【藤井聡】「ももいろインフラーZ」の最新テーマは『橋』。普段なにげ使ってる『橋』が持つ地域発展のスーパーパワーと、そのための人類の努力の歴史…是非、ご覧下さい!

藤井 聡

藤井 聡 (表現者クライテリオン編集長・京都大学大学院教授)

本日12月3日の午前、東京MXテレビで放送された最新の「ももいろインフラーZ」のテーマは、

『橋』

https://www.youtube.com/watch?v=5rLp6ZEpt0c&t=4s

ももいろインフラーZは二ヶ月に一回放送する番組。これまで、新幹線、道路、ダム、港、強靱化、電力、治水等を取り上げてきましたが…

https://twitter.com/SF_SatoshiFujii/status/1731159618758509036

それぞれのテーマについて2ヶ月の準備を経て作ってきています。

今回も、MXテレビのスタッフと一緒に、二ヶ月間、じっくりと「橋」について調べ上げて番組をつくりました。

最初に、国土交通省の道路局の全国の「橋」の整備・維持・管理の担当者にヒアリングを重ね、橋の歴史や、過去の橋建設プロジェクト、今構想されているプロジェクトについての基礎情報を集めます。

それに加えて、建設業界の様々な「橋」の技術者の皆さんに個別にお話しをお伺いして、情報を集めていきます。

こうした情報収集に基づいて、現在進められている各プロジェクトの現場や「最新技術」の適用現場に取材にお邪魔しました。

こうしてできた素材に基づいて、番組の台本を作って行きます。

そして、まず番組冒頭では、「橋」っていうのが、どれだけ凄いインパクトをもってきたのか、っていう話しを紹介。

番組で紹介したのは、ベトナムのバイチャイ橋。この橋は、ベトナムのハロン湾という所に架かる橋なのですが、これがなければ、対岸にいくのに何時間もかかるような地形状況だったのですが、この橋がかかったことで、一瞬で渡れる様に。

橋の西側は大都会、でも東側は凄い貧困地域…だったのが、橋がかかった結果、東側は滅茶苦茶発展し、いまやもう、高級ブランド街ができあがるほどの変貌を遂げたのです。

実はこの橋の話しを教えてくれたのが、番組後半に紹介した、「永遠に錆びない橋」の技術開発に携わった、永元さん、っていう方。

彼は実は大学の同級生で、この番組企画がはじまってからあれこれ連絡していろんな事を教えてくれた方の一人、でした。

彼は実は奄美出身の釣り好きで、当方がまだつり上げてない幻の大魚、数十キロ級のロウニンアジ(GT)をつり上げたこともある猛者なのですが(うらやましい!!)、そんな彼なので、よく奄美のご実家にもお邪魔していたのでした。

で、彼のご実家のリビングに飾られてたのが、このバイチャイ橋でした。

奄美の彼のご実家に遊びに行った折り、ご両親にご馳走頂きながらあれこれ話しをしてる時に、その写真の橋についてふと聞いてみると、「この橋の設計、若い頃やってたんやでぇ」なんて聞いておりました。

で、今回の番組をするにあたって、そういえば、「あの橋のおかげで、ベトナム滅茶苦茶発展したんやでぇ」っていう話しを彼がしてくれたのを思い起こし、改めて彼に連絡して、

「むかーーし、ご実家で話聞いてたあのバイチャイ橋、あれで、めっちゃ街発展したって、ゆーてたけど、そんなん分かる写真ある?」

ってお願いして頂いたのが、番組で紹介したバイチャイ橋建設前後の東側の町並みのビフォー・アフター写真でした。

詳しくは是非番組ご覧頂ければと思いますが、永元君曰く、橋ができてから東側に住んでた同業者の家に遊びにいったら、その現地技術者の家が滅茶苦茶高級になってて、「日本の俺の家よりもええ家住んどって、びっくりしたわぁ!」なんて事をいってました。

そんな彼の驚きの一端をお伝えできる写真が、今回番組で紹介できて、橋って、ホント、すんごいパワーもつんやなぁ…ってことをお伝えできたんじゃ無いかなと思います。

番組は、こうやって橋のスーパーパワーを直感的にご理解頂いた上で、世間では長らく「無駄の代名詞」と呼ばれていた四国にかかる巨大な橋、瀬戸大橋がどれだけ四国、西日本の発展に貢献したかを紹介。

その上で、日本の橋梁技術の草分け、田中 豊博士の偉大な業績をご紹介。世界で「三流」と言われていた橋梁技術後進国の日本が、関東大震災で壊れた数多くの橋の代わりに、田中博士が新しい数々の技術で橋をつくっていき、それを通して、日本が世界の橋梁一流国になったのです、っていうお話しをご紹介。

そして、メンテナンスの最新技術、そして、「永遠に錆びない画期的な橋」というインフラ業界の夢を叶えた最新技術を、最後にご紹介しました。

土木の橋梁業界のいろんな方々のお話をお聞きしても、この技術はホンットにやばいくらいに画期的なものらしく、世界をリードする技術として、世界的にも注目されてるそうです。

この最新技術を使えば、人口が減っていく日本でも、立派な橋をより容易に、いろんなところに架けていくこともできるようになります。

日本にはまだまだ、架けねばならない橋がたくさんあります。

番組でも紹介していますが、

四国と和歌山を結ぶルートにかかる「紀淡海峡大橋

四国と九州を結ぶ「豊予海峡大橋

神奈川と千葉を結ぶ「東京湾口橋」

伊勢と愛知を結ぶ「伊勢湾口橋」

下関と北九州を結ぶ「第二関門橋」等…

20世紀後半には、政府も真面目に調査を始めていたのですが、今は全て凍結中…一応、第二関門橋(道路)は、ようやく動き始めていますが、それ以外のプロジェクトも完成すれば本来なら、それぞれの地域を超絶に発展させるインパクトを持つモノ。

人口が減っていくこれからの日本、より発展させていくためにも、こうしたプロジェクトを完成させ、未来の豊かな日本をつくっていかねばなりません

(しばしば、人口減るからインフラいらない、という事を言うヒトが居ますが、そういう言説は、インフラは「混雑対策」のために必要だという古い考え方に囚われているだけの代物で、完全な間違い。人口が減り、衰退していくわけですから、その衰退を食い止めるためにこそ、最新のインフラがより必要になるのです。実際、人口が日本の1割以下しか住んでいない州各国では、今、様々なインフラ整備を進めているのです!)

そんな事を考えるためにも是非、ももクロさん達と『橋』について考える、ももいろインフラーZ、じっくりとご覧下さい!

https://www.youtube.com/watch?v=5rLp6ZEpt0c&t=4s

追伸1:過去のインフラーZでは、新幹線、道路、ダム、港、強靱化、電力、治水等を特集しています。是非、あわせて下記公式HPよりご覧下さい!

https://twitter.com/SF_SatoshiFujii/status/1731159618758509036

執筆者 : 

CATEGORY : 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

メールマガジンに登録する(無料)