今回は『表現者クライテリオン』2021年3月号に掲載されている特集座談会を特別に一部公開いたします。
抗中論をテーマにした3月号。
今や中国は超大国になっており、日本が中国に抗うことを意識しなければ何が起きるのか。
以下が内容です。
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重要なのは中国に隷属化していくというのは一体何を意味するのかという認識です。
一言でいって、我々の主権さえ脅かされなければ、我々としては中国が強かろうがどうだろうが構わないわけですが、尖閣については領土的主権を奪われる可能性がリアルにあると。
沖縄についても領土的主権が脅かされるリスクがありますし、仮にそこまでいかなくても、自治権が侵害される可能性はかなり深刻にある。
今まで東西冷戦以降の構図の中で、日本はアメリカの保護領的位置づけにあった。そのため、中国のアリババとかテンセントとかの大企業が日本市場に大量に入ってきているという状況は避けられている。ところがRCEPなんかもそうですが、中国経済が強くなればなるほど、そして、米国が対中抑え込み戦略を諦めれば諦めるほど、中国企業が日本市場に流入し、日本市場の各種資本が中国企業に買収されていくことになる。
そうなると、日本国民の所得が中国資本に吸い上げられていき、日本国民が貧困化していくことになる。こうして、日本の経済的主権が中国によって徐々に壊され、奪われていくようになる。
パブリック・ディプロマシー(広報外交)という視点がありますが、中国政府による意図的な世論工作を通して、日本の世論が中国政府にとってプラスで日本国民にとってマイナスとなるような方向へと、誘導されていくことになる。
今、中国は実際、パンダ外交をはるかに超える、映画を使ったハリウッド外交を通して、米国を中心として世界中の人々の意識を中国政府に利がある方向へと誘導し続けている。
今、言語において英語のプレゼンスが急速に拡大して、言語主権が年々衰退し続けている。一足飛びに中国語に日本語が取って代わられるとは考えにくいとしても、中長期で捉えればそうならないとも限らない。
いずれにせよ、大国化し、覇権国化する中国がスグ側にある我が国日本では、「抗中」の意識を明示的に持っておかないと、日本の主権がスグに溶け出していくことになるわけです。だから抗中論は日本の主権を守り続けるために絶対に必要なわけです。(続く)
(『表現者クライテリオン』2021年3月号より)
では日本の主権を守るための具体的戦略は何なのか。
その戦略については『表現者クライテリオン』3月号でたっぷり語られています!
気になった方はぜひ以下から本誌を購入してみてください!
『表現者クライテリオン』2020年3月号
「抗中論 超大国へのレジスタンス」
https://the-criterion.jp/backnumber/95_202103/
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