない馬鹿な振る舞いを辞めさせるためには、
国民世論が、そういう情けない馬鹿な振る舞いを
過不足なく、客観的かつ冷静に認識することが
必要不可欠です。
本特集が、そうした適正かつ冷静な世論形成に向けて
貢献できますこと、心から・・・祈念したいと思います。
ついては皆様も是非、表現者クライテリオンの最新号
『引き籠もるアメリカ、すがり付く日本 ~安倍外交“真”総括』、
をご一読下さい!
・・・
ということで、年の瀬も迫って参りました。
今日で仕事納めの方も多かろうと思いますが、
来年はますます日本にとって厳しい年になることは
避けられそうにありません・・・・
そんな激動の年に備えるためにも、
この年末年始、しばしゆっくりとお過ごしください。
では、良いお年を!!
『表現者クライテリオン』2020年1月号
「引き籠もるアメリカ、すがり付く日本――安倍外交“真”総括」
https://the-criterion.jp/backnumber/88_202001/
https://www.amazon.co.jp/dp/B081WP9WMC/
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コメント
アメリカに追随する日本を例えるのに、
「年増」と「旦那」という立場を使ったのはどうしてでしょうか。
立場を表現するのに「年増」、「旦那」という言葉を選択した理由は何でしょうか。
私は、「年増」と「旦那」という立場と言葉を選択し、比喩に使ったことで、
男性的価値中心主義、家父長制、女性蔑視、性差別の肯定になり、
人を個人として見ず、属性で分けてジャッジし、扱いを変えるという差別の構造に加担したと考えます。
論述をする際に、その属性だけに問題があるとして批判に利用し、
差別を肯定することにどんな意味がありますか。
私は、人格と問題を切り離し、問題だけを取り上げ、
蔑視や、感情を掻き立てる表現を排した、人間として成熟した理論的な論考を読みたいです。
我が国の国政の状況はまともな外交など期待し得ない状況なのだと思います。
ただ経済は現状でもまともな政策(MMT的な政策)を実行することは可能でしょう。
まずは消費税を5%に下げることを共通政策とする勢力、つまり山本太郎周辺の勢力を拡大することが目下の最優先の政治的課題とする「戦略」を掲げる必要があります。
藤井先生の御活躍にも大いに期待しております。
山本太郎の次は小沢に擦り寄るとかわかりやすいですね
そういや令和ピポットの相方も山本太郎と鳩山由紀夫とつるんでましたね
この同人誌上でも今後鳩山由紀夫との対談が載り「鳩山政権は素晴らしかった」と太鼓持ちが得意な学者が主張しそうですね
そういや山本小沢と天皇を政治利用した前科がある政治家とつるみ始めてから相方が天皇を持ち上げるようになったのは媚びる政治家様が天皇を利用して権威付をする際のサポートですか?(笑)
>トランプ大統領に、「すがり付く」様な外交です。つまり、何とかアメリカのご機嫌を取ろうと
思います。基本トランプさんは不動産やさんなのであります。
貢いでいるモノと言えばトランプさんの背後を陣取っているグローバル企業に対する日本の叩き売りなのであります。
しかし持ってけ泥棒ぉーっ!とは言わないのであります。旦那ぁ、好きなだけ日本をあげますっ!あげますっ!
に等しいのであります。認知してないのであります。韓国、ロシアにも譲歩すれば上手くいくとの電子回路が働いているのであります。官僚に操られている節穴だらけなのであります。とは言うものの総理候補はオール右習えなのであります。
失礼しました。