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この記事は、『表現者クライテリオン』5月号に掲載される対談の前半部を、先行配信するものです。全文は、本誌でお読みください!(以下のリンクから予約受付中)
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ウイルス学の専門家に聞く
「パンデミック」(世界的大流行)が宣言された新型コロナウイルス。
かくなる上は好むと好まざるとにかかわらず、我々はこの未知なるウイルスと、「付き合って」いかざるを得ない。
ならば、このウイルスを「正しく」恐れねばならない。
医療崩壊を避けながら、その被害を最小限に食い止める取り組みとは?
新型コロナウイルスによる死者は
スペイン風邪に及ばない可能性が高い
藤井 今日はよろしくお願いいたします。宮沢先生は、京都大学のウイルス・再生医科学研究所で、ウイルスについて専門にご研究されている准教授の先生です(http://www.kyoto-u.ac.jp/explore/professor/08_miyazawa.html)。本日は是非、今、世界中で問題になっている新型コロナウイルスについてのお話をお伺いしたいと思い、参上いたしました。
宮沢先生は、当方がユニット長を務めますレジリエンス実践ユニットで『リスク・マネジメントに基づく「新型コロナウイルス対策」の提案』(http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/2020/03/corona_riskmanagement.pdf)をまとめた際にも、様々にアドヴァイスいただきましたが、今日は、一般の方に、このウイルスの特性、とりわけ危険性について分かっていることや、こうしたウイルスとの付き合い方について、ご専門のお立場からのお話を伺いたいと思っております。
今日はどうぞ、よろしくお願いします。
宮沢 はい、よろしくお願いします。僕はウイルス学については研究歴は三十三年で、英文の論文は二百報ほど出していますが、まず、新型コロナウイルス、正確にはSARS-CoV-2は一般的には、死亡率に関しては季節性インフルエンザより高いといわれていますよね。ただし過去に、大昔に流行したインフルエンザである「スペイン風邪」に比べると断然低い。ただ当時の状況というのは今とは医療体制が全然違いますので単純には比較できないんですけれども、それを差し引いても、スペイン風邪には匹敵しません。アメリカの著名なシンクタンクである「ブルッキングス研究所」では、最善のシナリオで約1500万人が、最悪のシナリオでは6800万人死亡するという予測をしているところもあるんですけれども、ダイヤモンド・プリンセス号での事例や、中国の武漢市の感染状況を見ると、あるいは韓国の現在の様子を見る限りそうはならないだろうと思っています。最大どの程度の被害が出るかということについては現段階では全く分からない状況なんですけれども、一つの目安として、武漢市のある湖北省のことを考えたらいいのではないかと思っていて、湖北省では感染爆発が起きてしまって医療体制が崩壊した。それで非常にまずい状況になったわけなんですけれども、その状況下においてもいま、陽性者(新規感染者)はどんどん減っている。それから死亡者は徐々に減っているけれども完全に頭打ちになっているといことで、おそらく最終的には湖北省全体をとってみても死者は4000人には届かないだろうと。そうすると湖北省の人口は5600万人程ですので、日本に直すと(日本の人口で換算すると)大体マックスで死者が8000人。
日本全体が医療崩壊にならなければ湖北省よりもひどい事態にはならないと私は個人的に思うのですが、それを考えれば、日本でも最大8000人程度、日本の医療体制を考えれば、実際の値は数千人程度じゃないかと予想しています。
藤井 確かにアジアでは、中国だけじゃなくて韓国も収束してきていますね。ただ、人口6000万人で死者数が6000人を超えた(3月25日時点)イタリアのような拡大が日本でも起こると、一万人を超えるリスクもあり得る、ということでしょうか。
宮沢 もちろん可能性はあります。おそらくそうなると、日本人はパニックになるかもしれませんが、それでも、統計値を見れば、そもそもインフルエンザの死亡者数は年間約3000人、統計によっては1万人と推計されていますし、肺炎で亡くなる方が年間約12万人いるわけで、そういうものと冷静に比較すれば、全体で見るならば大きな影響が出るというものではないだろうと個人的には思っています。しかも、それよりももっと小さい数千人、あるいは数百人という水準で収まるならなおさらです。さらにいうと、まだ100人以下の日本の状態で過剰なパニックは禁物です。
藤井 なるほど一番恐ろしいのは「パニック」だということですね。今40人程度の感染死者数ですが、我々は今、ここで、これが「数百人になり、数千人になることを十分想定内のことである」というスタンスで議論していますし、確率は必ずしも高くはないが「一万人を超える可能性」すらあり得ると「冷静」に受け止めている。学術界にはリスク・マネジメント(リスクを管理していくこと)やリスク・アクセプタンス(リスクを受け入れること)と呼ばれる概念がありますが、我々はまさに、そういう概念でもって、この感染症の問題を捉えている。そこで大切なのはパニックにならないことだと考えている。それはもし仮に、私個人や家族が重症化し、死に至っても同じようにパニックになるべきではない、と考えている。ですが、おそらくマスコミは、感染死者数が100人を超えたとき、さらには1000人を超えたときに「大騒ぎ」することになって、国民は大変な不安になってしまうリスクがある。そうなると、過剰自粛を国は要請し出し、それがさらに社会的混乱を拡大させてしまうリスクがありますね……。そうなれば、感染症による被害を上回るパニック被害が生ずることになる。我々は実は、公共政策の視点から、そちらのパニックをも本気で心配しているんですよね。だから、我々からすれば、一部の方々からバッシングされるリスクが十分あることを知りながら、あえて「保身のための安全側の論理」ではなく「科学的な見通しの論理」を、こういう形で公表しているわけですよね。本当に宮沢先生には心から感謝いたします。
確率的にいえば、
「感染者と濃厚接触しても感染する事は十中八九ない」
藤井 ちなみに、感染してしまった場合における「致死率」についてはどうでしょう?
宮沢 「死者/感染者」に関してはインフルエンザの10倍とか、お年寄りにおいては何十倍とかいう説・試算がありますね。ただ、政府の専門家会議が公表しているデータでは、感染者の内、人に感染させた実績がある方は、5人中1人です。だけれどもインフルエンザの場合は5人中5人くらいが伝染させる。
藤井 なるほど、濃厚接触者にすら誰一人感染させていない感染者、っていうのが、5人中4人、80%もいるっていうことですね。一人が何人に伝えているかにもよりますが、インフルエンザよりも、感染しにくい傾向がありそうですね。
宮沢 ただ、一人が複数に伝えるスプレッダー、あるいは、大量の人に伝えるスーパースプレッダーのような方が一部にいるようです。
藤井 でも、それも、スプレッダーが濃厚接触者全員に感染させるわけではないですよね。他者に感染させた実績のある五人の内の一人の感染者においても、その濃厚接触者全員に感染させたわけじゃないですよね。だから、目の前に感染者がいたとして、その人と濃厚接触したとしても、その人に感染させられる確率って、最大で20%ですが、実際のところ数パーセントから一割程度、っていうことなんでしょうね。逆にいうと、感染者と濃厚接触したとしても、確率論的にいうなら十中八九うつらない、ということですね。
宮沢 データからはそうなりますね。まあ規制はしているとはいえ、自粛はしているとはいえ、それでもある程度の生活を皆が続けていて、この程度の広がりだとすれば、今の警戒レベルを続ける限り、それほど急速に感染していくとは思いがたいですね。
でももちろん、一部の人は潜在的にものすごいかかっているのではという説もあって、私もそれを危惧していたんですけれども、PCR検査をやってる地方衛生研究所の方々の話を聞くと、「いや、それはないんじゃないか」とのこと。というのは、要はPCR検査、RT─PCR検査をするときに疑い例だけをセレクトしていますよね。
藤井 事前確率の高い人(=新型コロナ感染可能性が高い人)たちですよね。
宮沢 そうです。この人は多分感染しているんじゃないかっていう人にやっているのにもかかわらず、それでも陰性が多いようです。要するにもし一般市民に広がっているのだとしたら全体の検査数は少なくても、感染者が増えてくるわけです。ところが今のところ、それが見られないということは、少なくとも現時点では一般にもそれほど急激には広まっていないようです。日本においてはですね。もちろん、イタリアとかは分からないです。イタリアの検査結果の統計が正しいとすれば、イタリアでは一部の都市で感染爆発が起きています。
イベント「自粛」の、ウイルス抑え込み効果は未知数である
藤井 いま特にイタリアやイランがすごく広がっていますけど、これと日本との違いってどこにおありだと考えられますか?
宮沢 分からないですけど、まず、国民性の違いがあるのかなと。
藤井 よくいわれるのは握手だとかほおずりだとかがイタリア人が多いと。しかも、イタリアの大きな特徴が皆、大家族で暮らしてて、複数世帯が一緒のケースも多いっていうところがあるようです。だから、家族の中に年配の方が必ずいて、家族同士いつも一緒に時間を濃密に過ごすので、町中で感染した若者が家に帰ってきて、家庭内で年配の方に感染させるケースが多く、それで急速に重篤になって死亡する高齢者が増えたんじゃないかといわれてます。実際、イタリアで亡くなった方の94%が60歳以上ですから、そういう説明は合点がいく説明ですね。
宮沢 あと、これは不確定情報なのですが、現在感染が爆発的に広がっているのは特殊事情があったのかもしれません。というのも、サッカーのチャンピオンリーグの試合、アタランタ対バレンシアの一戦が、ミラノで開催されたのです。その時に、アタランタのホームタウンであるベルガモから、3万5000人が、スペインのバレンシアから2500人も訪れていたというのです。その日は、アタランタが勝利したのですが、サポーターが地元のレストランや酒場で盛り上がった。そして、二週間後、感染者が急増したというのです。現在、イタリアで感染拡大が起こっているのは、ベルガモがあるロンバルディアです。また、バレンシアもスペインの感染拡大の中心地になっています。当時はまだウイルスについては警戒はしていなかったので、運悪く感染が一気に拡大した可能性はあります。ただ、これはあとで検証する必要はあるかと思います。
藤井 そういったことがあったのですね。
宮沢 で、日本でそんなに増えていないのは政策、自粛のおかげだということも言っている人もいるんですけど、実は自粛自体の効果がどれだけあるかというのもよく分からなくて。
多分政府の方は自粛したことによって抑えられている、(封じ込めに)成功したと言いたいのでしょうけど、まだ、今のところ分からない。例えばもし自粛していて感染率が下がるのであれば他の感染症の流行も下がるはずですよねえ。
藤井 ああ、なるほど。
宮沢 感染様式が同じインフルエンザと同じ対策をとっているわけですから。それで「インフルエンザも急激に感染が下がっているんじゃないの?」っていう人もいる。けれども統計を見るとインフルエンザは確かに例年よりも低いんですけれども、この低さは去年早く感染が始まったので比較的早く収束していてこれは自粛の効果といえるかどうかは分からない。自粛をする前と後で、感染者の数の増加の傾きが自粛前後で今のところ特に変わっていない、っていうことを指摘する先生もいる。
ということで日本人は普通にいつも通りに、手洗いやうがいなどで防御して、ソーシャルディスタンスに留意していれば、この程度しか広がらないんじゃないかなとも思います。
藤井 おそらく日本人は世界で一番手を洗う民族ですよね。
宮沢 でしょうねえ。私も帰宅したら手を洗ってアルコール消毒して即、お風呂に入ります。自粛のせいでというのは、自粛の寄与率がどれだけあるのかは私にもちょっと分かりませんね。
藤井 なるほど、自粛自粛、って言ってる割に、感染抑え込みの効果は、さしてないかもしれない、ということですね。実際、政府の専門家会議でも、「大規模イベントの自粛要請……が……(どれだけの)効果を上げたかについては定かではありません」とはっきり言ってますしね。
宮沢 実際、普通に考えて、例えば静かに音楽を聴くとか、みんなが集まって映画を見るとか、それでも感染リスクが高いとはちょっと考えにくいですよね。
藤井 あの、集団感染が起きる三条件(⑴換気の悪い密閉空間、⑵人が密集、⑶近距離での会話や発声)が一つでも欠損すると相当リスクは下がるでしょうねえ。
宮沢 でしょうねえ。
藤井 特に、飛沫が飛ばなければほぼリスクは〇ですよね。もちろん、接触感染にも気をつけてさえいれば、ということですが。
宮沢 そうですね、要は飛沫を予防するということと、入場する時に手をしっかり洗うことと、企画者がその辺の「てすり」とかをきちんと消毒すれば、ほぼほぼ問題はなかろうと。
藤井 原理的に感染するルートはあり得ない。
宮沢 そうですよね。私たちは感染症をやっていてこうすれば感染しないって分かっているから、これでいいよねっていうのはあるんですけれども……。
藤井 にもかかわらず、欧米はものすごく社会活動を禁止し始めています。欧米各国は、まず、1000人規模のイベントや500人規模、100人規模のイベントの開催を禁止し始めましたが、その後どんどんエスカレートして、イタリアやイギリス、スペイン、フランスでは、程度の差こそあれ、基本的に外出禁止になりました。アメリカの半分くらいの州で外出禁止になっています。日本でも、小池東京都知事が、東京五輪の延期が決まったらすぐに「首都封鎖」なんていうことを口にし始めました。こういう対応はどう思われますか?
宮沢 私には、完全に狼狽しているとしか思えないですよねえ……。でもそれに対して、というか、そういうことが起きたときに、例えばアメリカだったら、アメリカの研究者がなぜ異議を唱えないのかというのが不思議に思います。外出禁止にする前に、各自の行動規範、手洗い励行、マスク、大声を出さないなどでも、かなり感染は予防できるはずです。
藤井 アメリカの感染症センターの方々が、かなり早い時期にパンデミックを警告したところ、トランプ大統領がその声を完全に封じ込めたとか聞きました(『表現者クライテリオン』90号参照)。
宮沢 例えば、アメリカでは大学の研究室が閉鎖されましたが、私にはちょっと想像できないですよね。私たちは感染症をやっていて、こうすれば感染しないって分かっているから、「閉鎖」なんてやることの意味なんてないんじゃないかと思うわけですけれども……。まあ、感染症にリテラシィのない研究者もいるかもしれませんが、行動規範のガイドラインを明確に示せば、閉鎖することもないのではと思います。
小中高校の休校も、選抜高校野球の中止も、
非科学的な「過剰自粛」であった
藤井 安倍さんが2月下旬に小中高校の休校を要請されましたが、これについてはどう思われますか?
宮沢 正直なところは私はびっくりしました。社会にそれだけの決意を知らせるという意味ではありだったのではと思ったんですが、科学的にはね、全く正しくないですよね。感染者はまだ全然いないのに止めちゃうし、子供が感染して亡くなるとか重症化する例はほとんどない。ただ、お年寄りに感染するという例もあるけれど、それも家庭内でなんとかできる話じゃないですか。
藤井 安倍さんはあの時、「何よりも子供たちの健康、安全が第一である。学校において子供たちへの集団感染という事態は、何としても防がなければならない。そうした思いで決断をしたところであります。」と言ってるんですが、これ、メチャクチャな話ですよね……?
宮沢 そうですね。ただ、お年寄りに伝えるのが危険だからこのくらいやらないと、ということを言う人は出てきてますが……。
藤井 子供たちの「健康」や「安全」は、関係ないですよね。
宮沢 まあウイルス研究者の多くは、これはちょっと、あんまりなんじゃないかと……。
藤井 ところで、冒頭でも紹介した京都大学のレジリエンスユニットの提案書では、過剰自粛をやることへの国民的な経済的被害というものがあって、自粛をすればするほどウイルス感染の展開という点ではいいのかもしれないけれども、経済が毀損すると自殺者が急増し、トータルとしての国民の健康被害を考えると、過剰自粛はかえって被害を悪化させる、だから、自粛には、国民の健康の点だけ考えてもどこかに最適が水準がある、という提案をまとめました。宮沢先生にも様々にご指導いただいてまとめたものですが、今の日本や世界各国の状況というのは、その最適な水準を超えた「過剰」な状況にあるのではないかと思われますか……?
宮沢 そうですね。もちろん、例えば30人で集まるとそこに感染者が1人いるかもしれない。
藤井 例えば中国くらいに日本で感染が広がっていたとしても、その確率は0.1%程度ですね。
宮沢 しかし、いたとしてもその人から広がる可能性は5人に1人(の割合)ですよね。さらにマスクをするとかアルコール消毒するとかで全然対応できるはずで、それを考えつつ集会をやるならやればいいわけです。
藤井 しかも、そうやって針の穴を何本も通すようにして感染しても、重篤化するリスクは、若年層の場合は、千人の内数人程度の確率。それらを全部考えれば、交通事故で重傷の怪我を負う方の確率が高いくらいですね。
宮沢 またもう一つ、いくら注意しても何らかの経路で感染してしまうこともある。
藤井 電車やエレベータで感染することもあるし、スーパーで買い物して商品に触れるだけで感染することもある。ずっと家にいても、ちょっと出かけた家族がウイルスを持って帰ってくるかもしれない。過剰にイベントだけ閉鎖したって、どれくらい効果があるか分からない、っていう話ですね。
宮沢 とりわけ人が集まってもオープンな空間で、静かにしていたら、リスクは非常に低いから、いいんじゃないのっていうのが僕の意見ですね。もし、それが心配なら、都内の通勤電車はどうなるのでしょうか? 専門家会議でも、通勤電車での感染の確率はかなり低いという結論だったのではないでしょうか? 通勤電車は密室ですから、オープンな空間では、よりリスクは低いと私は思います。
藤井 あと、今朝の新聞で、公共事業をこれから経済対策でやるだろうけど、公共事業をたくさんやると現場が増えるので感染を拡大してしまうリスクが増えるから公共事業をやってはいかん、という慶應大学の経済学部の土居丈朗先生の記事があったんですが、この意見はどう思われます?
宮沢 いや、そんなことしたら日本は終わってしまうんじゃないですか。みんな家で閉じこもってなさいっていうのと同じですよね。
この前の選抜の高校野球の中止に関しても私には全くよく分からなかったです。危ないっていうんだけれども、9人+9人+ベンチの人たちだけれども、その中に感染者がいるのかといわれたら0%ではないとしても限りなくそれに近い。しかも、あの広いオープンな甲子園球場では仮に感染者がいたとしても感染リスクはさらに低い。そういったときに、何を根拠に……と思います。「移動中とか宿舎で移ったらどうすんの」とか言うんですけれども、それを言い出したらすべてそうじゃないですか。
藤井 高校野球を止めた期間、高校生たちがずっと家に引き籠もって、外から帰ってきたお父さんやお母さんたちとも接触しないならいざ知らず、そうでなければ、高校野球大会の間に家庭内や出先で感染するリスクだってありますものね。「高校生を守るためにイベントを中止する」って言うなら、その高校生を自宅で完全隔離するくらいの取り組みをしておかないと、ツジツマが合わない。
宮沢 そうです。だから結局は、高校生を守るっていうより、誰か一人でも出たら高校野球のせいになっちゃうからということで止めているだけだとしか言いようがない。
でも面白かったのが、「宮沢さん何とかしてください、この自粛ムードを止めてください、この過剰自粛のせいでお客さんが全然来なくて困ってるんです」って言う人がいて、その人と話してて、その中で「甲子園ひどいよね」って言うと、その人、「いやいや、それは当然でしょ」と言うわけです。それは自粛してもらわないといけないって。
藤井 そうなんですか!?
宮沢 自分のことに関しては自粛解いてくれって言うんだけれども、人に対しては自粛しろと言うんですよね。
藤井 なんかもう、メチャクチャですよね。
(後半は本誌で)
[令和二年三月某日、京都大学ウイルス・再生医科学研究所にて]
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この対談の後半は、『表現者クライテリオン』5月号(以下のリンクから予約受付中)でお読みください。
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2024.04.10
コメント
藤井先生と宮沢先生の対談を拝読して納得が出来ましたので始めてコメントさせて頂きます。
私は普通の主婦ですが2007年(65歳の時)に家族旅行中に特発性間質性肺炎にかかり、
1年4ヶ月(入院8ヶ月、施設の療養8ヶ月)をして自宅に戻った者です。
そして現在は普通に暮らしております。
今回のコロナ感染症の重篤患者の症状が私と酷似していたので感想を述べようと思いました。
私は偶然にも医療設備が充実している病院に入院出来て医師も看護師の方々にも恵まれたので
幸いにも生還出来ました。
その上で現在の政府の医療関係に関する予算が少ないのに、マスコミが連日煽ったら医療が崩壊するのは目に見えています。軽い人は退院出来るのですから重症な人の為に人工呼吸器と十分なベッド数と施設、医師、看護師の充実で受け入れが急務です。軽い人は常識の範囲でインフルエンザと同じ位の対処でパニックにならない事を望みます。今の状態では日常が壊れてしまいます。
いつも藤井先生の啓蒙には敬服しております。
チャンネル桜での佐藤氏との議論、エエ内容やった!
ボンクラ金権政治(日本政府)の論理ではなく、どちらも日本人の命を本気で考えている内容や。
感心してる場合ではないけど議論とは別で一つだけ言いたい事がある。
この現状を打破するには財政しかあり得ない。
しかしながら、自国通貨を信用せず使い方をも知らないボンクラ幼稚園児日本政府の我が国。しかしながらこの時絶好のチャンスとし、財政拡大路線を唄う輩も如何なものか。確かに財政出動しかあり得ない! ここで出さんかったらいつ出すねん。それ処か通貨の意味さえ無くなる話や。でもな、人の命を賭けてもエエんか?
ウイルスで人がしぬ。経済で人が死ぬ。ここ慎重にそして迅速に考えなアカンやろ。
悲しいかな、スーパーボンクラ幼稚園児の日本国政府やで。
「やっぱしカネ出さんかったか」で済む話ではないんやで。
チキンレースかもしれんけど、ただ己の欲求(論理)を関係無い命に使ったらアカン。
そんな糞は財務省とそれに集るご用意学者、政治家だけやらせてたらエエよ。
出来る事やって、もし政府がカネ出さん、或は出したとて、その先増税を実行しようとするならば円を国民が放棄したらエエんよ。左翼的発想かもしれんけど…罠かもしれんけど…あっそれが狙い!?
初めてコメントいたします。
日本で新型コロナの感染のコントロールができているのは
2/13-14に国内感染(入国者や外国人との接触でない)による新型コロナの感染者を把握し、国内感染の早期把握→クラスタ対策と日本人の行動の変容→2/24(2/26イベント自粛以前)以後の実質再生産数を1程度に抑制 の流れができたからです。(台湾・シンガポールも同様)
「諸外国では数百~数千人規 模の感染者数になるまで介入されなかったことが死亡者数の急増を引き起こしたものと考えられますが、日本では少人数のクラスター(患者集団)から把握し、この感染症を一定の制御下に置くことができていることが、諸外国との患者発生状況と死亡者数の差につながっていると判断しています。 」(新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言 P2)参照
欧米諸国では、水際対策(「入国者や外国人との接触」の監視)中心で、国内感染の監視が盲点となり、国内感染の早期把握に失敗し、気が付いた時は国内感染がまん延し医療崩壊を防ぐためにはロックアウト以外の方法が失われていました。
米国のワシントン州では2月の初めには感染が始まっていたようです。また、愛知県でフランスからの2/26の帰国者が3/5に感染確認され、既に2/26時点で国内感染のまん延があったことを十分思わせるものですが、2/26のフランス国内の感染者数は18人で、如何に国内感染の把握が手遅れなったかをを示しています。また、イタリアでも2/21の患者1号の時には既に蔓延していたと言われています。
日本では、2月中旬以降重症者中心に国内感染の監視とクラスタ対策による感染者の発見・隔離が十分にできていたので、欧米諸国の事情とは全く異なっています。
3/20頃まで、新規感染者数が抑制されていたのもそのためと思われます。
ここに来ての新規感染者の増加は、感染した入国者によるもの(日本政府の感染爆発国からの入国と旅行の野放しと言う信じがたい政策の結果)、病院・施設の集団感染、東京都のみの異常な新規感染者の突出(東京都知事に責任あり)で、日本人の行動の変容による実質再生産数の低下による感染抑制の効果は2月末には達成されているので、これ以上の自粛は基本的に不要のはずです。