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【浜崎洋介】表現者塾「5年目」に向けて——その「場」の力について

浜崎洋介

浜崎洋介 (文芸批評家)

 みなさん、こんにちは。文芸批評家の浜崎洋介です。

 

 この度は、2023年(令和5年)度の表現者塾に向けて、その抱負を述べると共に、その塾生募集のお知らせのためにメールを書かせていただきました。

 2019年に始まった新・表現者塾も去年度で4年目を終え、今年度から、いよいよ5年目を迎えます。前回のメールにも書きましたが、やはり塾の醍醐味は、「対面」での社交を積み重ねることで、塾生自身の能動性を育てることにこそあります。

 それは、去年、「塾生が主体となって企画したイベント」を確認しただけでも明らかでしょう。

 

①トークセッション「危機の時代に小林秀雄を読む―日本近代150年目の批評」(富岡幸一郎×柴山桂太×浜崎洋介)2022年1月8日

②信州支部学習会「小林秀雄の批評と保守思想」(講師・浜崎洋介)2022年2月19日

③表現者クライテリオン創刊4周年記念シンポジウム「首都東京で考える『「愛国」としての「反日」』」(小幡敏×藤井聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎)2022年5月21日

④トークセッション「文学とナショナリズムから考える危機の時代」(施光恒氏×浜崎洋介)2022年7月2日

⑤信州支部学習会「グローバル化時代の戦争と日本の選択」(柴山桂太×浜崎洋介)2022年8月20日

⑥表現者クライテリオン・大分シンポジウム「大分で『しらしんけん』考える地方のあり方」(佐藤樹一郎大分市長×施光恒×藤井聡×柴山桂太×浜崎洋介×川端祐一郎)2022年11月19日

⑦ちなみに、塾生を中心に、塾生の投稿も読める東京支部のサイト——ホーム | Tokyo branch (https://mapi10170907.wixsite.com/tokyo)が立ち上がりました。

 

 この6つのイベントとサイトの立ち上げは、全て表現者塾の塾生が自主的に企画したものです。が、もちろん、それは誰か一人が目立って活動した結果ではありません。関東、信州、近畿、中国地方、九州など、様々な場所に散らばりながら、しかし、毎月一度、表現者塾という「場」に集う方々に対する信頼感と、その力によって成り立ったイベントです。

 その点、やはり「場」の力というものは間違いなくあるのだと言っていいでしょう。

 とはいえ、悲しいことに、現今の日本では、この「場」の力というものが弱くなってきています。とりわけ、ポジショントークを超えた保守思想、政治・経済・外交、そして過剰自粛批判、それらを真剣に考えようとすればするほど、この国では孤立を強いられることが多い。しかし、だからこそ、私たちは表現者塾という「場」を必要としたのではなかったでしょうか。その月一回の社交によって、私も含めて、自分の孤独が暴走しないように注意し、さらに、そこから自分の「元気」を汲み取ろうとしてきたのではなかったでしょうか。

もちろん、「元気」というのは、「自分の言って欲しいこと」だけを聴き、「自分の知っている情報」を確認することだけで生み出せるものではありません。「学び」が「学び」である限り、ときには「自分が受け入れにくいこと」、あるいは「自分が考えたこともないようなこと」を目にし、耳にし、それを自分自身の反省へと折り返していく必要があります。が、その一方で、そのためには、どこかで、その言葉を発している人間への信頼が必要であることも確かでしょう。そして、その信頼を醸成しているものこそが、お互いがお互いに、同じ「場」を共有しているという、その疑いようもない事実の経験なのです。

まさに、「信じることと知ること」(小林秀雄)は循環しているのです。

 

 

今年度は、いつもの編集委員の講義に加え、左・右の枠を超えて、できるだけ幅広い先生に講義をお願いしたいと考えています——今のところ、社会学者の大澤真幸先生、哲学者・ウィトゲンシュタイン研究者である古田徹也先生から「諾」のご返事を頂いていますが、その他、講義の詳細が決まりましたら、2023年度「表現者塾」入塾のお申込み | 表現者クライテリオン(https://the-criterion.jp/seminar/)の方で告知したいと思います。

この時代に、「保守」を考えることは至難の業です。が、それが至難の業であるからこそ、私たちは、その至難を支える「場」を作り上げて来たのでした。そのような「場」として、表現者塾を利用していただければ幸いです。是非、表現者塾でお会いしましょう!

 

 

◇◇第5期(令和5年度)表現者塾 概要◇◇

期間:令和5年4月~令和6年3月(全12回)

日時:毎月第2土曜日 17時~19時
※本年度より時間が早まっています。ご注意ください。

場所:東京・新宿近辺(予定)
※入塾申込の人数に応じて会場を選定し、追ってご案内致します。

年会費:(一般)66,000円(クレジットカード払いの場合は、毎月払いも可能です。(毎月支払の場合、5,720円/月(×12回払)となります。)
    (学生)33,000円
    (動画)33,000円
    (学生動画)11,000円

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